IZ*ONE「ダンスを思い出すまで」
日韓合同オーディション『PRODUCE 48』で選ばれたメンバー12人によって構成されるIZ*ONE。
日本人3人、韓国人9人から成るグローバルアイドルグループであり、日本と韓国の両方を拠点として活動しています。
今回ご紹介する曲は、彼女たちの日本デビューシングル『好きと言わせたい』からカップリング曲「ダンスを思い出すまで」。
この楽曲は3バージョン発表されたシングルの中のWIZ*ONE盤と呼ばれるバージョンに収録されました。
歌唱メンバーは、チャン・ウォニョンと宮脇咲良のみとなっており、ユニット曲という扱いとなっています。
また、IZ*ONEの日本語の楽曲ではAKB48や乃木坂46の歌詞も手掛けている秋元康が作詞を担当。
多くのアイドルソングを手がけてきた彼がIZ*ONEのために書いたのはどのようなストーリーなのでしょうか。
早速、見ていきましょう。
恋のダンス
失われた感覚
あれからいくつか恋して
大人になったけど
あの頃 踊ってたような
ダンスは覚えていない
出典: ダンスを思い出すまで/作詞:秋元康 作曲:大石由梨香
まず冒頭の歌詞では、主人公の今の状態が表されています。
今までしてきた恋の数々を思い出している主人公。
ティーンエイジャーから大人になるまでの間に忘れられない思い出もいくつかあるようです。
4行目の「ダンス」という言葉は何を指しているのでしょうか。
これは「ダンス」という文字通りに捉えることもできますが、他の意味も隠されていると考えられるでしょう。
これは、恋しているときの気持ちを指していると考えることもできます。
ここでは主人公は、大人になることで失われてしまった恋の気持ちを思い出そうとしているのでしょう。
初恋の時に感じていたような初々しい気持ちは今の恋には感じていない。
経験を積んだことで失われてしまったその感覚を懐かしんでいるのかもしれません。
そういった風に解釈することができるのではないでしょうか。
恋の季節
風はいつも通り過ぎて
どこか消えてしまう
心を揺らしても
そこにはいてくれない
空に浮かぶ白い雲は
ただ流されながら
何かを言いたげに
季節を見送るだけ
出典: ダンスを思い出すまで/作詞:秋元康 作曲:大石由梨香
「風」というのは恋の盛り上がりを指しているのでしょう。
一時は盛り上がりを見せて、恋人も自分のことを大切にしてくれるけれどその気持ちは長続きしない。
そんな様子を「風」のように一過性のものであると表現しているのでしょう。
3行目からの歌詞には、彼女が恋のときめきをいつまでも感じていたいという感情が見え隠れしています。
対して、5行目の「雲」というのは何を表しているのでしょうか。
これはその盛り上がりに翻弄される主人公自身を表していると考えることができます。
「風」に流されて自分の気持ちを言い出せず、いつの間にかそんな盛り上がりも落ち着いていく。
そのことに対して切なさを感じているのでしょう。
恋人に求めるもの
愛を育む
愛を急がせないでよ
もっとゆっくりと
時間をかけて
バラの花びらが
いつか開く日まで
美しいままで
出典: ダンスを思い出すまで/作詞:秋元康 作曲:大石由梨香
ここからはサビの歌詞パートです。
恋人と自分との気持ちの相違について言葉にしています。
主人公にとってはじっくりと愛を育んでいきたいと考えているのでしょう。
しかしながら恋人の方は、早く親密な仲になりたいと思っているのだと考えられます。
ここではそんな生き急ぐ恋人に対しての主人公の想いが吐露されているようです。
時間をかけることで2人の関係が長続きすると考えているのかもしれません。
一時の盛り上がりだけで終わってしまわないように、徐々に距離を近づけて信頼関係を築いていきたいと考えているのでしょう。
4行目の「バラ」という言葉から連想されるのは、赤い薔薇の花言葉。
赤い薔薇には「情熱」や「愛情」といった花言葉があります。
2人の間に深い愛情が芽生えるようにじっくりと2人の気持ちを育てていきたいという感情が表れています。
一途な気持ち
何度も恋には破れて
少しは慣れたけど
一途な感情で動く
ダンスを思い出せない
出典: ダンスを思い出すまで/作詞:秋元康 作曲:大石由梨香