乃木坂46「やさしさなら間に合ってる」
4thシングル『制服のマネキン』のカップリング曲「やさしさなら間に合ってる」。
初期の乃木坂46らしい、ノスタルジーすら感じるようなアイドル歌謡曲です。
往年の雰囲気を纏いつつ、それを現代のアイドルが歌うことで新鮮味が生まれているのです。
今回はその歌詞に注目し、どんな意味が隠されているのか解説していく記事です。
早速見ていきましょう。
1番
冬の道を行く2人
真冬のプラタナスは
お別れの道
あなたは心配そうに
隣りを歩く
出典: やさしさなら間に合ってる/作詞:秋元康 作曲:松田純一
まずは、出だしのAメロの歌詞パートです。
ここから分かるのは、カップルの間に流れる不穏な雰囲気。
1行目「プラタナス」という言葉は一体何を表しているのでしょうか?
調べてみるとこれは植物の名前のようです。
プラタナス(学名: Platanus)は、スズカケノキ科スズカケノキ属に属する植物の総称。街路樹・庭園樹として広く用いられている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/プラタナス
街路樹にも使われているということで、ここではそれを指しているのでしょう。
そして、この場面が冬であることから、葉っぱは付いていないと分かります。
どこか物寂しい風景が目に浮かぶ表現です。
2行目から分かるように、2人は道の途中で別れようとしているのでしょう。
しかし、この意味ありげな表現には、2人の関係性の別れも同時に意味しています。
そして、その理由はこの次のパートから徐々に分かってくるのです。
3〜4行目では、彼が主人公を心配している様子が描写されています。
どうして彼は主人公のことを心配しているのでしょうか。
その答えは、次のパートに隠されていました。
別れ話の切なさ
「悪いのは僕なんだ」なんて
ずるい言い方をしないで
もっと冷たく突き放して
あきらめさせてよ
出典: やさしさなら間に合ってる/作詞:秋元康 作曲:松田純一
そして、前述のパートで彼が心配していた理由が判明します。
このパートから分かるのは、主人公である女性と、彼が別れ話をした後だということです。
1行目から分かるのは、彼が主人公を振ったということ。
そして、彼はそれに罪悪感を抱いているようです。
2〜4行目で書かれているのは彼女の、彼に対しての想いの深さ。
最後まで優しい彼に対して、悲しみが滲んでいます。
彼が優しいからこそ、彼女はそんな彼を諦めきれないのです。
ぶっきらぼうに別れを告げてくれた方が楽だった。
そんな彼女の心の声が聞こえてくるかのようです。
サビ
強がりと本音
やさしさなら間に合ってる
思い出でいっぱい
心の奥に残ってる 大切な記憶
出典: やさしさなら間に合ってる/作詞:秋元康 作曲:松田純一
ここから1番のサビの歌詞パートです。
1行目から、タイトルと同じフレーズが登場します。
このタイトルの意味することが、ここから分かるようになっているのです。
2行目からの表現から分かるのは、彼とのこれまでの思い出を振り返っていること。
別れ話の場面で、今までのことを振り返ることからも、彼への愛情の深さを感じます。
「大切」という言葉が出てくることからも、彼との思い出に強い思い入れがあると分かるでしょう。