映像は複数枚のイラストだけで表現

「いつか天使になって あるいは青い鳥になって アダムとイブになって ありえないなら」は通称「いか天」と呼ばれています。

略語だとなんのことやらって感じですが「みあ」さん公認の略語のようです。

「いか天」だけではないのですが、三月のパンタシアの動画は複数のイラストに動きをつけて表現しています。

通常MVを作る場合にはアニメーションのようにキャラを動かした方が見ている人に伝わりやすい傾向もありますね。

しかし、三月のパンタシアの動画は静止画を中心に映像が作られています。

小説と連動した楽曲のため、動画では複数枚のイラストで表現することにより意味がギュッと凝縮されています。

【いつか天使になって あるいは青い鳥になって アダムとイブになって ありえないなら】映像考察

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それでは「いか天」についての考察をします。

「いか天」の動画では2人のキャラが登場しており、甘酸っぱい恋愛模様のように感じますね。

サビでは1人の女の子が空中にいるイラストで、モーションでは羽が飛んでいます。

色々と考えられますが、一体どういう意味なのでしょうか。

どうして「シーサイドノスタルジー」がタイトルではないのか

すごくタイトルが長いですよね。

曲を聴いてみるとサビの歌詞をそのままタイトルにしています。

しかし、サビ最後に「シーサイドノスタルジー」とタイトルによさそうな言葉も出ています。

どうして、シーサイドノスタルジーではないのでしょうか。

シーサイドノスタルジーは日本語にざっくり直すと「海岸での懐かしさ」。

日本語にすると少し変ですが、要は海岸の懐かしい思い出ではないかと思われます。

海岸で起きた甘酸っぱい気持ちをこの言葉で表現したのかもしれませんね。

しかし、「いか天」は小説と連動した楽曲作りをしています。

小説ということは語り手がいるわけです。

語り手の感情をうまく押さえている言葉こそがタイトルになった「いか天」だったのかもしれません。

動画の色々な部分で海の近くが舞台だと表現

動画では終始、色んなところで時期が夏だと教えてくれます。

最初に出てくる多くの魚たちに囲まれたキャラからも海がイメージとして出てくるのではないでしょうか。

色使いもパステルカラー調でやわらかく可愛らしい雰囲気があります。

しかし、サビなどで使われている「青」はしっかりと強調されていますね。

また、場面転換で使われているモーションは波の動きや気泡など、まるで海の中にいるような錯覚を起こします。

このことからも物語の時期は夏で海岸、または海の近くが舞台なんだと予想できますね。

女の子が女の子に恋するお話?

投稿された動画を見ていると写真の中央に女の子が2人座っています。

そのことからこの曲は、女の子が女の子に恋をしてしまった話のように考えられます。

女の子同士の恋愛だからこそ、アダムとイブのような運命なんてありえないよね。

同性であるからこその「実らない恋」を自虐しているという解釈もできます。

イラストで2人いるうちの1人の女の子の顔が見えないというのも色々な考察が浮かび上がりますね。

顔が見えない=表情が分からない、感情が分からない。

顔が見えない子が語り手にどういった感情を持っているのか分からないという解釈ができます。

はっきりと言えるのはこの恋の話は順調ではなさそうということです。

実ることのない甘酸っぱい恋愛模様

映像では終始、2人のキャラクター達は背中合わせのままで顔を見合わせることがありません。

歌詞からしても恋が実ったと考えるのは難しいですね。

同性だから実らなかったのか、それとも他に理由があったのか。

どちらにしても切ない恋愛ソングです。

サビのイラストはどういう意味?

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サビのイラストでは髪型がボブの女の子が飛んでいるようなイラストが入っています。

モーションでは羽が散っているようなシーンもありますね。

羽のモーションはタイトルにもある「青い鳥」を表現しているようにみえます。

青い鳥と言えば某SNSのマークを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、この場合は童話の方。

「幸せの青い鳥」から取ったのではないかと解釈できます。

この童話から「幸せの青い鳥症候群」という言葉も誕生しました。

現実を見ずに理想ばかりを追い求めている人のことを言うそうです。

ひょっとすると自分の抱えているこの気持ちは「幸せの青い鳥症候群」ではないか。

という自虐めいた意味合いにもとれます。

他にも考えられるのが、夏らしさを演出するためというもの。

この曲は小説「8時33分、夏がまた輝く」のOP曲。

そう考えると爽やかで疾走感のある夏真っ盛り感を出したかったのではと解釈できます。

叶わなかった恋を歌っている曲ですが、物語の始まりの歌なのでサビのイラストは躍動感のあるものをいれた。

なんていう考えもできますね。

また、タイトルの単語に「天使」と「アダムとイブ」が入っています。

アダムとイブといえば禁断の果実を食べてしまって、どこかの地にある「楽園」を追放されてしまった。

はたまた、天界を追い出されてしまったなど諸説あるようです。

「天使」は神様の使いとして天空から現れるイメージ。

このことから、どちらも空に関する単語ではないかと想像がつきます。

片思いの女の子は「ありえないなら」って諦めの感情を出しつつ、イラストは手を伸ばして飛んでいる様。

このことからも諦めつつも、そうなりたいという感情も感じ取れます。

アダムとイブのようなそんな関係になりたいけど、ありえないよね、または「ありえなかった」。

過去形に置き換えると最後の「シーサイドノスタルジー」という言葉の意味がすんなりと入ってきます。

最後はどうなったの?映像から考察

歌詞だけを見ると実らなかった恋だったんだと想像がつきそうです。

しかし、映像を最後まで見ると歌詞を歌い終わった後、晴天のイラストで終わっています。

恋は実らなかったけど、すごく晴れやかな気持ちだったという解釈もできそうですね。

登場人物達にとって実りはしなかったけど悪くない物語だったのかもしれません。

ひょっとすると、今回の話では実らなかったけど将来的には…。

なんていうアフターストーリーまで想像できるのが三パシの良い所です。