先述の通り、幅広い世代に愛される名盤。

もちろんアーティストたちにも深く愛されており、素晴らしいカバーがたくさん生み出されてきました。

その中でも特に素晴らしいものをご紹介します。

もちろん、あのCMのあの子も登場しますよ!

秦基博

優しく伸びやかな歌唱力でファンの多い秦基博さん。

そんな彼の歌声を聴いたことのあるひとなら、この楽曲との相性の良さは聴くまでもなくわかってしまうでしょう。

キリンジバージョンよりもさらに優しい、まるで子守歌のようなカバーです。

ORIGINAL LOVE

セクシーな歌声に定評のあるORIGINAL LOVE(田島貴男)のバージョンは、特に強いアレンジがあるわけでもないのになんだかスペインを感じます。

ファドのような、深夜の艶っぽさを感じさせるカバーです。

モデルで女優の杏さん、実はギターも得意で、歌声も素敵なんです。

とくに歌唱力が高いわけではないからこそ、シンプルで素直なカバーがいいですね。

普段は大人っぽくクールな彼女の、少女の一面が感じられるようです。

UNCHAIN

数あるカバーの中でもひときわアレンジが際立つのがこのナンバー。

カバー職人とも評されるバンドUNCHAINだけに、自分色に染めるのが上手ですね。

アシッドジャズさえ感じさせる、アップテンポなカバーです。

のん

そして最後は、LINEモバイル」のCMで披露したのんのアカペラ・バージョン。

彼女の持つ透明感と純真さをひしひしと感じるカバーです。

歌詞

それでは、まるで遠い外国の古い文学を翻訳したような、時と国境を越えた異国情緒さえ感じる歌詞を見ていきましょう。

遥か空に旅客機 音もなく 公団の屋根の上 どこへ行く
誰かの不機嫌も 寝静まる夜さ バイパスの澄んだ空気と 僕の町

出典: http://www.kasi-time.com/item-30147.html

旅客機、と歌詞にはありますが、読みは「ボーイング」です。

最も世界の空を飛ぶ旅客機はボーイング社製のもの。ありふれた飛行機、という意味であえてこの読み方なのです。

公団、とは公団住宅のこと。一般的に言えば“団地”のことです。

バイパスとは都市部を避けて走る幹線道路のこと。

この歌の背景、ありふれた郊外の住宅地が浮かび上がってくるキーワードたち。背景描写の美しさにも、キリンジ楽曲の高い文学性を感じますね。