ここでいう「冷たさ」とは、辛い出来事を指しているのでしょう。

仕事でのパワハラやちょっとしたセクハラ、営業さんが失敗した時の尻拭い。

無職の元カノに対してきつく言えない彼氏にモヤモヤする気持ち。

晶の場合、これらの出来事がきっとこの歌詞でいう「冷たさ」に当たりますね。

そんな数々の「冷たさ」が一気にこみ上げている心境を描いています。

自分を取り巻いている数多くの現実。

それらを消し去ることはできないけど、それでも前向きに歩いていこう。

そんなメッセージが込められているように感じられます。

悲しい気持ちが全面に出ている歌詞ではありますが、希望も描かれていますね。

2番~ラストの歌詞

「黙り方」を覚えた晶

別に言うことなんてない
言ってもいいことなんてない
人知れず黙り方を覚えた
いつか変わらない日々を穿つような
鐘が鳴るはず

出典: まっしろ/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ

晶の心の中には、きっと様々な鬱憤が溜まっていると思います。

それでも、その鬱憤を口にせず、代わりに笑顔を作って乗り切っているのです。

他人から理不尽に叱られたり、恋人にイライラしても、穏やかな表情を見せ続ける晶。

もし自分がここでキレたとしても何もいいことなんて起こりません。

だからいつも反抗せずに「黙る」という選択をしているのです。

そんな晶のことを歌っている歌詞だということが分かります。

ちなみに、上辺だけの笑顔を見せる晶を見て、恒星は「キモイ」という言葉を放ちます。

それからというもの、恒星にだけは作り笑顔をせずありのままの自分を見せる晶。

恒星と一緒にいる時は、本心をさらけ出すことも多くなっていきます。

変わらない日々を送っていた晶ですが、恒星と出会って少しずつ心の変化が見られているのです。

悲しい運命が降り積もったとしても…

粉雪が降ってきた 可笑しさがこみあげてきた
最高な夜だね 泣けてくるから
運命に膝まで濡らさないように
はしっていこう

出典: まっしろ/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ

ここでいう「粉雪」も、悲しい出来事のことを指しているのでしょう。

ただし、1番で出てきた「冷たさ」よりも辛い出来事を指しているように感じられます。

辛すぎることが起こりすぎて、もういっそのこと笑うしかない。

そんな追い詰められた状況を描いています。

最低な状況のはずなのに「最高な夜」といっているのも、かなりひねくれていますね。

噓でもいいから「最高」と自分にいい聞かせないと、心が壊れてしまうのでしょう。

悲しい運命に取り巻かれているけど、それでも前に進むしかありません。

悲しさにどっぷりと浸っていたら、どんどんマイナス思考になってしまいます。

そうならないために、毎日全力で走っていくしかないのです。

「鐘」という言葉を深堀り

この世に一つの鐘の音よ

出典: まっしろ/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ

2番の冒頭でも「」という言葉が出てきていましたね。

ということで、ここでは「鐘」という言葉に着目して解説します。

実はドラマの中でも「鐘」が大きなキーワードになっているんです。

恒星の元カノであり晶たちが通うバーの常連でもある呉羽は、物語の序盤で結婚をします。

しかもその結婚相手とは、交際期間がゼロなんだとか。

出会ったその日に結婚を決めたのだと話していました。

一般的に考えたらぶっ飛んでる話ですが、呉羽は出会った瞬間に心の中で教会の鐘が鳴り響いたと言うのです。

運命的な出会いを果たしたということですね。

このことを踏まえた上で、この歌詞を解釈してみましょう。

「この世に一つの鐘の音」というのは、運命の相手と出会った時の衝撃であることが分かりますね。

呉羽のように直感的で自由な生き方ができない晶。

そんな晶ですが、鐘の音が鳴って世界が一瞬で変わるような体験をしたいと願っています。

大事なものを守っていくと決意

冷たさが吹いてきた 悲しみがこみあげてきた
降り積もったすべてよ 時間を超えてよ
そして今まで全部なかったように

気づいたら 少し涙
もう一度帰れたとしたなら
全てに変えても守りたいものを
決して手放さないように
はしっていこう

出典: まっしろ/作詞:ビッケブランカ 作曲:ビッケブランカ

ここの前半部分は先ほども登場した歌詞なので、解説は割愛させていただきます。

後半部分はとても感動的な歌詞ですね。

「守りたいもの」は人によって異なってくるでしょう。

家族や恋人かもしれませんし、仕事かもしれません。

趣味や友人を大事にしたいという人もいるでしょう。

しかし、何かを守りたいのであれば、反抗しなきゃいけない場面も出てくるかもしれません。

黙ってばかりでは、本当に大事なものを失ってしまうのです。

つまり、黙ってばかりだった自分を捨てて、大事なものを守っていこうと思っているわけです。

今までに色々なものを失ったからこそ、このように決意できたのでしょうね。

おわりに

ビッケブランカ【まっしろ】「獣になれない私たち」挿入歌を解説!ドラマの世界を彩る珠玉のバラード!の画像

今回は心がしんみりするようなバラード曲を紹介させて頂きました。

でも、ビッケブランカさんの楽曲明るく楽しい内容のものもたくさんあります。

「まっしろ」でちょっぴり物悲しい気分になった後は、ぜひ以下の記事で紹介されている曲も聴いてみてください。

きっと、心がウキウキしてきますよ♪