喜怒哀楽で染まる 僕の生き方すべてが
君の人生の道しるべになれるように
そしていつの日にか 幸せを見つけた時
この想いが 君の心に そっと咲いて欲しい
きっと咲いていて欲しい
出典: ラストシーン/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
父親としての想いが凝縮されたフレーズが続きます。
毎日の生活というのは決して楽しいことばかりではありません。
仕事や人間関係で思い悩むこともあれば、裏切りや欺瞞に怒り狂うこともあります。
大事な親友を失い哀しみに打ちひしがれ、床を叩きながら惨めに泣きじゃくることもあります。
その時々に最善と思う判断、行動をしてきたつもりです。
そして、これからも思い惑いながらも皆が幸せになれるような判断・選択をしていくでしょう。
そうした判断のすべてが正しかったかと言えば、そうではないだろうと思います。
ただ、批判も含めて、父親としての僕の判断なり行動なりが、参考になればいいと思います。
君が、同じような喜怒哀楽の場面に直面した時に。
そうして判断した結果、君が幸福だと感じた時に、父のことを想い出してくれたらとても嬉しいです。
「萎れたままで放っておいた夢」のようにここでも植物の生長になぞらえて表現されています。
心に咲く花は、父親の子供への想い、願いであると同時に父からの祝福でもあります。
バラードを響かせる歌詞の構造
スキマスイッチのバラードの歌詞は、理解ではなく心に直接響きます。
なぜ、こんなにも心の襞をざわざわとかき立てるのでしょうか?
これは歌詞を俯瞰して眺めわたすと次第にその構造が明らかになってきます。
耳から入る語音を順番に理解しイメージしていく重層的なレイヤーがまず作られます。
「僕の隣」、「優しい吐息」、「愛しさが募る」。
そうして最後に膨らんだ漠然としたイメージに「解」が与えられます。
「確かなぬくもり」。
語の連なりでイメージが次第に明確になり、そこに、やっぱりそうなんだという「解」を置く。
歌詞のパラグラフの一つ一つを「イメージの重なり」と「解」から構成。
そして歌詞全体がイメージの集合体となった時の、「解」としての「タイトル」。
作詞の定石と言えばそうなのかもしれませんが、その構造はとても緻密です。
そうした生理的に理解しやすい構造により、「脳」ではなく「心」にストンと落ちるのです。
連想語の連なり(=伏線)と帰結としての「解」という反復が、メロディーと相乗して大きな振幅を生みます。
スキマのバラードとしての名曲「奏」や「さいごのひ」も同様な構造です。
スキマの由来は「隙間」とのことですが、schema(スキーマ)かと思うくらいにきれいな構造です。
最後に
父と子供の関係
父親の視点に立った歌詞解説、いかがでしたでしょうか。
実際の父親というものは、頑固で、癇癪持ちで、家族の中でも厄介な存在だったりします。
というか、余程のファザコンでも無い限り、父親を誇りに思う人などそういないのではないでしょうか。
だからこそ、誕生したばかりの子供への想いと期待、愛情で一杯のこの曲をもう一度聴いて欲しいです。
おそらくはこの曲の父親と同じように、あなたに頬ずりし、注げるだけの愛情を注いだに違いないのですから。
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解説や解釈により新しい発見が生まれ、楽曲を聴いての感動がより深いものになることでしょう。
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