202号室 さようなら
この部屋の春の匂いも思い出になるでしょう
二つ並んだ歯ブラシ
私には大きすぎるTシャツ
シェーピングフォームも
使えないから 燃えるゴミに出そう
甘い、苦い、辛い、酸っぱい
色んな気持ち味わって
昔より少し丸くなったよ
だんだん好きになって
どんどん駄目になった
君のお下がりの毛布が暖か過ぎたせい
青い日々がいつまででも続くなんて思っていた
幼すぎる私たちに降る土砂降り
酷い目眩
出典: 202 feat.泉まくら/作詞:ラブリーサマーちゃん&泉まくら 作曲:ラブリーサマーちゃん&泉まくら
関係が壊れてしまった彼の所持品をまとめて捨てる所から「202 feat.泉まくら」の歌詞が始まります。
MVでは「202号室」に通う女の子が描かれていましたが、歌詞を見るに「202号室」は女の子の家と考えるのが自然なようですね。
歯ブラシやTシャツやシェービングフォームという具体的な物の名前が、部屋の光景をリアルに想像させます。
彼のおかげで様々な<気持ち>を感じて、ツンツンしていた心は<丸くなった>。
そして好きになればなるほど<駄目>になっていく2人……。
筆者が思う<駄目>というのは、彼が自宅に帰らなくなったり、自分も彼もバイトや学校に行かなくなったりしてしなければならないことを出来なくなった状況。
「このままじゃダメ」と思っていてもズルズルと抜け出せない<幼すぎる>2人の様子が生々しく表現されているように感じます。
甘くて心地いいんですよね、こういう恋愛。
だけど、こんな幻想みたいな<青い>恋愛は絶対に長くは続かない。
閉鎖的な空間での関係が続くと、どうしてもお互いに対して求めるものが強くなって、不満やケンカが増えていくのです。
そんな風に関係が終わるときには<土砂降り>の中にいるような気持ちになっちゃいますよね。
何が正しい選択で、何が正しくない選択なのかもわからなくなるような<眩暈>の中で。
足首までの深さ安心してはしゃいでいた
分かりやすいしぐさでいつもカワイイふりをしていた
泡になって消えようと
ありったけの熱量で君を見たこと
そんなのに限って簡単にはバレないんだもんな
いつまでたっても譲れなかった自分のものさし
退屈になっちゃって二人して投げたさじ 遠く遠く
もうあの甘いのも掬えない
向こうで待つ新しい背景に
君を重ねることもない
なのに思い出すのは同じ日
出典: 202 feat.泉まくら/作詞:ラブリーサマーちゃん&泉まくら 作曲:ラブリーサマーちゃん&泉まくら
浅いプールは溺れる心配をすることなく<安心して>遊べる場所。
今思えば、彼とはそんな浅い関係だったのでしょう。
そんな彼にカワイイと思って欲しくて、もっと愛されたくて、頑張っていた<私>。
倦怠感のある曲調と相まって「そんな自分もいたな、懐かしいな」という気持ちが伝わってくるようです。
そして結局、2人の関係は破綻してしまった。
未練はない。だけど、幸せだった日々を思い出してしまうこと、時々ありますよね。
明日はどこで誰の夢を見ているだろう
私たちは水に濡れたロウソクみたい
さようならすら言えないまま
出典: 202 feat.泉まくら/作詞:ラブリーサマーちゃん&泉まくら 作曲:ラブリーサマーちゃん&泉まくら
2人を例えた歌詞<見ずに濡れたロウソク>という表現が胸に突き刺さります。
心に熱く燃える炎は消えてしまった。
もう一度火を点ける方法もわからない。
そんな心情がひしひしと伝わってくるから。
<さようなら>も言えなかったなんて……本当に青い。甘酸っぱい。
あっけないんだね こんなことって
どっかで分かっていたなら
歌ってあげる さよなら
今更だけど隠さずに
不思議と響くナチュラルに
ぬるい日差しに騙されて
段ボールに何を詰めた?
この街には帰らないよ 帰れないよ
悪い夢から醒ましてよ
出典: 202 feat.泉まくら/作詞:ラブリーサマーちゃん&泉まくら 作曲:ラブリーサマーちゃん&泉まくら
完全に終わってしまったことで、やっと言える<さよなら>。
それでも<悪い夢>の中にいるような気持ちは、まだ無くならないのです。
倦怠感の根元にある絶望感。
<私>は202号室を引き払います。
別の場所へ行っても、今は絶望感と付き合っていくしかない。
そんな時期なのでしょう。
最後に……
ラブリーサマーちゃんの「202 feat.泉まくら」はいかがでしたか?
インディーズ時代のラストシングルはアナログ盤でのリリース。
この曲はメジャーデビューアルバム『LSC』にも収録されています。
こちらもぜひ聴いてみてくださいね♪
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