風のように 蜜のように 鳥のように Mm

出典: 蜜の月/作詞:Fukase 作曲:Fukase

ここではその歌がどのように届いて欲しいかの主人公の気持ちが表されています。

気持ちも、存在そのものも遠ざかっていってしまう大切な人。

冒頭の「風」というのは、風が吹くように自分の想いが伝わることを願っているのが伝わります。

ここから伝わるのは、それだけ遠くに「君」がいるということ。

今の2人の距離感が伝わります。

また、「蜜」という言葉には2人の以前までの甘い生活を想像させる表現です。

「鳥」は、「風」と同じように、自らの想いが彼女の元へ運ばれていくことを願っていると分かります。

有機的なものを比喩に用いることによって、その気持ちの真摯さが伝わってくる表現です。

彼女に対しての想いの深さが感じられます。

「蜜の月」2番

あの日から変わってしまったこと

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寝台列車と折れ曲がった缶ビール
最近変わった君のタバコの匂い

出典: 蜜の月/作詞:Fukase 作曲:Fukase

1行目で描かれているのは、2人の思い出の断片

駅に止まっている列車と、2人で飲んだ缶ビールの情景を描写しています。

2人の間の関係性を、情景で表しているのでしょう。

そしてその断片の中で、彼の気持ちが特に向いているのは「君」の吸うタバコの香りです。

そこに表れているのは、昔とは変わってしまった部分。

いつの間にか、彼女が吸っているタバコの銘柄が変わっていた。

前までの彼女との違いを、その部分で感じてしまったのでしょう。

主人公がその横顔を眺めるしかないほど、「君」は彼にとって遠い存在になってしまいました。

静寂に波の音が響く

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純白の夜の駅 無音の雪の中
真っ暗な冬の海 ずっと眺めていた

出典: 蜜の月/作詞:Fukase 作曲:Fukase

この思い出が冬の出来事であることが分かるパートです。

しんしんと降り積もる雪の中で、辺り一面が真っ白になっているのが想像できます。

そして、近くには海があり、街灯もなく闇の中でさざ波が聞こえている。

その海をただ、何も喋らずに見つめる2人がいます。

主人公は2人の間に流れる沈黙が感じささせるその距離感に切なさを感じているのでしょう。

今まではもっと近くではしゃぎ合えていたはずなのに、今では何故かギクシャクしてしまった。

きっかけは何かわかりませんが、2人の関係にがあることが分かります。

主人公の鼻腔を刺激するのは、彼女の変わってしまったタバコの香り。

そして、2人の鼓膜には海の音だけが響いています。

もう元には戻らない時の流れを感じているのでしょう。

あの日の思い出

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思い出してくれたら良い あの日に香る花のように
この声が届くように 僕は歌っている

出典: 蜜の月/作詞:Fukase 作曲:Fukase

冬の海を見ながら、彼女と一緒に歩いた道端に咲いていたを思い出しています。

その香りも同時に、彼は思い出しているようです。

冬に思い出す、春の暖かな日の思い出。

「君」にとってはもう遠いのような出来事かもしれません。

でも、時の流れから取り残された彼にとっては、ついこの前の出来事。

それを彼女も思い出してくれることを願っているのでしょう。

変わってしまっても願い続ける

あの頃とは違う海

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思い出してくれたら良い あの日の海の音のように
この歌が届くように 僕は歌っている

出典: 蜜の月/作詞:Fukase 作曲:Fukase

冬の海を眺めながら思い出すのは、まだ眩しかった日々の中の海のさざ波。

今までの彼女との記憶の断片が、ここでも彼を過去に縛っていることが分かります。