出だしはいきなり英語の「オサレなフレーズ」。

直訳すると「吸い上げる」という意味になる「pump it up!」。これはネイティブが使うスラングです。

ミュージシャンがライブの煽りで「気合い入れていこうぜ~」的な感じで使ったり。

ノリとしては「アゲアゲ~」ってな調子ですかね。

また筋肉を鍛えるパンプアップつまりワークアウトや膨らむが転じて元気になるという意味も。

ただこの楽曲では「オサレなフレーズ」に男性がとまどっているのでどうやら女性の発言のよう。

今夜は誘ってくれてありがとう。盛り上がっちゃおうね」と言われた感じでしょうか。

しかもお相手の女性は今までより美しく見え、まるで「違った世界」にいるみたいだとか。

男性の恋愛感情は最高潮に高まり、まさに歴史的な革命前夜みたいであるというわけですね。

革命前夜の話

君をジャックするとは?

【革命前夜/Tempalay】歌詞に込められた意味を徹底解説!告白を決意した男の結末とは?!の画像

君をジャックしてしまいたい
惑星の片隅に
月にタッチして眺めたい
革命前夜の話

出典: 革命前夜/作詞:小原綾斗 作曲:小原綾斗

続いて印象的なサビです。「ジャックする」というのは和製英語。

ハイジャックやバスジャックが転じて「乗っ取る、占拠する、支配する」という意味ですね。

あるいはフランス革命で市民がバスティーユを占拠したくらいの勢いで女性とつきあいたい

そんな意味も込められているかもしれません。何しろ「革命前夜」ですので。

タイトルと印象的なサビの1フレーズだけでピークに達した恋愛感情の熱量が伝わってきます。

惑星の片隅とは?

そして「惑星の片隅に」と続きます。

ようこそサイケデリックポップの世界へ。という展開ですね。

惑星とは太陽のまわりを回る「水金地火木土天海冥」のこと。

月は地球という惑星のまわりを回る衛星です。

惑星の片隅くらい誰もいない遠くに君を連れていって独り占めにしたい

それほどの独占欲というか恋愛感情が表現されているようです。

月にタッチする?

惑星の片隅に連れていかれたので今度は月まで飛ぶの?宇宙遊泳?

という気がしないでもありませんが、月は女性の象徴でもあります。

ともあれタッチしたり眺めたりしたいのでしょう。

何しろ恋愛感情マックスの「革命前夜の話」ですので。

せっかくサイケポップの世界へと誘われているのに具体的に解釈すると身も蓋もありませんが。

いや「アポロ11号の月面着陸」がテーマだから下世話な深読みしすぎでしょ。

そういう考え方もあります。むしろ月面着陸が正解です。

いざ告白!革命の朝へ

SOSを発信=告白

【革命前夜/Tempalay】歌詞に込められた意味を徹底解説!告白を決意した男の結末とは?!の画像

SOS 応答せよ あと少しで飛び立つロケットに乗り
銀河のはしっこ 昨日までのぼくもしばしお別れの時

出典: 革命前夜/作詞:小原綾斗 作曲:小原綾斗

メッセージや感情をそのまま歌詞にはしないというTempalayの小原綾斗さん。

革命やジャックといったメッセージ性の強い言葉では高まる恋愛感情が表現されていました。

ではサイケデリックな宇宙へ飛んだのはどういうこと?告白前夜の展開が気になりますよね。

2番の冒頭ではSOSを発信しています。

SOSとは避難信号のこと。宇宙飛行中に「助けてほしい」と応答を求めたことになります。

いや宇宙飛行に例えられても意味がわからないんですけど……という人もいるかもしれません。

宇宙飛行とは革命前夜のデートのことですね。

「SOS 応答せよ」は「君のことが大好きすぎて助けが必要なほどだから答えて!」。

つまり男性がいよいよ告白したと解釈できるでしょう。

昨日までのぼくはどこへ?

なぜデートが宇宙飛行に例えられたのか?

この答えはロケットや銀河の登場でわかるでしょう。

地球などの惑星からなる太陽系は銀河系(天の川銀河)に含まれます。

要するに「惑星の片隅」よりも「銀河のはしっこ」のほうがはるかに遠いんですね。

告白した結果さらに遠くへ飛び「昨日までのぼく」とは「お別れ」になりました。

さて「昨日までのぼく」はどこへいったのでしょうか?

絶滅危惧種の君

君をジャックしてしまいたい
絶滅危惧種の君を
月にタッチして眺めたい
革命の朝がくるね

出典: 革命前夜/作詞:小原綾斗 作曲:小原綾斗