中毒性抜群『シノギ(Dead Pools)』をピックアップ!
18人の声優演じるキャラクターによるラッププロジェクト。
ヒプノシスマイクは、今や様々な業界から注目を浴びる一大プロジェクトへと進化しました。
二次元コンテンツでありながらも、本気でHIP HOPをする。
そのコンセプトが非常に色濃いこのヒプノシスマイク。
ヒプノシスマイクの全ての楽曲にいえることは、耳から離れないキラーフレーズが必ず存在することではないでしょうか。
今回ご紹介する曲は、ヨコハマディビジョン代表MAD TRIGGER CREWの『シノギ(Dead Pools)』です。
この曲にもキラーフレーズが埋め込まれています。
中毒性満点、エンリピ決定の『シノギ(Dead Pools)』でハマにハマりましょう!
早速この曲の歌詞を解説していきたいと思います。
M.T.Cに見せるべき「仁義」の意味
冒頭はMAD TRIGGER CREW(以下M.T.C)のリーダー、碧棺左馬刻のソロパート!
歌というよりはまるでセリフのように、低い声で淡々と英詞を歌う碧棺左馬刻。
その様は、誰かにこの言葉を語りかけているようにも聞こえます。
めちゃくちゃクールで格好いいパートですね。
では、英語詞を和訳して左馬刻が何を歌っているのかチェックしてみます。
現状に満足していないM.T.C
Yo...We have done nothing yet.
My fellow, chicks and dicks, from Yokohama.
You'd better take attention away from all the divisions and it to us.
出典: シノギ(Dead Pools)/作詞:ALI-KICK 作曲:ALI-KICK
【和訳】
俺たちはまだ何もやっちゃいないぜ
俺の同士、野郎もオンナもヨコハマにいる奴ら全員
他所のディビジョンなんて見るな、俺たちに注目したほうがいいぜ
*
まだ何もしていない?いえいえ、だいぶ色々やっています、M.T.C。
バトルシーズンは決勝まで勝ち進み、麻天狼に負けたものの準優勝をしました。
彼らの大健闘を、多くのファンがきっと讃えたことでしょう。
ヨコハマは大騒ぎだったのではないでしょうか。しかしM.T.Cは満足していないのです。
なぜなら頂点に立つことはできなかったから。その1点に尽きます。
決勝に勝ち進んでも、そこでどれだけ白熱のバトルを繰り広げたとしても。
たった一つの優勝の称号を獲得できなければ、2位も最下位も同じ。
彼らにとっては、それは意味がないことのです。
つまり「俺たちはこんなもんじゃない」と言いたいのでしょう。
男臭い三人ですが、性別なんて関係なくヨコハマにいる人々は「同士」だと考えています。
単なる仲間ではなく同士、同じ環境に置かれている者を指します。
その頂点に君臨するのがM.T.Cなのですが、だからって「俺たちを見ろ」とはどういうことなのでしょうか。
どうすれば仁義が尽くせるのか
We're the great presence of Samatoki,Juto and Rio.
You hear?
That's a JINGI that you can show us, M.T.C.
出典: シノギ(Dead Pools)/作詞:ALI-KICK 作曲:ALI-KICK
【和訳】
左馬刻、銃兎、理鶯、俺らこそ最高
聞いてるか?
それが俺らM.T.Cに対する仁義ってやつだ
*
M.T.Cの三人はお互いを誇りに思っているのは今までの流れでよく分かっています。
そんな彼らに注目することがM.T.Cに対する「仁義」とはどういうことでしょうか。
左馬刻はヒールではない?!
今までのM.T.Cの楽曲の中で最もヒール感があるこの曲。
HIP HOPでいうところのトラップという手法が用いられています。
これによって、よりアウトロー感や只者ではない彼らのクールな印象が強くなっている曲です。
M.T.Cのトップ・オブ・ヒールの左馬刻は「仁義」についてどのように語るのでしょうか。
金は要らない、仁義をよこせ
顔で食ってる商売なんだよこちとらヤ○ザ者
生半可な気持ちで俺様に関わって てめえ泣くなよ?
ヨコハマで泳いでる ヨコハマで泳がせる
ヨコハマが俺のシノギを太らせるプールだろ
出典: シノギ(Dead Pools)/作詞:ALI-KICK 作曲:ALI-KICK
左馬刻の職業は公式サイトに記載がある通り「ヤクザ」です。
ヤクザって職業なの?!という疑問はこの曲のタイトルが解決してくれます。
シノギとは、左馬刻のような立場(ヤクザ)がお金を稼ぐ手段のこと。
彼は何らかのシノギで生活しているのです。
とはいえ、実際にシノギをしているのは彼の配下の者なのかもしれませんね。
一方で、シノギがうまく回るのは左馬刻の知名度あってこそなのでしょう。
つまり彼の顔の広さが彼の生活を支える根幹であり、配下の者の生活をも支えているのです。
どれだけ稼げるか、それは手下の働きにかかっています。
手下が動きやすいように環境を整えているのが左馬刻。つまりプールの設計者ですね。
ヨコハマで悪事に手を染めている者たちが曲がりなりにも生活できているのは、左馬刻の存在あってこそという歌詞パートです。
とはいえ、左馬刻は一朝一夕でその顔の広さを構築したわけではありません。
彼に関していえば、ヤクザの組の中でも異例の若さで出世している人間ともなっているのです。
彼がどのようにして、若き出生頭となって組で台頭することができたか。
まず1つはもちろん喧嘩の強さ、頭の回転の速さなどもあるでしょう。
しかしヤクザなんていうアウトローな集団は、それだけでは生きていけません。
彼が組で脅威の若さにも関わらず、多くの人間の信頼を集めて出世している理由。
それは紛れもなく、多くの人間との信頼や固い絆、つまり「仁義」を結んでいるからでしょう。
英語詞部分で歌われていた「仁義」がここで生きてきます。
左馬刻の顔の広さや銃兎の匙加減などによって、ヨコハマの半端者たちの生活が成り立っている現状。
お金でお礼をするなんてできるはずはありません。
ですが「俺たちをリスペクトするぐらいはできるだろう?」という意味ですね。
世話になった存在に敬意を払うこと。これが左馬刻が歌う「仁義」なのでしょう。
きっと彼もまたそのように、自身がお世話になった人間にこれまで最大限の敬意を払ったからこそ。
ここまでの若さで、組の上層部に上り詰めているのです。