倖田來未【人魚姫】歌詞の意味を解釈！消えたいと願うほどの恋って？王子様と迎える物語の結末はいかに？

大好きだったあの人のことを想っているはずなのに、ここでの主人公は悲しい気持ちに満ちています。

本当はあたたかい気持ちで満たされているはずなのに…

大好きな人を想えば想うほど、呼吸もできないほどの悲しみに支配されていくようです。

多くの女性は幼い頃に抱いたプリンセスへの憧れを、少なからず持ったまま大人になります。

だからこそ心のどこかでは、「運命の王子様」を探してしまうのでしょう。

この楽曲の主人公もそうでした。そしてすでに、運命の王子様だと思える相手に出会っていた…。

それなのに、その運命は脆くも崩れ去りました。大好きなあの人は、運命の王子様ではなかったのです。

主人公の悲しさを増幅させている理由は、3行目に記されています。

相手も自分を愛していてくれたと思っていたのに、本当は違った。

そうやって信じていた相手に裏切られたことは、主人公を深い悲しみの中に突き落としました。

度重なる悲しみに押しつぶされている主人公は、心底消えてしまいたいと思っているのです。

ここでの嘘は、主人公自身がついたものではありません。

運命の王子様だと思っていた相手がついてきた、数々の嘘のことを指し示しているのです。

どんな嘘かは明らかにされていないものの、きっと男女の恋愛における定番の嘘をつき続けてきたのでしょう。

こっそり別の女の子と連絡を取っていたのかもしれませんし、内緒でデートしていたのかもしれません。

本命だと言ってくれていたのに、実は2番手で都合のいい女だったのかもしれません。

きっと相手はバレていると思っていなかったのでしょうが、主人公の女性には全部お見通しでした。

そしてその嘘に気がついているからこそ、自分が傷つけられたことも理解しているのです。

それでも一緒にいたのは、相手の男性のことを好きという気持ちが捨てきれなかったから。

そして、いざというときは自分だって別の男とうまくやっていける、という自信があったからでしょう。

そのはずだったのに、いざ大好きなあなたを失ってみると、何もかもうまくいかなくなってしまった。

その自信はただの強がりで、本当の気持ちはこれだったのだ…。主人公はようやく気がついたようです。

しかし気がついても時すでに遅し…。大好きな彼は去ってしまった後で、もう何も残っていません。

大好きなあの人を失い、どうしていいかわからない主人公。

「すぐに別のいい人が現れる」なんて余裕な気持ちでいたけれど、現実はそう甘くありません。

どこにもいけず、誰とも出会うことができず、いまだにフラフラと放浪し続けています。

大好きだったあの人と結ばれて、幸せな家庭を築く。そんな未来しか描いていなかった主人公。

死ぬまで一緒にいられると信じて疑わなかったのに、その未来が目の前であっさり崩れてしまいました。

もう結ばれることなんてない。そのたった1つの真実だけが、主人公の目の前に居座り続けています。

もうこんな気持ちになるのはこりごりだ。うんざりだ。

こんな気持ちを味わうくらいなら、いっそのこと泡になって消えてしまえれば楽なのに。

冒頭の歌詞ではっていた伏線をしっかりと回収して、この楽曲は締めくくられています。

叶わないなら泡になって消えてしまいたい。

それくらいに相手を想い、その想いを捧げ切った大恋愛がテーマだったこの楽曲。

相手と結ばれないのなら存在する価値がない。ほかの人と結ばれているところなんか見たくもない。

それほどまで純粋で、一途で、そしてとてつもなく重い、大好きなあの人への気持ち。

密かに想いを寄せ続け、ようやくチャンスをつかんだのに報われないまま消えていく。

そんな人魚姫と重なって、共感する人も多いのではないでしょうか。

女性なら理解できる人も多い、そんな経験をした1人の女性がテーマの『人魚姫』を解説してみました。

これまでに数々の楽曲をリリースしてきた倖田來未。

こちらの記事では、リリースされた楽曲の中から人気上位曲を集めてご紹介しています。

カラオケにおススメな楽曲ばかりなので、ぜひ歌ってみてください。