未熟な二人

ポニー・テールはもう切っただろう
ベイビー 泣きながら
幸せならいいけれど
ベイビー もう一度 お前に会いたい

出典: チャイナタウン/作詞:山川啓介 作曲:矢沢永吉

「ポニーテール」という描写からは、若くて、負けん気の強い女性の姿を想像することができます。

夢を叶えた現在、改めて訪れた中華街で当時を懐かしみ、自分と同じように若くて未熟だった彼女が今どんな日々を送っているのか、想いを馳せます。

チャイナタウン 若すぎた恋の
あの香り 甦る ほろ苦い ジャスミン・ティ

出典: チャイナタウン/作詞:山川啓介 作曲:矢沢永吉

今振り返れば、もっと相手を思いやることもできたかもしれない。その時だけの恋として終わってしまった関係を少し悔やみながら、それも若さなのかもと自分を納得させるようです。

ジャスミン・ティは、きっと当時の彼女がよく飲んでいた、思い出の飲物なのかもしれません。

レコードと同じように捨てられてしまった自分との思い出

あのレコードは もう捨てただろう
ベイビー つらくって
幸せなら いいけれど
ベイビー もう一度 お前に逢いたい

出典: チャイナタウン/作詞:山川啓介 作曲:矢沢永吉

二人でよく聴いていた思い出のレコード。「捨てただろう」という呟きは、レコードと自分の存在を重ね合わせているのでしょうか。

月日が経って、彼女もきっと自分の存在なんて捨ててしまっているはず。

「もう一度」という表現からは、会えないことがわかっていながらもそれを望んでしまう、儚い願いにも似た感情が伝わってきます。

チャイナタウン ヨコハマ・トゥワイライトタイム
流れてる 俺たちの好きだった
“ドック・オブ・ザ・ベイ”

出典: チャイナタウン/作詞:山川啓介 作曲:矢沢永吉

「ドック・オブ・ザ・ベイ」は、オーティス・レディングのヒット曲で、港をテーマにした歌詞は横浜にもよく似合います。

夕暮れ時の中華街で耳にした懐かしい曲によって、さらにあの頃を思い返してしまう主人公です。

横浜を下積みの地に選んだ矢沢永吉

【チャイナタウン/矢沢永吉】歌詞を聴くだけで心はあの時代へ…初出は3rdアルバム『ドアを開けろ』の画像

後のインタビューにて、「本来東京を目指していたはずなのに、なぜ横浜で途中下車をしたのか?」と問われ、彼は長時間の移動に疲れてしまった旨を告白しています。

また、根っからのビートルズファンだった彼は、ビートルズの出身地リヴァプールと、同じく港町でもある横浜との関連性にも言及しています。

本曲は、矢沢永吉が自身の活動拠点として横浜を選択していなかったら生まれなかった名曲であるだけに、不思議な運命の巡り合わせを感じます。

まとめ

【チャイナタウン/矢沢永吉】歌詞を聴くだけで心はあの時代へ…初出は3rdアルバム『ドアを開けろ』の画像

矢沢永吉「チャイナタウン」をご紹介しました。

横浜随一の観光地として知られる中華街は、いつも沢山の人に溢れ、熱気と活力がみなぎる街です。

不確かな未来を前にして夢だけを持った矢沢青年は、他の人たちと同じように、またこの「チャイナタウン」からエネルギーをもらい、夢を思い描けたのかもしれません。

アルバム「ドアを開けろ」に収録された初期バージョン、そしてそれから20年以上を経て、本人が音楽界において確固たる存在となったあとに再録された1998年シングルバージョン。

どちらも、若き日々を思い起こすことが出来る、ノスタルジックな魅力にあふれる作品となっています。

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