切ない悲恋を歌う倖田來未の恋愛ソング
「運命」は倖田來未さんの34thシングル「Cherry Girl/運命」の収録曲です。
叶わない悲恋を歌うバラードで、曲調もしっとりと切ない印象。
PVはクラシックな雰囲気漂う、西欧風の映像となっています。
このムービーからでも、切なくて物悲しい空気が伝わってくるよう。
倖田來未さんといえば女性の心をストレートに歌うラブソングで、多くの共感を得ていますね。
「運命」はどんな気持ちが歌われているのでしょうか。
この歌詞の意味を考えてみましょう。
映画『大奥』主題歌
大きく話題になった作品のため、記憶にある人も多いでしょう。
2019年にはフジテレビの開局60周年企画として、最終章が放送されました。
江戸時代を舞台にした、女性同士の愛憎が渦巻く時代劇です。
PVが西洋風だったので、日本の時代劇のタイアップというのはちょっと対比的な感じですね。
元々「大奥」というのは、江戸時代にあった将軍家の妻や恋人などが暮らしていた場所のこと。
当時将軍家同士の権力争いが絶えませんでしたが、それは女性も同じだったようです。
まさに女同士ならではのドロドロしたバトルは必見。
そして主題歌となった「運命」は、そんな大奥の世界観に合わせた曲といえます。
女性同士のバトルが大奥のイメージですが、根底には好きな男性に対する想いがあるのでしょう。
この曲が主題歌である映画でも主人公の江島は、歌舞伎役者の生島と切ない恋をします。
その恋模様がどのようなものだったのかを、「運命」が表現しているのです。
一緒にはなれない運命
「運命」は誰にだって気になるもの。
好きな人ができれば、「あの人は私の運命の人なのかも」と思うでしょう。
しかし、この恋は叶いそうもないもののようです。
そうだと分かった時、どんな気持ちになるのでしょうか。
本当は会いたくて仕方がないのに
季節が巡る時間が
きっと誰よりも長くて
会いたい気持ちとは切なく
運命は変えられなかったんだ
出典: 運命/作詞:Kumi Koda 作曲:hirofumi Hibino
何かを待つ時間とは果てしなく長いものです。
たとえば同じ1日でも、自分と他の人とは体感の長さが違うように感じられることもあるでしょう。
最初の二行はそんな状況を表しているようです。
時間がゆっくりと感じられるほどに、会いたくてたまらなかったのでしょう。
しかしその気持ちを裏切るかのように、現実は悲しい方向へと進んでしまいます。
四行目を見る限り、もしかしたら叶うのは難しいかもしれないとは自覚していたのかもしれません。
そしてそうなる未来を変えることもできなかったのです。
隣にいなくても
遠くにいても
支えたいと
心からそう思うから
出典: 運命/作詞:Kumi Koda 作曲:hirofumi Hibino
この二人は隣にいられず、ずっと離れて暮らすしかない状況なのでしょう。
それでも、たとえ側にいられなかったとしても相手を応援したいという気持ちがあります。
別のところで自分の愛する人が頑張っている。
それなら成功や安泰を願うのはおかしなことではありません。
たとえ叶いそうにない恋だったとしても、好きであることを変えることはできないでしょう。
離れたところからでも、相手への想いは届くでしょうか。
想いは雪になる
寂しいと想う夜に
雪となり 空から舞い降り
君のこと包み込み
今すぐ抱きしめるから
忘れないで
ふたりで過ごした時間を…
出典: 運命/作詞:Kumi Koda 作曲:hirofumi Hibino