欲しい物は万引きして手に入れるようになった

手を伸ばせば響くシナプス ポケットにはきらめく宝物
満たされない心が疼き 呼吸のように癖になってゆく
ああ 神様見つめないで
他のどんなゲームだって このスリルは味わえないわ

出典: 盗人シンデレラfeat.初音ミク/作詞:黒澤まどか 作曲:黒澤まどか

それからというもの、主人公は様々な物をゲーム感覚で万引きするようになりました。

「お金がなくても、万引きしてしまえば欲しいものは全部手に入る」という考えをするようになったのです。

欲しいものが次から次に出てくる主人公。

その度に街へと繰り出し、万引きをしていきました。

欲しい物が手に入るという満足感

そして、万引きをする時に感じるスリルを楽しんでいる様子が描かれています。

2番~ラストの歌詞

盗んだ物を使って主人公は何をした?

淡いモラルと引き換えに
急に増えたアクセやコスメ
お洒落をしたら気も紛れ
自分が可愛いと思えてきたんだ

出典: 盗人シンデレラfeat.初音ミク/作詞:黒澤まどか 作曲:黒澤まどか

アクセサリーやコスメなど、さまざまな物の万引きに成功してきた主人公。

主人公は、キラキラとした青春に憧れていました。

そのためには、まず自分がキラキラしている女子になる必要があると思っていたのでしょう。

手に入れた物を使ってお洒落をしているので、主人公の見た目はみるみるうちに可愛くなっていきました。

可愛くなった自分の姿を見て、主人公はさらに満足感を覚えるようになったようですね。

万引きをしたおかげで、憧れていた夢の日々が徐々に現実となってきたのです。

主人公にとって万引きとは「自分に魔法をかけてくれるもの」なのでしょう。

不幸だったシンデレラは、魔法によって王子様と出会って幸せを得ました。

それと同じで、不幸だった主人公は万引きという魔法によって幸せを感じられるようになったのです。

だから、主人公は万引きをやめることができなくなったのでしょう。

万引きをやめてしまったら、キラキラした自分を演出することができなくなってしまいますからね。

フェイントをして遊ぶ主人公

繰り返すたびに快楽も刺激も
罪悪感も薄くなって
フェイントで遊ぶ時もあるわ
到底誰にも捕まえられやしないのよ

出典: 盗人シンデレラfeat.初音ミク/作詞:黒澤まどか 作曲:黒澤まどか

ただ普通に万引きするだけでは物足りなくなってきた主人公。

更なるスリルを得るために、主人公はフェイントを仕掛けて大人たちをからかう遊びをはじめました。

万引きをしているように見せかけて、実は盗んでいない…といった事をして、楽しむようになったのです。

きっと万引きを繰り返していたので、万引きGメンや警察にも目をつけられていたのでしょう。

そんな大人たちを相手に主人公は暇つぶしをしていたのです。

キラキラした女子にはなれたけど…

街は私のクローゼット 好きなだけ好きなもの手に入れて
誰も迎えに来ないのなら 自分で魔法をかけてやる
ああ 哀しきお姫様は ひとりきりで舞踏会へ
月明かりが儚く照らす

出典: 盗人シンデレラfeat.初音ミク/作詞:黒澤まどか 作曲:黒澤まどか

クローゼットといっているので、主人公はコスメやアクセサリー以外に洋服も盗んでいたのでしょう。

おとなしくしているだけでは、幸せを掴むことができなかった主人公。

それどころかクラスメイトたちに嫌われて、不幸な毎日を送ることしかできなかったのです。

主人公は、自分のことを可哀想なお姫様だと思っています。

それでも、華やかでキラキラした青春(=舞踏会)を諦めることができませんでした。

だから、万引きという手段(=魔法)に頼るようになったのです。

でも、キラキラした女子になれても、主人公には仲間や恋人が全くできなかったのでしょう。

ひとりきりの毎日を送り、孤独を抱えていたのです。

万引きはいけない事と分かっているけど…

可哀想なシンデレラは
汚れた手で着飾るの

出典: 盗人シンデレラfeat.初音ミク/作詞:黒澤まどか 作曲:黒澤まどか

主人公の心のうちに罪悪感はほとんどありませんでした。

でも「万引きは絶対にダメ」という一般的な常識は理解していたのだと思います。

それでも、主人公は万引きをやめるという選択はありえないと考えていたのでしょう。

万引きをやめて不幸な毎日に戻るのだけは絶対に避けたいと思っているからです。

とうとう万引きがバレてしまった主人公