モーニング娘。が転機を迎える

【Do it! Now(モーニング娘。)】歌詞の意味を独自解釈!"愛"に対する決意を感じる1曲の画像

前作の「そうだ! We're ALIVE」とはガラリと雰囲気を変えた1曲。

「LOVEマシーン」以降のモーニング娘。の曲の中では、かなり異色です。

マイナーコードのメロディーから、未来への不安や焦りも見られる曲。

そして、これまでの"はっちゃけた"スタイルと大きく異なる理由。

それはこの頃のメンバーチェンジが背景にもなっていると思います。

ここまで絶対的エースとして第3期から活躍してきた後藤真希。

この曲を最後に、モーニング娘。を卒業してしまいます。

人員的にも、新メンバーの比率がかなり大きくなってきた頃。

今後の「モーニング娘。そのもの」の未来についても歌われているような気がするのです。

少し曲のテーマも重ためで、振付もキリッとした大人な雰囲気。

まずは歌詞解説の前に、この曲のもうひとつのテーマが込められたMVをご紹介します。

ちょっと大人な表情が見られるMV

登場シーンでは、メンバー全員が黒で統一した衣装。

スタジオ入りしているような様子も見られます。

さらに、矢口真里や飯田佳織がメイクアップしている場面も。

この「黒」の衣装時は、メンバーの「舞台裏」を意味しているのでしょうか。

そして映像の中では、これまでに自身たちが発売したCDやトロフィーなどが写されます。

ここで示唆しているのは、おそらく「過去の実績」。

先代のメンバーたちが積み上げてきた栄光です。

また現メンバーたちは、煌びやかな衣装時と「黒」のスタイル時で交互に登場。

表舞台でキラキラと輝いている様子と、舞台裏で地道な努力をしている様子。

今の人気に食らいついていかなければいけないプレッシャー。

アイドルたちの笑顔の裏には、そんな不安がいつでもつきまとっているのでしょう。

それに加えて、この曲を機にグループを去る絶対的エースとの別れ。

未来への希望と焦りの間で、グラグラと揺れているような様子も見られます。

ただ、この曲でもっとも強く歌われているのは「決意」です。

「あなた」との一生を覚悟する想い。

では男女の恋愛模様にグループの様子を投影した、その歌詞を次から見ていきましょう。

夢を追う2人

今こそ立ち上がれ!

Do it!Now
あなたが持ってる 未来行きの切符
夢は叶うよ 絶対叶うから
行こう

出典: Do it! Now/作詞:つんく♂ 作曲:つんく♂

"Do it!Now"は「さあ、今こそやろう」といったところでしょうか。

ここから分かるのは、「あなた」には何か大きな目標があるということ。

まだ2人の関係性は分かりませんが、この主人公が彼の夢を応援していることは明確。

「とりあえず今の夢を信じて、前に進んでみようよ」

といったように、勇気づけている様子でしょうか。

出会った頃から変わらない気持ち

最初のデートの帰り道
口づけしたこと覚えてる
ほんの一秒たらずでも
Ah 一生忘れない

何度か歩いた商店街
ギリギリ間に合った終電車
ドキドキしたと同じ分だけ
恋に落ちて行った

出典: Do it! Now/作詞:つんく♂ 作曲:つんく♂

ここからは2人の恋する様子が描かれています。

この主人公、最初からかなり深い愛を「あなた」に向けています。

ただ一瞬のキスでさえも、忘れられない思い出になるほど。

さらにその愛は、「あなた」に会えば会うほど増していくのです。

「もう一生、あなたのそばにいたい」

そんな想いが少しずつ主人公の中で芽生え始めます。

ただ瞬間的にときめくだけの関係ではなく、生涯を共にするパートナーになりたい。

「あなた」を好きだと想う気持ちが、どんどん自分の中で膨らんでいくのです。

グループの状況と重なる?

どんな未来が訪れても
それがかなり普通でも
一歩一歩でしか
進めない人生だから
立ち止まりたくない

出典: Do it! Now/作詞:つんく♂ 作曲:つんく♂

この辺りは、MVのように「モーニング娘。そのもの」の現状と重なります。

曲中で登場する「あなた」と同様、彼女たちには大きな夢があって活動を続けている。

もしかしたら、未来は自分たちが思い描くようなものではないかもしれない。

それでも、今この瞬間にしかできないことが沢山あるのです。

この「あなた」が目指す目標のように、世の中には結果がすぐに出ないことがほとんど。

努力が実を結んでいるか、そんなことは分からなくても前に進むしかない。

いきなりゴールに辿り着く人生なんてありえないのです。

夢を追う「あなた」を、生涯かけて支えたい主人公。

どんな形であっても、絶対に諦めたくない。

この強い信念は、モーニング娘。のメンバー全員の中にもあるものでしょう。

ただのラブソングではないテーマ