ELLEGARDENの「高架線」とは?

「高架線」は、2006年にリリースされた、11月8日ELLEGARDENの5作目のアルバム、『ELEVEN FIRE CRACKERS』(イレヴン・ファイヤー・クラッカーズ)に収録されている楽曲です。

ニット帽を被った少年のようなキャラクターが周りの人々には目もくれず、ただ前だけを見つめて歩き続ける手描きのMVが作成され、多くの人に届いた名曲でもあります。

歌詞に出てくる"Laura"って誰!?その真相とは...!?

「Her name is Laura」という言葉で歌詞を締めくくっているため、"Laura"が誰なのか気になりますよね?

正直公式の見解があるわけではないため、正確な答えは出せない状態ですが、今のところ、ELLEGARDENのボーカル兼ギターであり、「高架線」を含むほとんどの曲の作詞作曲も担当している細美武士さんに影響を与えているとされるイギリスのロックバンドであるFeederの「Seven Days In The Sun」にそのヒントがあるというのが有力な説です。

つまり、「Seven Days In The Sun」にも"Laura"という名前が出てくることから、この"Laura"という名前は、人ではなくて、この「Seven Days In The Sun」という曲自体を指しているのではないかということなのです。

そうだとすると、曲中に出てくる「I am dreaming of a girl rocked my world」という歌詞も、俺の世界を揺さぶったあの曲が今も夢に出てくるというような訳ができますね。

自分が震撼した「Seven Days In The Sun」という曲が、夢に出てくるくらい耳に焼き付いているということです。

では、このように"Laura"の意味を捉えるとしたら、この「高架線」という曲の歌詞解釈はどうなるのでしょうか。

歌詞を解釈してみます。

ELLEGARDENの「高架線」を歌詞解釈!

この曲に出てくる"a girl "、そして"Laura"という名前は、人ではなくて、この「Seven Days In The Sun」という曲自体を指しているのではないかという仮説を元に、「高架線」を解釈すると、この時期のELLEGARDEN、そして細美武士さんの心境が窺えるような一面も見えてきました。

公式見解ではないため、正しいとは限りませんので、こういう解釈もあるという感じで読んでいただけると幸いです。

掴みかけた未来も思い出も捨てた、これからの長い道のりを思えば荷物は少ない方がいい

ほんの少し前に手に入れたような未来を
思い出と一緒に丸めて投げ捨てた
まだ先は長いよ 荷物はもういいよ

出典: https://twitter.com/mimic_mask/status/929758660300959744

「未来」を「ほんの少し前に手に入れ」ながらも、「思い出と一緒に丸めて投げ捨てた」という歌詞。

バンドとして人気を得て、今が絶頂のように思われていても、自分の人生や、バンドメンバーの人生という視点で見ると「まだ先は長い」ため、自分たちが思うような音楽が作れないなら、ただプレッシャーを生む「荷物」のような名声はは「もういいよ」執着しないということを言っているのかもしれませんね。

では、そんな風に思うようになったきっかけとは?

次の歌詞を見てみましょう。

俺の世界を揺さぶったあの音楽が耳から離れない

I am dreaming of a girl rocked my world
南北へ続く高架線
この先にはきっとあるとささやいてる

出典: https://twitter.com/mi_chan_ehm/status/928593095981223936

(今でも俺の世界を揺さぶったあの女の子(が出てくる曲)が今も夢に出てくる")

"Laura"という名前は、人ではなくて、この「Seven Days In The Sun」という曲自体という解釈を採用すると、手に入れた未来を全て投げ捨てても仕切り直したかったのは、自分を震撼させた「Seven Days In The Sun」が今も夢に出てくるくらい耳に残っているからだったのですね。

「Seven Days In The Sun」はFeederのバンドとしての音楽を体現したばかりでなく、「グランツーリスモ3 A-spec」で使用され、世界的に人気が爆発した楽曲でもあります。

そんな姿を見て、自分の今の音楽はゴールではなく、どこまでも続く「高架線」のように「この先にはきっとある」と感じたのでしょうか。

「ささやいてる」という言葉は、「女の子」らしさを出しているのでしょうが、この曲にまだまだ先は長い、こんなところで止まるわけにはいかないと思い知らされたというように取れますね。

俺を揺さぶるような音楽をくれた「あなた」は、強いから心配はしていないけど

ゆっくりと傾く 足元に気つけて
思うよりあなたは ずっと強いからね

耳鳴りがやまないな
君の声がまだ聞こえるよ

出典: https://twitter.com/ELLETAKE06/status/838026354004115457

「ゆっくりと傾く 足元に気つけて」という歌詞は、どんなに登りつめても栄光にはいつかは翳りが生まれることもあるということなのでしょう。

しかし、「思うよりあなたは ずっと強いからね」というのは、そうやって緩やかに人気が降下していったとしても、心が強いから心配していないということなのでしょう。

この歌詞も、2001年のヒットからたった一年後、Feederのドラムのジョンが自殺してしまい、一度は悲しみにくれたメンバーたちでしたが、活動は続けると決意し、バンド最高のヒット作4thアルバム「コンフォート・イン・サウンド(Comfort in Sound)」を生み出したという姿に対して歌っているようにも聴こえますね。

「耳鳴りがやまないな君の声がまだ聞こえるよ」という歌詞も、「君の声」ということで、女の子のことを歌っているように見せながら、「Seven Days In The Sun」がリリースされてから5年経った今でも、まだその曲が聴こえるようだといっているのかもしれません。