ここで少し"あの娘"という呼び方に注目してみましょう。
"別な人がいた"とか"私ではなかった"ではなく"あの娘がいた"とすることにより、この人物に具体性が出てきます。
彼女は何度かあの娘"に会ったことがあるのではないでしょうか。
もしかしたら昔からの仲間の一人なのかもしれません。
そうだとすれば、今の状況はあまりに残酷です。
好きな人にすでに恋人や伴侶がいた場合、話で聞くだけならまだ苦しみに耐えられませんか?
それは実物を目にしてしまうと、現実から逃避することができなくなってしまうからだと思います。
彼の傍で夢を支えることができない彼女の悔しさが"あの娘"という呼び方に滲み出ているようです。
2番を解説
罪なキス
一度きりのふざけたキス
もう忘れてるでしょう
出典: 友達のまま/作詞:富田京子 作曲:奥居香
たった一度だけ、ふたりはキスをしたことがあるようです。
ただそれは愛情など無いキスでした。
でも彼女にとっては一生忘れられないキスになってしまったのでしょう。
本当は彼に、あの時はどういう気持ちだったのか聞いてみたいのです。
しかし「あの時のキス、覚えてる?」と、心の中で問いかけるしかない彼女がいます。
本当に一緒にいたい人
新しい恋 見つけても
気づくと会いたくて
出典: 友達のまま/作詞:富田京子 作曲:奥居香
彼のことを忘れるために、新しい恋人を見つけようとしているのでしょう。
でもね、結局はダメなんですよ、寂しさを紛らわす目的で探し出した相手って。
気が付くと彼と比較していて、また会いたくなっている自分がいました。
捨てきれない思いが、彼女をがんじがらめにしてしまっているのです。
この恋が大切なのは
誰かに話せば きっと笑うけど
大切な 大切な 恋なの
出典: 友達のまま/作詞:富田京子 作曲:奥居香
悲しい横恋慕であることは十分わかっています。
なので誰にも相談することができず、ひとり悶々とした日々を過ごしているのです。
ただこれだけは言っておきたいのでしょう。
今でも彼に恋しているということを。
長い間ずっと温めてきた彼への恋心は、宝物のように大切なのです。
切なすぎる想いを解説
悲しいドライブ
遠くに港が見えてる
約束も無いままに
高速おりれば すぐそこ
おやすみのドアの前
出典: 友達のまま/作詞:富田京子 作曲:奥居香
遠くの港はドライブ帰りの目印で、その景色が見えたらもうすぐ彼女の家に到着です。
幾度同じルートを同じ景色を見ながら、彼に家まで送ってもらったことか...。
残念ながら、次に会う約束はできていないようです。
それは彼女にとって不安でしかありません。
高速を降りたら、彼との楽しかった時間は終わりをつげ、現実世界に引き戻されてしまいます。