桑田佳祐「若い広場」

桑田佳祐「若い広場」はひよっこ主題歌!気になる歌詞の意味を紐解く!収録アルバムは?の画像

5thアルバム「がらくた」に収録

「若い広場」は、2017年8月23日にリリースされた桑田佳祐のオリジナルアルバム「がらくた」の2曲目に収録されています。

ビルボード、オリコン、iTunes Storeと3つの部門で週間ランキング1位を獲得しました。

タイトル通り、ロックや歌謡曲、バラードなどいろんなジャンルの楽曲が無作為にごちゃまぜに詰め込まれているのが特徴的なアルバムです。

しかし、そのごちゃまぜ感は現代社会と通ずるところがありますよね。

桑田佳祐は、それぞれが自分の思うがままのカラーを出し、混ざり合って生きている現代社会を表現したのかもしれません。

「若い広場」は、その中でドゥワップのコーラスが印象的なオールディーズなナンバーですね。

NHK連続テレビ小説「ひよっこ」の主題歌を担当

桑田佳祐「若い広場」はひよっこ主題歌!気になる歌詞の意味を紐解く!収録アルバムは?の画像

初めて聞いたのにどこか懐かしい感じがする「若い広場」は、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」の主題歌としてソロとしてNHKドラマ初の書き下ろし作品となりました。

「ひよっこ」は、高度成長期の日本を舞台に、集団就職で上京してきた金の卵たちが、荒波にもまれながらも人との温もりを感じながら成長していく物語です。

古き良き日本の情感が溢れるドラマにぴったりの楽曲になっているのですね。

「若い広場」のMV

MVも昭和テイスト!

ちゃぶ台、ブラウン管、豚の蚊取り線香など、小道具からして懐かしい雰囲気がプンプンしているMVですよね。

昭和のホームドラマ風に作られたMV桑田佳祐は、ビールを楽しみに生きるオヤジ「佳祐」を演じました。妻との思い出の過去を回想しながら曲が進んでいき、時の流れがコミカルに描かれています。

自然体の演技で、イントロが始まる前にすでにくすっと笑ってしまいますよね!

MVの最大の見せ場は、歌声喫茶での歌唱シーン。妻との出会いで、歌声喫茶の人気歌手だった「佳祐」が一番輝いていた時代。

50人ものお客さんと一緒に大合唱する「肩寄せ合い~」というシーンも見どころです。

桑田佳祐の妻役は、女優の幸田尚子が演じました。

「若い広場」の歌詞

それでは、昭和の懐かしい雰囲気を堪能しながら、歌詞の世界も見ていきましょう。所々に時代を感じさせるフレーズにも注目ですね。

あの頃の思い出に心を馳せて

愛の言葉をリル
熱い吐息をもう一度
恋はヴェルヴェット イカしたシルエット
とうに帰らぬあの時代(とき)よ

出典: http://j-lyric.net/artist/a005366/l04192c.html

愛の言葉を「リル」というフレーズから曲が始まりますが、「リル」って何なのか疑問に思った人は多いと思います。

最愛の人の愛称なのか、名前なのかいまいちわかりませんよね。

色々調べてみると戦後に後悔された映画に「上海帰りのリル」という作品があるんですが、同名曲が昭和26年にレコードとしてリリースされ、爆発的流行となったそうです。

この曲の歌詞を見てみると「リル」はキャバレーで働いていた女性で、源氏名のようですね。この楽曲を受けて、リルという言葉自体が昭和曲の中に数多く取り込まれました。

「リルを探してくれないか」「心のリルよなぜ遠い」「私がリルよ」「私がリルの妹よ」など、戦後日本には溢れかえっていた言葉のようですね。

桑田佳祐もその懐かしさも込めて、作詞をしたのかもしれません。ちなみに「リル」の意味は「my little daring」=「私の愛しい人」とされています。

二度とは戻ってこない時代を思い返し、柔らかく心地のいい恋をしていたあの頃ように、愛をささやき合いたいと歌います。

君と交わしたキッス あれが青春だったかな? 指を絡め 星を見上げ ふたり寝転ぶ屋根の上

出典: https://twitter.com/sas_bot/status/888836116169621504

イケない事と知りつつ
ヤンチャしたけれど
君の温もりを 忘れずにいたんだ

出典: https://twitter.com/ryomania_riho/status/892758586924744704

夜に2人で屋根の上に上り、キスをする。そういうことが青春だったんだなと懐かしんでいる様子がうかがえます。

屋根の上に登るという情景も昭和の雰囲気がでていますよね。

ホームドラマで西城秀樹と浅田美代子が屋根の上で「しあわせの一番星」を歌ったり、堺正章と天地真理が「時間ですよ」という番組でも歌っていましたよね。

屋根の上で男女が一緒に過ごすロマンチックな愛のひと時ですね。

故郷を離れた孤独な青年を支えた「リル」