『センスレス・ワンダー』
第6位に選んだのはこの曲!
彼らのメジャーデビューを飾った1stシングル『センスレス・ワンダー』です。
一介のVOCALOIDプロデューサーであったwowaka。
彼のヒトリエとしての挑戦はこの曲から始まったのでした。
所謂『wowaka節』である彼のVOCALOIDらしさを存分に含んだ歌詞表現やフレーズ。
人間離れした楽曲を武器に携え、どこまで生身のバンドである人間としてこの曲たちと戦えるか。
ヒトリエというバンド自体が、彼の挑戦だったのかもしれません。
そう考えると、この曲はまるで『バンド』と『VOCALOID』。
どちらの世界を選び取るかという彼の葛藤や自問自答の音楽のようにも受け取れますね。
そんな戦いの火蓋を切って落とすような、空気を切り裂くような鋭いギターリフ。
それを追う怒涛の楽器陣のフレーズに『格好いい!』と心を掴まれたファンも多かったことでしょう。
PVは床に描かれたバンドロゴの上で演奏をするメンバーという非常にシンプルなもの。
彼らのお披露目としてはこれ以上ない映像なのではないでしょうか。
第5位:『遠吠え』よ届け!エッジの効いたバンドサウンドが響き渡るこの曲
『コヨーテエンゴースト』
ランキングも折り返し地点にやってまいりました!
第5位にランクインしたのはアルバム『HOWLS』より『コヨーテエンゴースト』。
彼らのメジャーデビュー記念日に『HOWLS』から満を持しての先行配信となった楽曲です。
『遠吠え』を意味するアルバムタイトル『HOWLS』。
『言えないから吠えるのが歌です』とwowakaはアルバムリリース時に語っています。
そんな彼が、吠えるように伝えたい思いを込めたアルバムのリード曲となったこの曲。
これまでの人間離れ感はそのままに、それを泥臭いバンドサウンドで作り上げた渾身の1曲です。
今までのヒトリエにはないサウンドで、まさに彼らが新たな一歩を踏み出そうとしていた事がうかがえますね。
しかし悲しきかな、このアルバムがwowakaの遺作になってしまう事を誰が予測できたでしょうか。
彼らのこれから見る景色が永遠に喪われてしまったことが非常に残念でなりません。
第4位:人気アニメ続編の主題歌!遠くで輝く星のような…大切な人を想った1曲
『ポラリス』
第4位は4thシングル『ポラリス』。
この曲は人気アニメ『NARUTO』の続編である『BORUTO』のアニメエンディングにも起用されました。
タイトルである『ポラリス』とは直訳すると『北極星』のこと。
本来wowakaは『北極星』とは違った意味合いでこのタイトルをつけたそうなのですが…。
それがどのような意味合いであったかは、真相は永遠に闇の中です。
楽曲としては、誰かを諭すような穏やかなwowakaの声と星のように輝くギターリフが印象的なこの曲。
またこれまでとは違い、一緒に歌ったり歌詞が聞こえやすいような楽曲作りもされていますね。
歌詞で歌われているのは、自分の歩む道に『一人』で向き合うことへの決意の強さ。
そしてその強さを与えてくれた自分にとって大事な人を想う気持ちも込められています。
アニメ『BORUTO』だけに限らず、様々な道を歩む人への普遍的なメッセージを歌った曲なのですね。
第3位:バンド初のタイアップ曲!人間の二面性を鮮やかに切り取ったあの曲
『ワンミーツハー』
ここからはついにTOP3の発表です!
第3位に選ばれたのは3rdシングルより『ワンミーツハー』。
アニメ『ディバインゲート』のオープニング曲にも抜擢された曲です。
歌詞やPVなど、様々な手法で描かれたこの曲のテーマは『対比』や『二面性』。
この曲でもwowakaは『現実逃避P』の頃から描き続けた『裏』と『表』について歌っています。
曲タイトル『ワンミーツハー』にもダブルミーニングを持たせているそう。
自分にある二面性、というニュアンスの『one me two hearts』。
そして、彼女に出会った、というニュアンスの『one meets her』。
この曲で歌う二面性は自分のものであり、かつ不特定人物である彼女つまり誰しもが持っている。
そういった意味を含んだダブルミーニングのタイトルを冠した楽曲となっています。
PVで描かれている鮮やかな心臓の赤色と青色も『二面性』や『対比』の比喩表現の1つでしょう。
ヒトリエが得意とするスタイリッシュな演奏。
それと共に彼の『裏』と『表』へのメッセージに耳を傾けてみて下さい。
第2位:愛し方を教えて…もどかしい感情をポップなアジアンサウンドに乗せた1曲
『SLEEPWALK』
第2位はアルバム『HOWLS』より『SLEEPWALK』。
wowakaが全て1人で自作したという打ち込みのアジアンサウンドが耳に心地よい1曲です。
楽曲の機械的な浮遊感とリンクするかのようなPVの無機質な風景。
その中でアイマスクをつけたまま舞うように踊るダンサーの姿が印象的ですね。
歌詞で歌われているのは、もどかしい恋と愛の中で翻弄される1人の女性でしょうか。
自分を愛してくれる人は誰も見つからないと嘆く彼女。
そんな世界に失望し、自分を上から見下ろしているであろう神様を呪います。
ですが歌の最後には自分の足で愛されるのではなく誰かを愛しに行こうとしていますね。
ポップなサウンドの中に優雅に響く和の機械音、そして凛とした空気を纏った語感の歌詞。
それらが相まってしなやかでしたたかな女性像が鮮明に描かれた楽曲となっています。