父親は、父親らしく息子に厳しく接するのがセオリー、そんな世の中です。
静かに説得すればいい場面でわざと声を張り上げてみたり、心配なのに無表情を決め込んだり。
これは必ずしも遠回りではなく、考える時間を与えることで思いもよらぬ気づきを得るチャンスになります。
本当は向かい合ってじっくりと話がしたいと思っても、気恥ずかしさを感じてしまうのが父と息子。
だから少し態度を変えたりしながら、息子へ思いを届けようとします。
しかしそれはある意味父親のエゴかもしれません。息子にはうまく伝わらないのです。
ただの厳しい父親、口うるさい父親、寡黙過ぎる父親。そんなふうに勘違いされることも。
伝えようとするたびに溝が深まり、時間が過ぎていきます。
父親と息子という関係は永遠ですが、「息子に背中を見せていられる時間」には限りがあります。
高橋優が「すり減る」という言葉を用いた理由はここにあるのでしょう。
悪役レスラーに転身した父親は、こんな自分でも息子に伝えられるものはないのか、探していました。
結局探しものは見つからず、今の自分の立場を否定されてしまったのです。
自分とは違う1人の人間としての息子
ありがとう
この世界に君という人が
生まれてきてくれたこと
ありがとう
そして今ここに
君と僕とでいられるということ
出典: ありがとう/作詞:高橋優 作曲:高橋優
伝えたいことがうまく届かず、安定しない父親と息子の関係。
息子は父親の態度に怒りをぶつけるかもしれません。口論になるかもしれません。
映画では、父親の職業を知った息子が「嫌いだ」と叫びました。
息子の中に理想の父親像があり、父親に求めるものがあるからこそ、ぶつかり合うのだと考えます。
つまり、息子は父親を目標としているのです。父親にとって、これほど嬉しいことはありません。
サビの「ありがとう」は、自分の背中を追ってくれる息子に向けての「ありがとう」だと解釈しました。
自分の元に生まれ、自分とは異なる意思を持つ1人の人間として成長してくれたことにも感謝しています。
これは当たり前のことでありながら、簡単なことではありません。
「有り難う」と漢字で表すと、この曲の歌詞が一層深いものになります。
どんな幸せにも敵わない「君」
ずっと前から描いてきた夢を
叶えた僕じゃないとしても
君と巡り会えた僕は
どんな未来より幸せだよ きっと
出典: ありがとう/作詞:高橋優 作曲:高橋優
幼い頃に描いた将来の夢を、叶えられる人は多くありません。
「パパは小さい頃何になりたかったの?」という問いに「宇宙飛行士」と答えるパパ。
しかし子どもは「でも会社で働く人になったんだね」と残念そうな顔。
父親としては、少し情けないような気もします。
息子に向ける「夢を持て」「夢を叶えろ」という言葉が説得力を持ちません。
でも、夢が叶わなくても幸せだ、と胸を張って言えるでしょう。
なぜなら「君」が「僕」のもとに生まれてきてくれたから。
これから先に訪れる未来、運や努力でとんでもない幸せが訪れるかもしれません。
宝くじで1等を当てるかもしれませんし、トントン拍子で昇進して偉くなるかもしれません。
でも、どんなに満たされる未来が訪れようとも「君」の存在には敵わないのです。
「僕」に出会ってくれた「君」にありがとう。
「僕」に出会ってくれた「君」は有り難い存在。
そんな歌詞だと読み取りました。
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