漫画を読む人×漫画の中の人
破花の攻撃的なサウンドに続くのは、 ミディアムテンポの「アイニー」です。 この曲は冒頭でも書いたように、 NHKアニメ『境界線のRINNE』 のオープニングテーマとして起用されていました。 「アイニー」は、漫画の世界の登場人物に恋することはあっても、 登場人物が読み手に恋することはありえない。 という概念からかけ離れたコンセプトで、 ”漫画を読む人と漫画の中の人の恋模様”が 描かれているファンタジーな歌詞が魅力的な曲です。 私も大好きな曲の一つです。 普段から本や漫画を愛する尾崎さんだからこそ書くことが出来た曲だと思います! 一度は漫画やアニメにハマったことがある人には、 共感できる部分が沢山あると思いますので、 歌詞解説を読んで、興味をもって頂けたら是非聴いてみて下さい!
次元が越えられたらいいのに。
今すぐ伝えたい事が あるなら早く呼んでよ
関係なんていらないなら ただ割り切ってよ
あなたとは次元が違うから きっと分かり合えない
展開なんて知らなくても ただやり切ってよ
出典: アイニー/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
1番のAメロ部分です。 週間コミックの読み手側と、読まれる側の互いの気持ちが 描かれています。 最初の2行の部分では、 漫画の中の人に対し、受け身側だけじゃなく、 そっちからこっちの世界に来てくれたらいいのに。 という非現実的なことを妄想している読み手側に対し、 次の2行では、次元が違うから分かり合えないということを、 はじめから悟っている漫画の中の女性の気持ちが現れているように感じます。 二人の関係がいらないなら、話の展開くらいは 知らなくてもやりきって欲しい。と。
引き出しの中に 入りきらない
整理してもキリがないから気づく
出典: アイニー/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
1番のBメロ部分です。 毎週買い続けて、ふと気づくと溢れるばかりの漫画雑誌の数々。 整理しきれないと思ったのと同時に、 相手の大切さに気づく瞬間。 引き出しに入りきらない 相手への想い。
漫画の中の人の君への強い想い
めくるめく日々めくれば風が吹いて飛べる
でも また会う日まで ずっと暇で いつも悲しくなる
私に触れるあなたの顏がちょっと赤くなる
いつか超えて会いに行くから 待ってて
出典: アイニー/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
1番のサビの部分です。 ページをめくれば、いつでもあのときに戻れる。 でも、新しい自分に会いにきてもらうまでは、 まだ少し時間がかかる。 それがとても寂しくて辛い。 読み手の男性に恋をした、漫画の中の女性の、 伝えたくても伝わらない歯がゆさが全体的に滲み出ています。
次元を越えて伝えたい。
あなたに伝えたい事があるから早く読んで欲しい。
読み手側が続きが知りたくてウズウズする気持ちを、 読まれる側はどう受け取るのか、どう感じているのかが見えてきます。
漫画の基盤なんてどうでもいいから 早く気持ちに気づいて欲しい。という
ドギマギした女性の想いが伝わってきます。
漫画を読む人のあなたへの想い
吹き出しの中に 入りきらない
習慣になる 週刊
吹き出しの中に 入りきらない
何ページあっても足りないから続く
めくるめく日々めくれば風が吹いて揺れる
君の 髪の匂いは 紙の匂いで いつも寂しくなる
君に触れる僕の親指はちょっと黒くなる
いつか超えて会いに来てね 待ってる
出典: アイニー/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
ラスサビ前〜ラスサビの部分です。 女性のセリフは毎回週刊サイズでおさまることはなく、 それが習慣になって、これからもずっと続いていきます。 ページがめくれれば心が揺れる。 相手は漫画の中の人。紙の匂いで寂しくなるけど、 いつでも触れていたい。撫でていたい。 ここでお互いの気持ちがやっと通じ合います。 現実的ではないけれど、 漫画のヒロインやイケメンに恋した事ってありませんか? 相手は紙だから虚しくなるけれど、 もし、その人が想ってくれていたら、、、。 そんな、ファンタジーな子供の頃の記憶が蘇ってくる 素敵な歌詞の世界です。 一見したら、ちょっと変わった人かもしれませんが、 命を吹き込まれている漫画のキャラクターの心の奥を 覗き見しているようで、頬っぺたが熱くなります。