イメージは「男臭さ」
作詞作曲を手掛けたのはヴォーカルの岡野昭仁。
なんでも「男臭い」というイメージから作り上げていったとのこと。
ライブさながらに大きな声で歌いながら、より力強く歌えるメロディを探していったそうですよ。
制作にあたって、元のイメージの大切さが伝わってくるようなエピソードですね。
小手先では表現出来ない神髄
楽曲はなだれ込むようなドラムロールと、危なげな響きを湛えるギターから突如として始まります。
メロ部分では一定のフレーズを繰り返すリズム隊に対して、自由に泳ぎ回るようなイメージのギター。
これが独特の浮遊感を演出していますね。
淡々と歌う岡野の佇まいにも「多く語らずして伝わる説得力」のようなものがあります。
サビもそこまで盛り上がるわけではなく、例えるなら静かに燃える炎のような印象。
叫ばずして熱さを伝えられるところが、彼らの積み上げてきた小手先では表現出来ない部分。
ある種の神髄のようなものを感じさせられます。
情熱的な歌詞の内容を解説
楽な道などない
風を切るツバメのように 一瞬で目指す碧い海へ行けるなら
こんなに泥と埃にまみれた 棘の道を行かず済んだのに
背中には翼は生えず この足はもつれ つまずき 先はまだ長い
それでも男達はひたむきに歩き続ける
出典: アニマロッサ/作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
辛いと感じるとき「もう少し楽にやれたら」と考えるのが人間の心理です。
勉強や仕事にしたってそう、楽して良い評価を得られたり給料が貰えるならそれに越したことはありません。
実際は物事を成すのに楽な方法なんてなくて、結局は一つ一つ積み上げていくしかないのです。
この部分ではそれを歩いて進む男達と、自由に飛び回るツバメに例えて表現しています。
物語のような雰囲気がいかにも岡野らしいですね。
彼女と過ごす未来を描く主人公
君がここに居ることで僕はこの旅の先を知るだろう
足元を照らしてくれる光のように輝いてる
君とここに居ることを僕はそれを愛と呼んでいいのかい?
この肉体(からだ) この心 君をずっと守りたい
そばにいる 終わりまで
出典: アニマロッサ/作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
ここで登場するのが主人公が想いを寄せる一人の女性。
主人公が知ることになる「旅の先」とは、彼女と過ごす日々のことではないでしょうか。
「彼女とずっと一緒に居たい」という気持ちがこの先の自分の身の振り方を指し示しているのです。
自分の気持ちと正直に向き合った、まさに男らしさを象徴するような内容になっていますね。
少なくても強い絆を
粉雪の結晶のように 美しい形のものなんて望まない
ましてや 締まりの悪い馴れ合うばかりのものなら もう無くていい
キリキリと張り詰めているピアノ線のように繋がることを望んでる
決して目を逸らさずまっすぐに見つめ続ける
出典: アニマロッサ/作詞:岡野昭仁 作曲:岡野昭仁
「体裁ばかりを気にした人間関係なんてもう無くてもいい」と語るこの部分。
頑丈で切れにくいピアノ線を例えに出しているのは、少なくても強い絆で結ばれた仲間を求めていることの表れでしょう。
一角の人間になることは、その他大勢と同じことをしていては成し得ません。
付き合う人もまた、自分の未来を形作ることになるのだと、強固な決意を示す主人公が描かれていますね。