Aimer『蝶々結び』に込められた歌詞の意味を紐解くの画像

ここまでを見ると、この歌詞恋愛に例えられていることが読み取れます。

付き合うまではお互い相手の気持ちを探りながら徐々に距離を縮めていく。

どちらか一方ではなく、お互いが同じ気持ちで近づいていって、結ばれる。

結ばれるまでに時間はかかるのに、別れてしまうのは一瞬。

どちらかの気持ちが離れてしまえば、蝶々結びのように簡単にほどけてしまいますよね。

また人間関係において、お互いに対しての信頼関係が重要なのが恋愛だといえます。

付き合ってからも付き合う前も、お互いの気持ちを信じなければ関係を深めることはできません。

しかし離れてしまえばもう今までとは違う関係になってしまう。

そんな切なさが「蝶々結び」という言葉に込められていると考えられます。

「蝶々結び」で表される恋愛のかたち

大きすぎる羽

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ほどけやしないように と願って力込めては
広げすぎた羽根に 戸惑う

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-160914-130

離れたくない、結ばれたいと強く思うと、変に考えを巡らせて、空回りしてしまうこともあります。

そうすると羽が大きくなってしまうように、どんどん形が崩れて、距離が遠くなってしまうのではないでしょうか。

結果的に、どうしていいか分からなくなってしまうこともあります。

このパートでは「蝶々結び」が不恰好になってしまう様子を描写することで、関係性が不安定になる様子を表しているのでしょう。

近づきたいと考えるからこそ力を込めるにも関わらず、それが原因で距離が遠のいてしまう。

恋愛の難しさが表現されている歌詞だといえるでしょう。

恋愛における「戸惑い」というのは人間関係において1番心が揺さぶられる出来事です。

近づきたいけれど、近づけばお互いにギクシャクしてしまう。

長く関係を維持していくには、距離感が大事なのでしょう。

夢と思い出

羽根は大きく 結び目は固く
なるようにきつく 結んでいてほしいの

夢はここに 思い出は遠くに
気付けばそこにあるくらいがいい

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同じ大きさの大きい羽、真ん中はしっかり結ばれていることが理想。

"夢"、とは未来の事とも取れると思います。

過去の思い出は遠くに置き、あなたと未来を見ていたい、ということではないでしょうか。

1番のサビでは、過去と今だけを見ていた主人公。

しかしここでは、夢という言葉によって「未来」を見ていることが分かります。

今までよりも、2人の関係が深まっていることを表しているのではないでしょうか。

ここで表現されている夢というのも気付いたら存在しているようなささやかなものです。

大きな夢を描きすぎると、2人の関係が壊れてしまうかもしれない。

だからこそ、些細な夢を大事に抱えて未来に向かって2人で歩んでいきたいと歌っているのではないでしょうか。

歌詞に込められたメッセージ

理想通りにいかない

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黙って引っ張ったりしないでよ 不格好な蝶にしないでよ
結んだつもりがほどいていたり 緩めたつもりが締めていたり

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今までの歌詞の書き方とは少し違っていて、主人公の相手に対する気持ちが強く表現されています。

黙って離れていってほしくない。気づいたら不格好になっていたくない。

結ぶときは同じ力を込めて、緩めたいときも同じ力を込めたい、という感情でしょうか。

もしくは、2行目の歌詞は自分の意思と反して結び目がほどけたり、締められたりする様が描かれているとも考えられます。

これは思うようにいかない2人の関係を表しているのではないでしょうか。

喧嘩をしたりすれ違いがあったり、そんなことを表しているのだと考えられます。

自分たちの意思に反して、同じ力を込めてもうまく行かない時のことを指しているのでしょう。

理想通りにいかない現実を「蝶々結び」に喩えているのです。

運命の糸で結ばれた2人

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この蒼くて広い世界に 無数に 散らばった中から
別々に二人選んだ糸を お互いたぐり寄せ合ったんだ

結ばれたんじゃなく結んだんだ 二人で「せーの」で引っ張ったんだ
大きくも 小さくも なりすぎないように 力を込めたんだ

出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-160914-130

広い世界の中でたくさんの人がいますが、無意識につかんだ糸をお互いが同じ強さで引っ張って、徐々に手繰り寄せて近づいていく。

偶然出会ったのではなく、ちゃんと意志を持って糸を引っ張ったから結ばれた。

同じ強さで引っ張ったから、ちょうどいい大きさの羽が出来て、綺麗な蝶々結びになった。

最後のサビは更にスケールが大きく描かれています。

広すぎる世界の中で出会ったことを奇跡だというのではなく、それは運命だったのだといっているのでしょう。

奇跡という言葉には偶然性が込められており、どこか無責任な印象を受ける言葉でもあります。

しかし自分の意志で選び取ったのだと思えれば、未来も自分の力で変えていけるという勇気にも繋がります。

もし恋人との関係で悩んでしまっても、2人なら乗り越えられる。

そんなメッセージが込められていると考えられるのではないでしょうか。

何故なら、2人は運命の糸で結ばれているのだから。

もしうまく行かなくても、自分の意志で手繰り寄せた相手なのだから、どんな困難も乗り越えていけるはずなのです。

この楽曲では作詞者の野田洋次郎さんの、恋愛に対しての考えが表現されていました。

ロマンチストな彼ならではの、とても元気の出る楽曲だといえるでしょう。

恋愛のきっかけから両想いになるまで