「monochrome rainbow」とTommy heavenly6

CD全盛時代の1997年にロックバンドthe brilliant green(ザ・ブリリアント・グリーン)のヴォーカリストとしてデビューした川瀬智子がソロプロジェクトを開始したのは2001年のことでした。

バンドとしてのthe brilliant green、そして、ソロプロジェクトとして、ポップなTommy february6とヘヴィーでダークなTommy heavenly6

3つカラーを使い分ける川瀬智子ですが、今回取り上げる「monochrome rainbow」はTommy heavenly6としての楽曲です。

「monochrome rainbow」のPVはYouTubeにアップされていますので、さっそく聴いてみましょう。

monochrome rainbowがリリースされた時代

「monochrome rainbow」がリリースされたのは2011年10月です。

Tommy heavenly6としては2008年の12月にリリースされた「PAPERMOON」以来のシングルで、約3年ぶりの再始動ということになります。

約3年の活動休止期間においては、2009年5月31日に大手事務所との契約終了や、レコード会社の移籍などの出来事がありましたので、ファンにとっては待ちに待ったリリースとなりました。

また、2011年と言えば東北を中心とする東日本大震災があった年です。

つまり、「monochrome rainbow」は震災を挟んでのTommy heavenly6復帰作でもあるわけです。

【monochrome rainbow/Tommy heavenly6】再始動シングルの歌詞を考察!の画像

「バクマン。2」のエンディングとしても有名

「monochrome rainbow」には、リリース当時タイアップがつきました。

アニメ「バクマン。」(NHK教育テレビ)の第2シリーズのエンディングテーマとして、16話分3カ月にわたって流されました。

プロの漫画家を目指す2人の男子を主人公にしたアニメシリーズの第二弾。

ついに連載を勝ち取った2人を襲う数々の危機と、それを乗り越えていく姿と重ね合わせて大変話題になりました。

第1話の放映が2011年10月1日ですので、アニメ「バクマン」の視聴者はCDシングルとしてのリリースより3週間も早く「monochrome rainbow」を聴くことが出来たことになります。

新曲をいち早くチェックしたいときには、アニメをチェックしておくのもお勧めですよ!

【monochrome rainbow/Tommy heavenly6】再始動シングルの歌詞を考察!の画像

歌詞の世界

いよいよ歌詞を見ていきますが、歌詞以上にインパクトがあるのはタイトル「monochrome rainbow」です。

「monochrome rainbow」というタイトル

「monochrome rainbow」という言葉をそのまま和訳すれば「モノクロの虹」ということになります。

monochromeの「mono」は「一つの」という意味の接頭辞です。対して「chrome」はギリシャ語で色を意味する言葉を起源としています。

つまりモノクロというのは「一つの色」という意味です。

そしてrainbowは「虹」となりますが、単語を分割すると「rain」と「bow」ですので「雨の弓」という意味になります。

虹の色は7色と言われますが、「monochrome rainbow」とは色を失った虹のことであるようです。

なんだかこのタイトルはとても後ろ向きな言葉のようにも思えますが、歌詞の中ではどのように「monochrome rainbow」が登場するのか、細かく見ていきましょう。

主人公の住む世界は?

主人公の性別や年齢は述べられていませんが、人と人とのギスギスした接触に疲れている様子が描かれています。

繰り返す 鈍く デタラメな世界
煩くて耳を塞いだ

何の為に傷つけ合っているの?
Can you hear my heartbeat
Baby I trust you my friend

出典: monochrome rainbow/作詞:Tommy heavenly6 作曲:Mark and John

学業にしろ仕事にしろ、同じように繰り返される毎日の中で飽き飽きしてしまうことってありますよね。

特に、傷つけあうような人間関係がある学校や職場に、ずっとい続けなければいけないのは苦痛ですよね。

ここでは学校や職場といった具体的な場所に限定していませんが、そういう世界に取り囲まれている主人公の様子が良く分かります。

なお、英詩部分は「私の鼓動が聴こえる?私はあなたを信じているわ」という意味ですが、「Baby」および「my friend」とは誰のことでしょうか。

詳しいところはわかりませんが、嫌な世界の中にも、何か親しみが持てて信頼を置ける人物がいるということがわかる部分となっています。

絶望の中でどう生きるのか?

先ほどの英詩部分に少し救いが見られたように、この歌詞の主人公はただ悲観的に生きるだけではありません