女性が辛い恋愛と対峙していることが分かってきましたね。

満たされない愛情はやがて「憎い」という感情にすら変わります。

主人公の心の変化を一緒に紐解きましょう。

主人公の望み

Hey, you don't belong to me
笑わせないでよ
I don't wanna be an easy girl
Don't touch me, I'm not kidding
I just hate you

出典: Don’t you want me/作詞:PSYQUI 作曲:PSYQUI

まずは和訳してみましょう。

“ねぇ、私のものになってよ

軽い女になりたくないの

私は冗談じゃないんだから触らないで

あなたのことが憎い”

女性は男性に振り向いてほしくて必死です。

男性と次のステップに進みたい。

でも、男性と両想いじゃないとただの遊びの関係になってしまう

この恋が成就するためには男性を本気にさせる必要があるのです。

ところが、どれだけ頑張っても状況は変わりません。

自分の中で愛情が育つ一方です。

その結果、この「憎い」という表現が生まれたのでしょう。

憎しみは愛情の裏返し

好きじゃない相手には無関心でいるものです。

大好きなのに上手くいかないから、憎しみに変化したのだと思います。

どんな葛藤を抱えている?

Hey what are you mad 'bout!?
とんなに叫んだって
I don't wanna be an easy girl
Don't talk to me, I'm not kidding
I'll never see you again

出典: Don’t you want me/作詞:PSYQUI 作曲:PSYQUI

“アナタに夢中なの

軽い女にはなりたくない

私は冗談じゃないんだから話しかけないで

二度とあなたに会いたくない”

さらに主人公の気持ちは高まります。

先ほどは触れることを拒否していました。

でも、ここでは話しかけることすら避けています。

自分主体の行動は我慢できても、男性から接触したら耐えられないのでしょう

本心では恋人になりたいくらい好きだけど二度と会わないことを望んでいます。

辛い恋愛だからこそ「いっそ終わらせたい」と思っているのではないでしょうか。

不安定な心情を表現

ここからは同じ歌詞を様々なサウンドアプローチで聴かせます。

楽曲の背景が分かってきたところで、さらに一歩踏み込んで解釈していきましょう。

この楽曲に描かれたテーマの核心にも迫りますよ。

2つの考えの間で揺らぐ

※繰り返し
By my side まだ足りない
触れる指先 そのまま
Hold me tight, hold me tight
Night and day 鳴り止まない
揺れる自分の言葉じゃ届かない you and I

出典: Don’t you want me/作詞:PSYQUI 作曲:PSYQUI

 

冒頭では「揺れる」という言葉に着目しましたね。

これは「考えが揺らぐ」という意味もあるのだと思います。

「触れたい」という愛情から来る欲求と、「離れないといけない」という理性から来る警告。

このダブルバインドの狭間にいるから「揺れる」と表現しているのです。

また、「こんな自分では上手くいかない」という思考も読み取れます。

そもそも辛い恋愛になってしまったのは、自分にも原因があると思っているのでしょう。

上手に振る舞えなかったからこそ、曖昧な関係性が育ってしまった

そう考えることができます。

この状態を経験したことのある女性は案外多いのではないでしょうか?

本心で思い描くのは…

※繰り返し
Hey, you don't belong to me
笑わせないでよ
Don't you want me?
Don't touch me, I'm not kidding
I just hate you

出典: Don’t you want me/作詞:PSYQUI 作曲:PSYQUI

先ほどは「冗談じゃない」と和訳しました。

その裏返しとして「私は本気なのに」という気持ちが読み取れます

本気で好きなら触れてもいい。

もしそうじゃなくて冗談のつもりだったら、中途半端なことはしないで

そんなメッセージが込められているのではないでしょうか?

主人公の思い描く「本気の恋愛に切り替わって誠意を見せてくれる」というストーリー。

現実はそのとおりにいかず、最後には愛情を否定するように「憎む」という選択をしました。

楽曲のテーマに迫る

ここまで主人公の願望と現実のギャップが描かれてきました。

実は、この楽曲のテーマが良く分かるフレーズがあります。

最後にそこに着目して、描かれている世界感を楽しみましょう。

タイトルに込められた意味