強がりなら もう限界
この胸が苦しい
あなたのことを憎めたら楽だったのにね…
出典: やさしさなら間に合ってる/作詞:秋元康 作曲:松田純一
サビの続きです。
1行目では、彼の前で気丈に振る舞っていた彼女も限界を迎えていることが分かります。
失恋の苦しさを見せないように、彼の前では本心をひた隠しているのでしょう。
3行目では、たとえ別れることになっても彼を憎めないことを明かしているのです。
これは、いっその事嫌われるようなことを言ってほしいという意味でしょう。
それは嫌いになった方が、好きなままでいるより楽に別れられるから。
そんな彼女の気持ちが3行目には込められているのです。
別れの時まで優しい彼のことを悪く言うことができない。
彼女は悲しくて苦しいけれど、同時に彼のことが好きでたまらないのです。
だからこそ、その苦しみはさらに大きくなります。
今までの楽しく輝かしい大事な思い出を振り返ってしまうからです。
2番
2人の別れの後
信号 待っていたら
追いかけて来た
ハンカチ 差し出す手が
あなたらしいわ
出典: やさしさなら間に合ってる/作詞:秋元康 作曲:松田純一
ここから2番の歌詞に入っていきます。
別れ話の後、2人はそれぞれの家路についているのでしょう。
しかし、その後を彼が追いかけてきます。
3行目の歌詞から分かるように、彼は主人公のことを心配しているようです。
そして、「ハンカチ」という言葉から分かるのは、主人公である女性が涙を流していること。
彼との別れによるショックで、涙が出てしまったのでしょう。
そして、それを見送る彼が見てしまった。
そんな状況が目に浮かびます。
女性の強さ
「1人でも帰れるか?」なんて
子ども扱いをしないで
恋のひとつが終わっただけ
よくある話よ
出典: やさしさなら間に合ってる/作詞:秋元康 作曲:松田純一
1行目では「ハンカチ」を渡しながら彼が言った言葉が書かれています。
そんな彼の優しさを一蹴する彼女。
そして、3行目からは女性ならではの強さが垣間見える台詞です。
強がりのようにも思えますが、この歌詞の女性からは芯の強さを感じます。
今までの歌詞からも、どこか大人っぽい印象を受けてましたがここではそれが顕著です。
アイドル曲ということで勝手に学生のカップルを想像しますが実際は大人のカップルなのでしょうか。
4行目の表現は、この状況がありふれたものだと自覚していることが分かります。
いずれ別れがくるということも知っているかのような達観した言葉です。
しかし前のパートでは涙を流していた彼女。
この恋は彼女にとってかけがえのないものだったのでしょう。
その強がりに健気さを感じます。
強がりと本音
やさしさなら間に合ってる
悲しみを隠して
目尻に流れ落ちてゆく 小さな涙
同情なら そういらない
プライドの問題
あなたのことは今だって大好きだけどね…
出典: やさしさなら間に合ってる/作詞:秋元康 作曲:松田純一
ここからは2番のサビとなっています。
ここでも1行目でタイトルと同様のフレーズが登場。
そして1番のサビと比較すると、2番は悲しみに関する表現が目につきます。
2〜3行目では、内心ではとても悲しんでいることが容易に想像できる表現です。
しかしこれまでの歌詞からも、彼の前では気丈に振る舞っていることが分かります。
そして、その理由といえる歌詞が4行目。
彼女にとって今は「同情」が一番辛いことなのでしょう。
だから彼の優しさも素直に受け取れない。
5行目ではその原因が「プライド」であるというのです。
ここからも彼女の強さが垣間見えます。
そして、主人公の切なさが前面に出ているのが6行目。
まだ愛している相手から振られながらも、彼の前ではそのショックを隠そうとしているのです。
恋愛の終点
彼の優しさ
この歌詞のストーリーの中で殊更強調されているのが彼の優しさです。
彼が本当に優しい男性だということも勿論あるとは思います。
しかしそれだけではなく、主人公がそういった面に惹かれていたことも表しているのでしょう。
今までの彼を見てきて、その優しさを誰よりも知っているのが彼女です。
こんな時でも「ハンカチ」を手渡すところに彼らしさを感じるのは彼のことをよく知っていたから。
優しい彼に惹かれていたからこそ、別れる時になってその優しさが彼女を苦しめるのです。