君は本当に分かってないな、俺をないがしろにするなんて。
“愛が人生のMotion”といっていますが、意訳すれば「愛が人生の全て」でしょう。
人を愛することが、人生の動きそのものなのだ、と。
しかしどうやらこの男性、この女性に14回もフラれているのです。
普通の男性なら2~3回くらいで諦めそうなもの。
でもその何倍も何倍も、誘ってはフラれ誘ってはフラれを繰り返しています。
確かにこの男性、この粘り強さから見ると只者ではなさそう…。
「俺は、他の男とは違う」と言い張る気持ちも、なんとなく分かります。
そんな俺と本当の恋をしようよ、といったところでしょうか。
とにかく尽くしに尽くしている男性
小悪魔な女性に振り回される
DARLING 望むものいつも応じたいけれど
君は感激もせず もらうだけで
マンションの手前で“Say good-by”
出典: SUPER GIRL/作詞:岡村靖幸 作曲:岡村靖幸
まさにこの部分は、時代を象徴するシーン。
この女性のおねだりには、何でも応えてあげている様子です。
多くの人が大金を手にし、浮き足立っていたような時代。
この男性もきっと、そのうちの一人だったのでしょう。
彼女への愛情を示すために、男性はかなり貢ぐわけです。
他の誰よりも自分が愛していることを伝えるために、とにかくお金を使う。
でもこの女性は、あまり喜んでいる様子はありません。
貰うだけ貰って、軽く「ありがと~」なんてお礼するだけ。
彼女の住むマンションにさえ入れてもらえない。
男性はこんなに貢いでいるのに、おそらく指一本も触れさせてもらっていないのでしょう。
本当にめげない男です。
そして、プレゼントされても大して嬉しそうな表情さえしない女。
おそらくこの女性、先述にある通り美人なので、そういった扱いに慣れているのです。
ちょっとやそっと貢がれたぐらいでは、なびきません。
でも一応、この男性と会うそぶりは見せるのです。
なんだかとっても小悪魔で、男性がハマっていくのもうなずけます。
何故この女性にハマっているのか?
DARLING 21で仕送りもらってる
ねだる金額が増えるたびに 両親は悩みが増える
出典: SUPER GIRL/作詞:岡村靖幸 作曲:岡村靖幸
またこの女性像がハッキリするワードが出てきました。
この女性は、なんとまだ21歳。
年齢が分かると、なんだかものすごく天真爛漫な女性に見えてきました。
しかも、まだ親御さんからの仕送りで生活している。
なんとなく、この男性が守ってあげたいと思う気持ちも分かります。
自分で大金を稼いでいるわけでもなく、芸能活動も成功していない。
だったら俺のお嫁さんになってよ、俺なら何でも叶えてあげるよ。
そんな風に思っているけど、彼女にはなかなか伝わらない。
振り回されているわりに、ちょっと上から目線なのも気になります。
でもそれだけ自分に自信があるから、この女性をガンガン攻めていけるのでしょう。
しかしこの女性も、まだハタチそこそこで若いのです。
一人の男性に縛られたくないし、夢だって追いかけたい。
安定なんかせずに、何か大きいことを成し遂げたい。
こういった「安定」を求めない雰囲気からも、バブルっぽさを感じます。
この辺りからが岡村ちゃんマジック
根拠のない自信がスゴイ
No…
Baby 忘れないで あの頃のときめいたことを
(don't forget my girl)
Baby 俺ならば本当に損はないはずさ
出典: SUPER GIRL/作詞:岡村靖幸 作曲:岡村靖幸
ここからも分かるように、きっと二人が出会った頃は女性もときめいていたのです。
それがいつの間にか尽くされることに慣れて、だいぶ雑に男性を扱うようになった女性。
でもまた、出会った頃の気持ちを思い出してほしい。
俺なら絶対に君を不幸にはさせない、だって他の誰よりも愛しているから。
といったところでしょうか。
なんだかここまで自信満々に言われると、本当に幸せになれそうな気がしてきました。
何なら、このコはなんでこの男性を選ばないのか不思議になるほど。
根拠のない強気に、だんだん押されてきました。
ファンの間でも謎になっている部分
Don't you Don't you know わかってよ
ちょっと 勉強すりゃ解るよ
Baby I got 愛が人生の Motion ベン・ジョンソンで証明済み
本当の Dance Chance Romance は自分しだいだぜ
出典: SUPER GIRL/作詞:岡村靖幸 作曲:岡村靖幸
またここでも、「俺は愛が全てだと悟っているんだよ」と言っています。
君だってもっと世間を見て、人生経験を積んでみれば分かるよ、と。
そしてここで出てくる“ベン・ジョンソンで証明済み”。
正直なところ、パッと見は全く意味がわかりません。
ここはおそらく岡村靖幸の言葉遊び的なところでしょう。
1番の“14回もしょげずに”と2番の“ベン・ジョンソンで証明済み”。
この部分で韻を踏んでいます。
ちなみに“ベン・ジョンソン”は、発売当時と同時期に活躍していた陸上選手。
彼がスピードスターであったことを考えると、「最速で証明した」という意味?
本意は不明ですが、「誰よりも早く、人生は愛が全てであることを分かっていた」ということでしょうか。
もしかしたら、リズムが良いから使っただけなのかもしれません。
ですが、注目されていた“ベン・ジョンソン”をわざわざ使う辺りにセンスを感じます。
確かに、メロディーに乗せると結構気持ち良く歌えるフレーズ。
この辺の勘も冴えていますね。