「あの子」に教えたいこととは?
北海道の自然が登場
北海道の自然をイメージしたと言われている同曲の歌詞の意味を解釈してみました。
実は意外にも同バンドと北海道は縁があるようです。
デビュー初期には北海道でラジオ番組持っていたことも。
また、かつて札幌にあった「ロビンソン百貨店」では、あの名曲『ロビンソン』が閉店BGMとして使用されていたこともあるんだとか。
(スピッツと関係があるわけではないそうですが)
そんな彼らが書き下ろした『優しいあの子』はどんな曲に仕上がっているのでしょうか?
歩みを進める主人公
『優しいあの子』は主人公視点で進んでいきます。
タイトルにもなっている「あの子」に何かを伝えるという歌詞ですね。
主人公が歩き進む場所は北海道の自然を思い起こさせる世界です。
「あの子」が一緒に歩いている様子はありません。
主人公だけが歩いているのは何故なのでしょう。
そして歩き進む主人公は一体「あの子」に何を伝えたい、何を教えてあげたいのでしょうか。
弾んで歩くようなテンポで曲は進みます。
焦って走ることなく、時に周囲の景色に目をやりながら歩けば何かに気づくこともあるでしょう。
北海道の自然を感じながら進む主人公は何を見て何を感じたのか考えてみます。
朝ドラ『なつぞら』主題歌!
広瀬すず主演の連続テレビ小説
『優しいあの子』は北海道を舞台としたNHK連続テレビ小説『なつぞら』の主題歌なんです。
作詞・作曲を担当した草野マサムネさんは、イメージを掴むために北海道・十勝へ訪れたんだとか。
スピッツは以前にも広瀬すずさん主演の映画『先生!、、、好きになってもいいですか?』でも、『歌ウサギ』という曲で主題歌を担当したことがあるんですよ。
『なつぞら』のあらすじを少しだけご紹介しましょう。
戦争で両親を失い父の戦友に引き取られた戦災孤児の少女・奥原なつが、北海道・十勝で広大な大自然と開拓者精神溢れる強く優しい大人たちに囲まれてたくましく成長し、上京後北海道で育んだ想像力と根性を活かして当時「漫画映画」と称された草創期の日本アニメの世界でアニメーターを目指す姿を描く。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/なつぞら
同作の『優しいあの子』が使用されているオーブニングタイトルはこの設定を反映して、アニメーションになっています。
そのオープニング映像をご覧いただこうと思ったのですが、残念ながら他サイトでの公開はNGとなっていました。
気になった方はYouTubeで公開されているので、探してみてください。
『世界名作劇場』を思わせる懐かしくも可愛らしいイラストに、心が和むこと間違いなしです。
MVをチェック!
柔らかな映像

白い花が咲いている様子が映し出され、白く画面が暗転。
スニーカーを履いた足が、芝生の上に立っている映像に切り替わりその上にタイトルが。
枯れ葉や雪が積もった地面。
街中にある石畳の道の上。
その足はMVの中で、色んな道を歩いている光景が映し出されます。
そして、スピッツの演奏シーンは爽やかな印象の真っ白い内装の部屋。
白くモヤがかかったようなフィルターがかかっているので、柔らかな印象を与えます。
草野さんは階段で一人ギターを手に歌っていますが、そこには窓から日光が降り注ぎ暖かそう。
ギターの三輪テツヤさんが、暖炉用の薪が収納されている場所の前で演奏しているショットもありました。
暖炉用の薪が備蓄されているということは、寒い地域が舞台ということが分かりますね。
途中で歌詞に合わせたように暗い室内が映し出されましたが、なんだかオシャレ。
北海道をイメージしているようですが、北欧の雰囲気も感じられます。
ショートバージョンということで、途中までしか映像は見られませんが曲の印象が良く伝わる内容でした。
次からはいよいよ歌詞を解釈していこうと思います。
印象に残る二つの視点とは?
MVの中には二つの視点があります。
一つは草野さんがギターを弾くシーンから始まる、「スピッツが演奏する姿」を映す視点です。
﨑山龍男さんが軽快にスティックを振るシーンや、田村明浩さんがリズムに体を揺らすシーンもありますね。
もう一つは、足元のスニーカーから始まる「誰か」の視点です。
この「誰か」の視点は、最初は足元だけを見て歩き、徐々に花や草木を見上げていきます。
色々な道を歩きズボンを変え靴を変え、やがて素足で砂浜を踏みしめる様子を見ることができるでしょう。
初めて砂を蹴ってターンするシーンは印象的です。
決して「誰か」の表情は映りません。これは「誰か」が実際に見ている景色だということでしょう。
その後も演奏シーンと「誰か」の歩くシーンが交互に流れ、最後のシーンで青空が広がります。
朝ドラ『なつぞら』を意識したともとれる青空には、大きな雲が浮かんでいました。
この映像が歌詞とどのように対応しているのか、さっそく解釈してみます。