「ジターバグ」について
収録CD
この曲は、2003年7月2日に発売されたエルレの2ndアルバム『BRING YOUR BOARD』の3曲目に収録された楽曲です。
同年の11月12日には、2ndアルバムからシングルリカットされて発売されます。
「ジターバグ」のリカットは、ボーカルの細美武士が人生で一番頑張ったと自画自賛する2ndアルバムを、もっと色んな人に聴いて欲しいという気持ちから行われたそうです。
シングルのカップリングには「New Year's Day」と「Cakes And Ale Everlasting Laugh」、そしてボーナストラックとして2003年9月20日に、渋谷クラブクアトロにて行われたライブの音源「サンタクロース」が収録されています。
どんな曲?
この曲は、作詞作曲を担当しているボーカル細美武士が、初めて真剣に日本語と向き合った曲です。
それまでのエルレの曲は基本的に英語で歌われていましたが、「ジターバグ」以降日本語で歌われることも多くなりました。
それまでが英語だったこともあり、当時のファンの間では賛否が分かれましたが、日本語を歌うことによって歌詞の内容がより視聴者に届くようになり、それまで以上に細美の伝えたかった事が伝わるようになったのは間違いありません。
実際この曲の人気は非常に高く、「エルレと言えばこの曲!」と言われるほどの代表曲となっています。
まさに、エルレの音楽の転換期となった曲と言えるでしょう。
歌詞に迫る
「また拾い集めりゃいいさ」
たった一つのことが
今を迷わせてるんだ
数え切れない程なくして
また拾い集めりゃいいさ
出典: https://twitter.com/hougaku_2015/status/923360577346445312
曲の冒頭で歌われる歌詞。
何か順調に事が進んでいても、何か一つ重大な問題を抱えるとどうしても悩んでしまうもの。
そんな時は、一度すべてを投げ出して、また一つずつ大事なものを集めていけばいいじゃないかという意味だと考えられますね。
くよくよ悩んでないで、盛大に行こうぜ!という勢いを感じる歌詞です。
遠回りする度に見えてきたこともあって 早くつくことが全てと僕には思えなかった 間違ったことがいつか君を救うから 数え切れないほど無くしてまた拾い集めりゃいいさ
出典: https://twitter.com/hougaku_2015/status/923360577346445312
Aメロの歌詞です。
目的を達成することは大切なことではありますが、その途中の寄り道でも新しく得られることもあります。
どこかに旅行に行った際でも、目的地に行くまでの道のりやちょっと外れた寄り道で、パンフレットには載っていないような新たな発見をすることがありますよね。時には、寄り道をしたときの方が楽しい経験をしたという人も多いはずです。
そんな感じで、最短ではない間違った道が、本筋よりも素敵な経験となることもあるという意味が込められたと考えられる歌詞です。
「君の声」
一切の情熱が
かき消されそうなときには
いつだって君の声が
この暗闇を切り裂いてくれてる
いつかそんな言葉が
僕のものになりますように
そうなりますように
出典: https://twitter.com/lukesky43/status/901056801877008384
Bメロ~サビの歌詞。
冒頭で歌われる迷いによって自分が持っている情熱を消されそうな時には、いつも「君の声」が助けてくれる、という意味だと考えられます。
それでは、ここでいう「君の声」とは誰の声なのでしょうか?
単純に考えると第3者の声なので、「僕」にとっての大切な人、つまり親友や恋人であると考えるのが妥当でしょう。
しかし、この「ジターバグ」は細美自身が日本語と向き合いかなり力を入れて作った曲。その点を考えると、ここでいう「君の声」は、細見自身が理想とする自分自身の姿と考えられるのではないでしょうか。
初めての日本語での曲ということで、彼自身多くの迷いがあったに違いありません。その迷いで情熱をかき消されそうになった時もあったはずです。
しかし、そんな中でこの曲を作り上げることが出来たのは、彼が理想とする「君」が、遠くから声をかけ続けてくれたからなのです。
そんな迷いをかき消してくれる「君=理想の自分の声」が、いつか本当に自分のものとなるように、そんな願いが込められているのではないでしょうか。
自分の信じる道を突き進む
目を閉じて指先に意識を集めて
確かめる足元
出典: https://twitter.com/colza610/status/876801032507883522
自分の信じる道を、目を閉じ足元に集中して確実に歩んでいく。
この短いCメロの歌詞にはそんな熱い感情が込められているように感じます。
周りがなんと言おうが、自分の道を突き進んでいく覚悟を感じますね。