私たちは誰もが一人で生まれてきます。
夢も希望も大切な人も何も持ち合わせず、たった一人で。
そこから自分を想う誰かに名前を与えられ、いつしか色々なモノを得ていきます。
それは喜ばしいことですが、それと引き換えに一人では生きることができなくなってしまうでしょう。
「始まり」は何かの「終わり」で「終わり」は何かの「始まり」。
大切なモノを得ることは、それを失う可能性を一挙に引き受けることなのです。
すぐに崩れてしまうから
形のない愛
掴める 掴めない 愛情に実体(かたち)は無い
だけどどうにも忘れられない 安らぎと温もり
出典: さいごのひ/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
人から受ける優しさや自分に対する愛情。これらは全て目に見えません。
だから、それが“真”なのかは誰にも判断することができないのです。
もしかしたら嘘の優しさかもしれない。
愛情も見せかけかもしれない。
一度疑ってしまうとキリがなくなってしまいます。
それでも人は、その優しさと愛情に助けられて生きています。
だからこそ「信じたい」「信じよう」と思えるのです。
失恋したとしても忘れられないなら尚更、その目に見えないモノは大きかったのでしょう。
何のために生きているか
人の命は儚くて それ以上に心なんて脆い
だからこそ僕らはきっと 希望にしがみついて生きている
出典: さいごのひ/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
命が終わること、自分の心が壊れてしまうこと…。
それは一度想像するだけで、ブラックホールに呑み込まれてしまうような恐怖に襲われます。
その恐怖を表面化させないように、私たちは何かで毎日を誤魔化しているのかもしれません。
例えば誰かと一緒に笑ったり、抱きしめ合ったり、夢に向かって走ったり。
その場しのぎではあっても、私たちはそうしていなければ立っていられないのです。
そう思うと、私たち人間は互いに互いの心を支え合っているとも考えられます。
しかし、自分の心を支えてくれていた相手がいなくなったら急に心の糸が切れてしまうでしょう。
だから失恋は苦しいのです。
伝えたい気持ち
今日も 昨日より 君を想ったよ
言葉はありきたりでも 込めた願いは 確か
暗がりの中浮かべた 痛みと 記憶は
美しく色をつけながら 思い出にすりかわる
出典: さいごのひ/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
「思い出は美しい」という言葉を聞いたことはありませんか?
傷つけたり、傷つけあったり…。
当時はものすごく嫌な思いをしたはずなのに、振り返れば愛おしい記憶。
そんな時に人は、「もう一度あの頃に戻りたい」という願いを持ちます。
けれど、そう思った時にはすでに遅かったということが現実。
悲しいことも嬉しいことも引っくるめて毎日の日々を大切にできたらどんなに良いでしょう。
忘れたくないと思っていても、全ては思い出に変わってしまうのです。
もしこの世がおわったら
見ているモノ
カーペットの上 横になって目をつむり
それでも手を伸ばして あの暖かい光にまだ触れようとする
さいごのひが消える時に人は
いったい何色の世界を見て 誰を想うの?
どうして僕には、君しかいないんだろう
出典: さいごのひ/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
この世が終わるとしたら、一番さいごは誰に会いたいですか?
そんな質問をされて、真っ先に思い浮かべる相手はあなたにとって一番大切な人であるはず。
しかし、その相手が同じ質問をされた時に思い浮かべる人が自分であるという保証はありません。
その事実は誰もが知っているけれど、片思いの時には余計に実感してしまいます。
苦しくて、やり切れなくて、悔しくて…。
そんなもどかしさが歌詞から伝わってくるようです。