滲む視界夢中で走る僕らは
歴代稀に見る震撼必須の
「未解決事件」

出典: 恋する完全犯罪/作詞:HISASHI 作曲:HISASHI

疾走感のあるサウンドでストーリーはひとつの山場に突入します。

震撼しているのは「不安」のためか「恐れ」のためか、それとも両方入り混じった「期待」によるものなのか……。

歌の冒頭に登場する計算式がここにかかってくるのではないでしょうか。

前代未聞の出来事は予測するしかありません。

こうなるだろうと計算することでしか想像できないのです。

この事件が向かう先が気になります。

みさこの演技に注目

恋する完全犯罪(バンドじゃないもん!)はHISASHIがプロデュースした曲!気になるMV&歌詞を紹介の画像

私悲しい風に吹かれ記憶遠いメモリー
迂闊だったのは君のせいね
ひどく疲れたのもう眠る夢の中で逢おう
恋する完全犯罪

出典: 恋する完全犯罪/作詞:HISASHI 作曲:HISASHI

「夢の中で逢おう」のカットで幽霊になってしまった鈴姫みさこの姿が……可愛い!

しかし歌詞の方は完全犯罪を成し遂げたのに、どこか虚しさのようなものが漂っています。

アリバイが崩され大きな何かが動き出す気配があります。

「恋の精神鑑定 取り付く島もない
ケレン味のかけらも無いつり目女
史実をもとに人を裁け 秩序も覆せばいい
覚めない夢の中で」

出典: 恋する完全犯罪/作詞:HISASHI 作曲:HISASHI

「ケレン味」とはハッタリを利かすとか奇抜なという意味があります。

「ケレン味が無い」ということはつまり、ハッタリやごまかしなど一切ないということです。

精神鑑定を受けるほど異常な状態にも関わらず、平然とした表情というのは違和感の塊でしかありません。

普通はやましい事があれば動揺したり、何かしら表情に出てしまうものですがそれがないのです。

要するに本当に狂ってしまったということなのでしょうか。

狂ってしまえば、何が正しくて何が間違っているかなど判断できません。

自分の信じたことだけが真実なのです。

自分以外誰も理解してくれない世界で生きている、本当の狂気が始まりました。

深呼吸1つ2つ3つ目が合図
恋の魔法侵すくらい 大袈裟ね
昨日の犯行予告ガセじゃない
軽い罪悪感なんて噛み殺してやる

出典: 恋する完全犯罪/作詞:HISASHI 作曲:HISASHI

そしてこの歌詞に続きます。

より加速する狂気をはらんだ恋に溺れる様子を歌っています。

冷静さを忘れて自分の信じる道だけを進む。

これはすべての恋に共通する部分ではないでしょうか。

度合いが違うだけで、どこかが狂っていないと恋愛なんてできません。

プラトニックなだけでない、本能をむき出しにする狂気といつでも紙一重です。

月明かりを浴びながら苦悩の叫び

ビルの隙間月明かりに導かれ
扉の先後戻り出来ない
(戻れない)
たとえ終わりの始まりだとしても
後悔も悔いも何も残らない
「でも嘘じゃないもん!」

出典: 恋する完全犯罪/作詞:HISASHI 作曲:HISASHI

ビル越しに見る月は暗いし周囲は影に囲まれています。

光線は暗い場所からしか辿れませんから、すでに暗闇の中に落ちてしまっているのです。

好転の兆しとも読み取れますが、むしろその逆で最悪の結末へ向かおうとしています。

暗闇から抜け出せないほどの過ちを犯してしまえば誰でも後悔してしまいます。

それなのに最後の叫びがあるのは他の誰でもない自分に向けられたものなのでしょう。

間違っているのに間違ってはいないと自分に言い聞かせる切実さ、痛々しさが感じられるワンフレーズです。

不思議ね首筋伝う熱い流れ意識眩暈
彼の方が上手だったみたいね
でもこれで貴方の人生のページに残るの
それだけでいいの

出典: 恋する完全犯罪/作詞:HISASHI 作曲:HISASHI

手に入れたい想いが暴走するあまり取り返しのつかないことをしてしまいました。

彼の方が上手だったということは、計画は完遂されなかったのでしょう。

サビのフレーズに注目!

ここで改めてサビ部分に注目してみます。

アリバイは彼に見抜かれ崩されてしまった。

そういう目線で見ると、この歌詞に含みを感じます。

記憶には残っても彼と一緒に過ごすことは叶わない。

でも夢の中で一緒にいるなら現実とは違って、彼から排除されることもありません。

そこでようやく完全犯罪、つまり永遠に終わることのない恋が成就するのです。

衝撃の結末

「恋の進行形 グロテスクに変形
何度も同じこと聞くつり目女
未熟なリテラシーで僕を 机上の物差しで僕は
図られがんじがらめ」

出典: 恋する完全犯罪/作詞:HISASHI 作曲:HISASHI

純粋さが過ぎたあまりの過ちでした。

ケレン味がなかったはずの女も、ついに内に秘めた狂気を剥き出しにした化物となりました。

紙一重を越えてしまえばそれは理性でコントロールできる恋愛ではありません。

あとは自分にしか見えない虚像の中で踊り続けるだけなのです。

そしてMVは、衝撃の事実が明らかとなりますので要チェックです!