ボーカルwowakaの遺志を継いで…ヒトリエはまた歩き出す
2018年の春、ヒトリエのボーカルwowakaの突然の訃報が音楽業界を駆け巡りました。
彼の死はバンド業界だけでなく、彼らの始まりだったVOCALOID業界にも大きな衝撃を与えます。
ボーカルwowakaの創り出す難曲を、巧みに演奏する超絶技巧を持つメンバー擁するポップロックバンドです。
遺されたメンバー達はリーダーの死を乗り越え、それでも歩み続ける事を選びました。
wowakaの遺した楽曲の中でも、これからもぜひ聴き続けて欲しい。
そんな10曲を本日はランキング形式でご紹介していきたいと思います。
彼の遺した沢山のメッセージを、ぜひ皆さんにも受け取って頂ければ幸いです。
第10位:走り出した夢は止まらない!解放感と疾走感に溢れた1曲
『リトルクライベイビー』
第10位は3rdアルバム収録の『リトルクライベイビー』。
シノダのギターリフを始めとするイントロの疾走感が心地よい楽曲です。
この曲で、wowakaは誰かを生かしている『僕』と、僕を生かしている『僕の夢』。
そしてきっと彼自身が見ていた景色を歌っているのではないでしょうか。
wowakaにとっての『僕の夢』とは、まさしくヒトリエというバンドそのものなのではないかと思います。
最初は独りで作り始めた自分自身の音楽。
ヒトリエという形になり、多くの人の手によってどんどん大きく成長し、高く高く飛翔していきました。
彼はこれからもずっと音楽を作り続けていくつもりだったのでしょう。
『ヒトリエはもっと高く、どこまでも飛べる!』
確信にも似た彼の前向きな思いが、この曲の疾走感と解放感に滲み出ていますね。
第9位:wowakaが遺した最初で最後の『失恋を描いた』あの曲
『青』

第9位にランクインしたのは『青』。
wowaka自身が『生まれて初めて書いた失恋の曲』と語っているこの曲。
失恋によって生まれた人間味溢れる生々しい激情が、『青』色に託されて歌われていますね。
その激情を表現するような、胸が苦しくなるようなエモーショナルなギターリフ。
激しいサウンドとwowakaが優しい声で歌う美しいメロディの対比がとても鮮やかです。
言葉にできない感情が心の中で荒れ狂う日に、大音量で聴きたい1曲となっています。
第8位:楽器隊のテクが光る!モノクロの世界を妖しく彩ったこの曲
『トーキーダンス』
第8位はミニアルバム『モノクロノ・エントランス』より『トーキーダンス』。
2ndアルバム『DEEPER』にも収録されている1曲です。
公開されているPVのテーマは、ミニアルバムのコンセプトでもある『モノクロ』。
アルバムジャケットにも登場するモデルの琉花の端正な顔立ちと踊る姿が目を引く映像です。
つまらない毎日から飛び出し、舞台の上で歌い踊る少女の世界観を歌ったこの曲。
必聴ポイントはやはり楽器隊の超絶テクニックでしょうか!
wowakaの『現実逃避P』時代を彷彿とさせる難曲ながらも、それを忠実に演奏する楽器陣。
音源だけに収まらず、ライブでもよく演奏していた曲だというのですから驚きですね。
ぜひ聴いて頂きたいヒトリエの神髄とも言える1曲となっています。
第7位:ファインダー越しに映る世界を問う…ヒトリエ渾身のシングル曲
『シャッタードール』
第7位は2ndシングル『シャッタードール』。
それに反するかのようなグルーヴィーなベースのフレーズが非常に印象的ですね。
『人間とカメラはインプットして吐き出す所が似ている』というwowakaの思考から作られたこの曲。
楽曲の全体感として、人と機械の境目が非常に曖昧になるような感覚に陥る楽曲となっています。
PVや特設サイトなども、カメラのファインダーを覗いているかのような演出が多数。
元々VOCALOIDという機械の歌姫を扱っていたwowakaだからこそ描ける楽曲の世界観ですね。