数学が好きな野田が定理という言葉をうまく使ってアルバムタイトルを考えたのでしょうね。

ひょっとすると、自分たちのこれまでを過去のものにしてしまう新しい音楽の方法(定理)をみつけたのかもしれません。

これまでのRADWIMPSアルバムは、バンド名+数字+副題という形でしたが、この数字がなくなったアルバムで中期RADWIMPSがはじまったのではないでしょうか?

「アルトコロニーの定理」おすすめ曲紹介

track 1.タユタ

聖なる音楽と憂鬱の間をたゆたっているような不思議な曲です。

さらに人と人が出会い、ともに手を結ぶことができるかという心の揺れを「タユタ」というタイトルに込めているのかもしれません。

track 2.おしゃかしゃま

RADWIMPS流の超攻撃的ミクスチャーロックです。

後の6thアルバム『絶対絶命』に収録された「DADA dadadaver.」とともにRADのライブで盛り上がる曲ですね。

たたみかけるラップの世界もとても凄いです。

track 3.謎謎

なぞなぞのような歌詞と、RAD流エレクトリックロックが新鮮な曲です。

「謎謎」のなぞなぞがとけたら凄くすっきりします。

ぜひ答えをみつけてください。

track 6.ONE MAN LIVE

野田がこれまでのRADWIMPSの流れから一番遠くまでいけたと、自信をみせた曲です。

サウンド面の革新性が後のRADWIMPSの数々の曲に繋がっていると感じさせる曲ですね。

track 5.七ノ歌

アルバム製作中に数字の7に取り憑かれていたという野田。

この「七ノ歌」でRADWIMPS流ゴスペルロックを完成させて、自分自身を肯定できたことは彼にとってとても素晴らしいことだったのではないでしょうか?

track 10.オーダーメイド

RADWIMPSの9thシングルです。

神様との対話を思わせる歌詞が野田に降ってきたそうです。

本当にオリジナルな曲や歌詞を生み出すことはとても大変だと思いますが、彼らは本物で真のオリジナルを生み出すことができる凄いバンドだと感じさせられる曲ですね。

track 13.37458

"みなしごはっち"と読むアルバムのクロージング曲です。

父性的な存在に苦しみながら、みなしごにはなれず歌を歌う野田の心境が吐露されたような沁みる曲ですね。

『アルトコロニーの定理』の印象

『アルトコロニーの定理』はこれまでのラッドが持っていた青春性から大きく脱皮しました。

世界でも類をみないオリジナルなサウンドと歌詞を獲得しはじめたRADWIMPSの中期がはじまったアルバムだと思います。

様々なサウンドを1曲、1曲、融合させ、ひとつひとつの曲を革新的なサウンドにした彼ら。

"昔々、あるところに"からはじまる自分たちの青春と決別し、定理として客観的にみつめたところから作られたような飛躍的なアルバムですね。

曲に打たれ、歌詞にわけがわからなくなりながら、それでもRADWIMPSと出会えてよかったと思えました。