「心配しないでね、私は大丈夫だから。」
そんなことばかりいつも言わせてしまった
不自然なくらいにまたまばたきをしてるキミ
嘘をつくときのくせ分かってるつもりさ
出典: まばたき/作詞:IMAKISASA 作曲:IMAKISASA
冒頭の女性のセリフを歌うのは、6振のなかでも一番小柄で中性的な見た目の今剣です。
それを受けて、小狐丸が続けます。
彼氏が頼りないせいか、彼女がいつも気丈に振る舞って大丈夫だと笑っている様子が浮かびます。
さらに、曲名になっている"まばたき"は、"キミ"が嘘をつくときの"くせ"だということも明らかになりました。
それともかつての主への歌?
今になって思い返してみれば
僕はどんな風にキミのこと愛していたんだろう
出典: まばたき/作詞:IMAKISASA 作曲:IMAKISASA
ここは三日月宗近(黒羽麻璃央)・岩融(佐伯大地)・石切丸(崎山つばさ)のパートです。
過去を思い出して、どうやって"キミ"を愛していたかを自問していますね。
先ほど、ラブソングのようだと書きました。
しかし、筆者の解釈ではラブソングのように聴こえるかつての主への歌だと思っています。
男女のやりとりにみえるAメロ冒頭の歌詞を、主と刀の関係で捉え直してみましょう。
ずっと主の傍らで、その命を守ったり祀られたり、与えられた役割を果たしてきた刀たち。
主の些細なくせだってきっとたくさん知っているのでしょう。
主が戦で傷つき「大丈夫」と強がる姿も見てきたのかもしれません。
こう考えてみると、わりと違和感なく解釈できる気がしませんか?
次に、愛し方について自問する歌詞を考えてみます。
主の刀として、自分は主になにをしてあげられたのだろうか?
十分に愛を返せていないと後悔しているような歌詞にもみえます。
一方で、何百年も前の記憶は風化してしまって今となってはもううまく思い出せない。
そんな風に歌っているようにも感じられます。
切なさがあふれるサビ
止めどなくずっと止めどなくずっと
溢れてくる想いは
行く宛てなどないことを
僕は知っているのに
いつまでもずっといつまでもずっと
キミの側にいたかった
もうすぐ明日の空が見えてくる
出典: まばたき/作詞:IMAKISASA 作曲:IMAKISASA
想いはあふれてくるのに、それを受け止めてくれる人はもういないと歌うサビです。
恋愛にも当てはまりますが、やはりサビの歌詞もかつての主への想いとして解釈することができます。
本当は、いつまでも自分を使ってくれる主と一緒にいたかった。
だけどそれは叶いません。
なぜなら、主は"人"で、刀は"物"だからです。
人はやがて老い、この世からいなくなってしまいます。
彼らは刀剣男士として顕現するまで、刀として大事にされてきたのでしょう。
でも愛された後には、その主との別れが待っていたはずです。
こんな風に文字にしてみると未練を歌う曲のようにもみえますが、曲調はあくまで明るい曲です。
過去に縋る歌ではなく、過去の思い出を大事にしながら、ちょっと寂しいけど前を向いていこう。
筆者にはそういう曲に感じられます。
いまがとても幸せでも、ふと昔の恋人との思い出が頭をよぎったりすることってありませんか?
同じように、刀剣男士たちもかつての主との日々を胸に、今ある幸せに目を向けているのではないでしょうか。
筆者はそうであってほしいと、願っています。
伝えたい相手はもういない
「ねぇ大好きだったよ。またどこかで
会えるように。」
何一つ守ってあげれなくてごめんね
肝心なところでいつも言えない
伝えたかった言葉今はどこにいるんだろう
出典: まばたき/作詞:IMAKISASA 作曲:IMAKISASA
Aメロと同様にセリフ部分は今剣が歌います。
本編で、かつての主と再びの別れを経験した今剣。
そんな彼がこの歌詞を歌う意味を考えると、涙腺が弱くなってしまいますね。
"またどこかで"と言えるようになったのも、1幕でのあの経験があったからかもしれません。
今剣の心の成長を感じる曲としても聴くことができそうです。
Bメロの後半は加州清光(佐藤流司)のソロから入ります。
この部分の歌詞は、刀だった頃のことを歌っているように受け取れませんか?
刀剣男士たちは、刀だった頃の記憶を持っています。
ということは、当時、主に伝えたかった言葉もきっとたくさんあったのでしょう。
モノである彼らは言葉を持たないから伝えることができなかっただけ。
それに何百年も経った今となっては伝える術もありません。
"なにか伝えたいことがあったはずなのに"。
その事実が、喉に刺さった小骨のように、時々チクリと彼らを苦しめているのだとしたら切ないですね。
MVが泣ける!
公式の「まばたき」MV
これが刀ミュのファンサだ!
冒頭でお伝えしたように、「まばたき」は客降りファンサ曲です。
一体どういうこと?という方は、このMVの前半部分をご覧ください。
どうですか?
こんな風に通路を歩きながら歌っているのです。
運が良ければ、数十センチの至近距離で麗しい姿を拝めます!