こちらは2番のサビの歌詞です。
「夢」を誰もいないグラウンドで語り合っていたであろうことは、上で書きました。
その約束を果たすとき、すなわち再び桜の木の下であるその時まで。
あきらめないでいてという願いが叫ばれています。
夢を追うことは辛いものです。
それはお花畑の綺麗な花よりも辛く険しい道のりかもしれません。
何故なら、誰も見ていないからです。
成功や名声を追い求めず、自分の中の花を育てる。
誰かが見ている、見ていないで物事を決めない。
だったら、花畑の花たちのようにたっぷり水を与えられ、手入れされる方が楽かもしれません。
夢を追うとはそういうこと。
しかしながら、だからこそ夢は素敵なのではないでしょうか。
野に咲くという生き方が自分を強くしてくれるのです。
そして、印象的なのはこの歌詞の後半部分。
自分を「名もない」存在であるといっています。
この曲で、花と呼んでいるもの。
それはすなわち「夢」のことではないでしょうか。
あるいは夢を追い求める心。
少なくとも成し遂げた偉業、実績を「花」とは呼んでいない。
若く、野望を持った青い心の少年少女は皆「花」なのです。
新しい日々へ
いつもの光景は…
通い慣れたこの道も教室から見える景色も
「いつまでも忘れないよ」と涙浮かべた
君の笑顔も
出典: 野に咲く花のように/作詞:GACKT 作曲:GACKT
こちらは2番のAメロの歌詞です。
2番では卒業の光景が鮮明に描写されています。
いつも通っていた通学路とは、いつまでも懐かしいものです。
電車で通学していようと、自転車で通学していようと、何年も通り続けているからです。
そして、授業がつまらない時にふと見た窓の風景も忘れられません。
そう、卒業の時とは、あたりまえがあたりまえでなくなるとき。
いつもの光景とお別れするときです。
親友の笑顔とも、きっとお別れになってしまうのです。
それぞれの道を歩く
いつも見慣れた夕暮れが 桜並木を染めていく
僕たちはそれぞれの思い出を胸に抱いて
歩き始める
出典: 野に咲く花のように/作詞:GACKT 作曲:GACKT
こちらは2番のBメロ。
この部分の歌詞は、なんというかとても美しいですね。
そして対比が素晴らしいです。
毎日背中を照らしていた「夕暮れ」が、別れ・始まりの象徴「桜並木」を照らす。
「過去」の思い出を胸に歩いていく方向は「未来」。
学生生活で得た思い出は人それぞれでしょう。
共にした仲間が多い人もいれば、少ない人もいる。
楽しかったという人もいれば、そうでもなかったという人もいる。
いずれにせよ、これからも別々の思い出を作っていくのです。
歩いていく未来を予感させるという巧みな表現ですね。
幸せになれる生き方
自分を振り返れる日まで
いつの日か歩いてきた道を
振り返る時が来るまで
野に咲いた花のように
決して負けずに強く咲きたい
出典: 野に咲く花のように/作詞:GACKT 作曲:GACKT
最後の大サビの歌詞です。
ここに、この曲のまとめがしてあります。
それは、「野に咲くという生き方」がいかなるものか、ということです。
「ふと、自分の人生を振り返る時まで」とありますね。
それはいったいどういうことでしょう。
それはきっと誰にでも来るのだと思います。
幾つか年をとって、ふと、自分の人生の価値について考える時間。
この世に自分が与えた影響を考える時間。
この答えが、「幸せとは何か」にもつながってくるのです。
ふと振り返った時、絶対夢を諦めていたら後悔する。
だから、はっと我に帰ったその時、「いい人生だった」と思える。
そんな人になりたいといっているのではないでしょうか。
そして、人生を振り返る時が来るまでがむしゃらにのに咲いていようという決意。
これを表現しているのではないでしょうか。
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終わりに
いかがでしたでしょうか。
この曲が提示する「強い生き方」を理解していただけたでしょうか。
「野に咲く花のように」がここまで人気の理由。
それは、卒業という変わり目に「変わらないもの」を教えてくれているからでしょう。
決して諦めない、夢を追うのをやめないでいよう。
そう決意できたならば、きっと野に咲いた花でいられるでしょう。