モーニング娘。'18【自由な国だから】MVを独自解釈！自由と言いつつ制服を着ていることに意味はある？

束縛を嫌い、「自由」を望む内容の歌詞が耳に残りますね。

しかし、メンバーは全員同じ「制服姿」に身を包んでいるのが印象的。

メイクも校則を意識したかのように、特にシンプルになっているのではないでしょうか。

「制服」こそ「束縛」の象徴という考え方もあると思います。

同じデザインの洋服を同じ基準で着用する…。

そんな当たり前の文化には、「個性」や「独自性」といった要素は見られません。

個性を出したい人は「校則を破る」という手段で着崩したりしますね。

おそらく今回MVで「制服姿」であることには2つの理由があると思います。

1つ目は、これから自分の未来を選択する立場の人に向けた楽曲であること。

今は制服に身を包み個性をひた隠しに生きていたとしても、卒業と同時に思うままに羽ばたいてほしい。

自分のありのままの感情や信念を持って生きてほしい。

そんな願いが込められているのかもしれません。

2つ目は、我慢している人の心の叫びを表現したかったから。

本当の自分を抑えて過ごしている人がいるとします。

彼女たちは、自ら「制服姿」になることで、個性を打ち消したような状態になってみせるのです。

その姿で「自由」を歌い、素晴らしいパフォーマンスで輝いてみせる…。

それを見ていると、自分の想いを代弁してくれるような気持ちになりますね。

「本当はもっと輝きたい」という願望をMVで表現しているような気がします。

「ここ」とは、自分を束縛する環境のことでしょう。

具体的な内容は書かれていませんが、その環境やルールの「脆さ」を見抜いているようです。

目に見える「正しい」とされる定義よりも、自分の信念にある「正しい」を貫いて見せる。

そうすることで、将来になって後悔する可能性だってなくなる。

そんなメッセージなのだと思います。

いずれも、先ほどフォーメーションダンスで読み取った表現と非常にマッチしていますね。

具体的な事例を挙げなくても、迫真の演技で伝わってくる感じがします。

前半での「矛盾」とはどんな意味でしょうか？

「待つこと」で現状は進展しないと分かっている主人公。

それに対して「出しゃばること」を良しとしない環境。

「出る杭は打たれる」という言葉もありますね。

「右へならえ」で周囲と同調する文化を象徴しているのではないでしょうか。

でも主人公は、現状打破をするために、自らの信念で行動するしかないと考えています。

そして、タイトルでもある「自由な国」。

これはいうまでもなく「日本」のことでしょう。

豊かで恵まれた「日本」では無限大に可能性があります。

チャレンジをするためのチャンスはいくらでも掴むことができます。

しかし、多くの「情報」や「固定概念」が溢れかえっているのも事実。

自分の意思を貫くことができないと、せっかくのチャンスも棒に振ってしまいます。

後半で「不思議だよ」といっているのは、世間や周囲に流されてコロコロと意見を変える人のこと。

自分の意思を持つ主人公にとって、情報に踊らされながらも納得している姿は「不思議」に映るのです。

ここでは「恐れ」や「不安」といったネガティブな要素を断ち切ろうとしていますね。

こういったネガティブな思考は、慎重さを生みます。

しかし、それに囚われ過ぎれば「何も行動できないだけ」になってしまうことも。

主人公は自らの歩みを進めたいため、ネガティブから自分を解き放とうとしています。

ここで出てくる「決めつけ」も実は恐怖のひとつ。

何に対しても「無理矢理結論を出したり」「自分が理解していると思わないと」気が済まない状態なのです。

ところがこの「決めつけ」は冷静で適確な判断力を鈍らせる原因となります。

「決めつけ」の背後に潜む「失敗への恐怖」を克服する必要があるでしょう。

主人公は、全ての事柄において真っすぐに向き合い、責任を持って行動することを宣言していますね。

ここまで強い覚悟ができる人であれば、必ず成功へと道が切り開かれるのではないかと感じます。

可能性がある国に生まれたからこそ、自分の意思で、自分の責任で物事を選択していく。

逃げも隠れもしない。

自分は信念を貫く。

そんな力強いメッセージを感じますね。

それを「いさぎよく」と表現しています。