フロントガラスを
飾る いくつもの雫は
あの頃の二人を映し出す
雨のイルミネーション
出典: memories/作詞:TAKAHIRO 作曲:TAKAHIRO
車のフロントガラスに降り注がれる雨の雫は、2人の幸せだった日々を照らす照明のようです。
街の街灯や対向車のライトの光が屈折して、さまざまな色が目前に広がります。
この光は2人で過ごした幸せな日々を彩るように、鮮やかで美しいものでした。
「あの日に戻りたい…」
車を路肩に止めて、そんなことを考えてしまうのです。
時間を巻き戻す力があれば、どんなに素敵なことか。
主人公の切なさは増すばかりです。
秘め事
ふと手を握っては
微笑む君の横顔に
愛しさと儚さ感じた
出典: memories/作詞:TAKAHIRO 作曲:TAKAHIRO
幸せに過ごせていた日々は、彼女と手を取り合いいつもの散歩コースを回るのが日課です。
毎日のように手をつなぐのですが、そのたびに彼女は頬を赤らめ優しく笑みを浮かべます。
そんな彼女の表情をみると愛おしくてたまらなくなるのです。
しかしそれと同時にこの愛の儚さを感じてしまいます。
実は彼に残された時間は、あとわずかしかないのです。
そのことを彼女に告げられずにいる彼の表情は、とても複雑でなんとも表現しがたいものになります。
ずっと
いつも君の隣で
いつも君に笑ってほしくて
いつも君だけに伝えたくて
愛を唄ってる
出典: memories/作詞:TAKAHIRO 作曲:TAKAHIRO
彼の愛を表現する手段は歌を聴かせることです。
その歌声はただ綺麗なものではなく、心に響く愛が詰まった素敵なものになります。
この歌を聴いた彼女は彼に愛されている実感を覚え、優しさに包まれたようになるのです。
うっとりとした表情の脇で、彼の複雑な表情は変わりません。
何か彼がみているものは、未来を案じているようなイメージです。
しかしそんな表情をするのは一瞬で、彼女は全く気づいていません。
そしていつも通りに2人の時間を楽しむのでした。
いつも見守り続ける
愛する人と寄り添い続け、これからも共に暮らしていきたいと望む主人公。
しかしそんな彼の残された時間はあとわずかのようです。
彼女に伝えたいけれども、あまりに残酷な内容のためなかなか口が開きません。
このまま時間だけが過ぎてしまって良いのかを悩み、彼は彼女に事実を伝える決心をします。
そんな彼の告白を彼女は戸惑いながらも受け入れ、結婚式を挙げました。
ではとうとうEXILE TAKAHIRO「memories」の終盤です。
最後までお楽しみください。
熱気
どんな冷たい夜も
寄り添い孤独を溶かし合える
ずっと素直なままの二人で
愛し合えるように
出典: memories/作詞:TAKAHIRO 作曲:TAKAHIRO
2人が共にできる時間は、この上なく幸せな日々でした。
たとえ外気が寒くても、2人から発せられる愛情という熱気は暖房知らずです。
2人共にできる残された時間、お互いに悔いの残らないように大切にしています。
ふと彼が見せる切ない表情を敏感に反応して、彼女は明るくおどけてみせるのです。
そんな姿が彼は愛おしくてたまりません。
「いつまでもこのまま時が止まれば良い…」
こんな願いを祈り続け、残りの余生を彼女と共に過ごしていきます。
そばに
楽しい日々はあっという間に過ぎていき、とうとう彼の人生は幕を閉じてしまいます。
悲しさに打ちひしがれる彼女を、姿なき彼が見守っているのです。
悲しむ彼女を抱きしめたいのですが、彼は触れることができません。
そんな彼の無念さはとてつもなく大きなものです。
ただ彼女を見守ることしかできないふがいなさに、彼は自らに憤りを感じます。
歌にのせて
姿を失ってしまった彼ができることは、彼女の耳元でいつもの歌をささやくことです。
彼の心を込めたその歌は、彼女の耳に届いているかはわかりません。
しかし時折何かに気づくような仕草を彼女がとります。
そんな時は決まって彼との思い出が詰まった車に乗り込み、思い出の場所に足を運ぶのです。
その思い出の場所で彼女が見せる表情に、彼の心は悲しく切なくなるのでした。