【It's A New Day/RHYMESTER】タイトルには深い意味が…？！MVもチェック！！

2コーラス目、宇多丸さんのバースです。

こちらでは、既に述べた「新しい一日」に対する直接的な感情が言葉となっています。

自分たちが思っている以上に時間が過ぎ去っていくのは早いもの。

今日起こったことがすぐに過去のものとなり、また次なる出来事が世の中を埋め尽くしていきます。

人々が思い描く「理想」や「予想」を、これでもかと言わんばかりに裏切る現実。

すべて思い通りに進んでいく未来などなく、「じゃあ、何を信じればいいの？」と呟く彼がそこに居ます。

ここで用いられている「主張し合う陣地」というリリックから連想できるのは、各地で行われている「紛争」です。

日本列島の周りも例外ではなく、近隣各国との間で領土の所有について意見が交わされています。

本作リリース当時の情勢を踏まえた彼らの想いが、ここに込められているのでしょうか。

「Time waits for no one」を直訳すると「時間は誰も待たない」。

誰がどこで何をしていようと、淡々と時間は流れていきます。

そして、想像していたものとは違った形で訪れる現実によって思い知る自分たちのうぬぼれ。

「あの時ああしていれば…」という後悔もむなしく、私たちはまた未来を受け入れ、暮らしていくしかありません。

「ヤツがいない」というリリックの真意は不明ですが、広い意味で「失ってしまった大切な人」を指しているのでしょうか。

別れてしまった恋人や、もう会えなくなってしまった仲間。

本来居て欲しい人が居ない現実を、「不公平」であり「不安定」であると描写しています。

2コーラス目のフックです。

皆が迎える「新しい一日」は、言い換えれば「別の日」。

前述したように、私たちはその「別の日」を受け入れ、進んでいくしかないのです。

「そっけないくらい」というリリックのように、訪れる一日をただ素直に迎え入れること。

それこそが「生きていく」ということなのかもしれません。

こちらのフックのあと曲は間奏部分へと展開していきます。

間奏明け、宇多丸さんのバースです。

こちらで語られているように、「新しい一日」はそうそう簡単には終わってくれないのです。

だからこそ人間はそれを受け入れ、どうにかその一日が輝かしいものになるように尽力していく必要があります。

未来は「新しいカレンダー」のように、不確定で不明瞭なもの。

何が起こるかわからないということは、裏を返せば「そこに期待も持てる」ということを意味します。

「マイ･フレンド」は、それ以前のバースで登場した「ヤツがいない」というリリックにつながるものでしょうか。

Mummy-Dさんのバースでは、「コトバ」を伝えるラッパーとしての心意気がリリックになっています。

皆がなんとなく濁してきた「言葉」を、はっきりと口に出していくことが自分の務めである、ということ。

そして、それが「キミの希望」になってくれればいい、という願いにも似たメッセージが綴られています。

1コーラス目と違って、「新しい一日」へと踏み出すその一歩を「讃えたい」と表現する彼。

行く先の見えない未来に向けて戸惑いながらも進んでいくその姿勢は、とても誇らしいものです。

この「It's A New Day」はまた新しい表現による、彼らの応援歌のようなものなのかもしれません。