自分らしくいるために
もう誰も傷付けない
強く強くなりたいんだよ
僕が僕でいられるように
出典: 怪物/作詞:Ayase 作曲:Ayase
主人公はおそらく、これまでこの嘘だらけの世界で誰かを傷つけてしまうことがあったのでしょう。
そのことを強く後悔しているように感じられます。
これまでの自分は、周りの流されてしまっていたこともあったのでしょう。
しかし、周りに流されてばかりでは自分の意思や思いはどこにあるのか分からなくなってしまうものです。
それは自分がなくなって、無個性な状態だったのではないかと読み取れます。
主人公は自分がそうなってしまっていたことを自覚し、その状態からぬけだそうとしているのでしょう。
もがいても変わらない世界
変わろうとしない世界
素晴らしき世界は今日も安泰
街に渦巻く悪い話も
知らない知らないフリして目を逸らした
正気の沙汰じゃないな
出典: 怪物/作詞:Ayase 作曲:Ayase
2番の歌詞です。
主人公がどれだけ嫌っていても世界はそう簡単には変わりません。
今日もあいかわらず偽りと見せかけだけの日常が続いています。
この世界では世界の中に闇が潜んでいても知らない振りをすれば変わらない日常が送れるのでしょう。
誰もが知らない振りをして、その闇に触れようとはしません。
主人公にとってそれは考えることを放棄した愚かな行為に見えているのだろうと読み取れます。
消えない世界の闇
真面目に着飾った行進
鳴らす足音が弾む行き先は
消えない消えない味が染み付いている
裏側の世界
出典: 怪物/作詞:Ayase 作曲:Ayase
世界に潜む闇を知らない振りをして、着飾った人々が街を闊歩しているのでしょう。
それを横目に主人公はどこかに向かっています。
それは多くの人が見ない振りをしている世界の闇の中です。
そこには本能でも抗えない、忘れることのできない魅惑的なものが溢れているのでしょう。
MVでは主人公のオオカミが草食動物の肉を売っている闇市へと向かっています。
この世界の闇に正面から立ち向かおうとしているようです。
正義とは何か
何が正しいのか
清く正しく生きること
誰も悲しませずに生きること
はみ出さず真っ直ぐに生きること
それが間違わないで生きること?
出典: 怪物/作詞:Ayase 作曲:Ayase
ここでは主人公の葛藤が描かれています。
この世界では世界が見て見ぬ振りをしている闇をこのまま知らない振りをすることが正しい行為です。
知らない振りをしていれば、見せかけであっても安定した日々が続いていくのでしょう。
そもそも誰もが知らない振りをしていることを指摘して問題にするのは世界のルールから外れた行為です。
世界の求める正しさと、自分の思う正しさの違いへの葛藤が感じられます。
原作でいえば、オオカミには仲の良いウサギがおり、ウサギのことを大切に思っています。
しかしこのままずっと一緒にいれば、いつか本能に抗えずに傷つけてしまうかもしれません。
それならばウサギと距離を置けば良いかもしれませんが、それは自分の気持ちをおさえつけることになります。
自分の本能と気持ちを常におさえつけることは、ありのままの自分をおさえるけることです。
ウサギのことは心から大切だけれど、ウサギを守るためには自分がありのままではいられません。
それは本当に正しいことなのかという葛藤があるのです。
正解を求めて
ありのまま生きることが正義か
騙し騙し生きるのは正義か
僕の在るべき姿とはなんだ
本当の僕は何者なんだ
教えてくれよ
教えてくれよ
出典: 怪物/作詞:Ayase 作曲:Ayase
自分の思い通り、気持ちのままに生きるならば、自分は自分らしく生きることができます。
しかしありのままでいては誰かを傷つけることになるかもしれません。
それが正しいとは主人公は思っていないのでしょう。
自分はどうあるべきなのか、どう振る舞うのが正解なのか、主人公は葛藤しているようです。