RCサクセション「サマータイム・ブルース」ってどんな曲?
RCサクセションの「サマータイムブルース」は1988年8月15日にリリースされたカバー・アルバム『COVERS』に収録されている楽曲です。
同アルバムは全曲、洋楽のヒット曲に日本語の歌詞をつけたもので全11曲収録されています。
中でも「サマータイム・ブルース」は異色の反原発を歌った内容で物議をかもしました。
もともとRCサクセションは東芝EMI(現:ユニバーサルミュージックEMIレコーズ・ジャパン)からリリースされるはずでした。
しかし「サマータイム・ブルース」を含む計4曲の歌詞に問題ありと東芝EMIがみなし、発売中止に。
紆余曲折あってキティレコード(現:ユニバーサルミュージック)よりリリースされました。
『COVERS』収録曲一覧
1. 明日なき世界
2. 風に吹かれて
3. バラバラ
4. シークレット・エージェント・マン
5. ラヴ・ミー・テンダー
6. 黒くぬれ!
7. サマータイム・ブルース
8. マネー
9. サン・トワ・マ・ミー
10. 悪い星の下に
11. イマジン
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「サマータイム・ブルース」の何が問題だったのか?
オリジナルの「サマータイム・ブルース」は1958年、エディ・コクランが発表した楽曲で、これまでに多くのアーティストがカバーしています。
海外ではザ・ビーチ・ボーイズ、T.レックス、ザ・フー、ブライアン・セッツァーなど。日本人ではRCサクセションのほかにウルフルズ、子供ばんどがカバーしています。
オリジナル曲は「ローリング・ストーン誌」が選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500で、73位にランクインしました。
問題視された歌詞
暑い夏がそこまで来てる
みんなが海へくり出していく
人気のない所で泳いだら
原子力発電所が建っていた
さっぱりわかんねぇ 何のため?
狭い日本のサマータイム・ブルース
出典: サマータイム・ブルース/作詞:E.COCHRAN・J.CAPEHART・忌野清志郎 作曲:E.COCHRAN・J.CAPEHART
東芝EMIが当時、「サマータイム・ブルース」の何を問題視したのか、まずは歌詞をご覧下さい。
寒い冬がそこまで来てる
あんたもこのごろ抜け毛が多い
それでもTVは言っている
「日本の原発は安全です」
さっぱりわかんねぇ 根拠がねぇ
これが最後のサマータイム・ブルース
出典: サマータイム・ブルース/作詞:E.COCHRAN・J.CAPEHART・忌野清志郎 作曲:E.COCHRAN・J.CAPEHART
忌野清志郎がこの歌詞を作ったのは1988年、つまり東日本大震災(2011)よりもずっと前のことです。
今でこそ、坂本龍一や斉藤和義をはじめ、多くのアーティストや著名人が原子力発電所に反対しています。
では清志郎は、何がきっかけで反原発を謳うようになったのでしょう。
チェルノブイリ原子力発電所事故
1986年4月26日、ソビエト連邦(現:ウクライナ)にあったチェルノブイリ原子力発電所4号炉で事故が発生しました。
国際原子力事象評価尺度(INES)において最悪のレベル7と評される大事故だったのです。
ちなみに、福島第一原子力発電所事故もチェルノブイリと同等、レベル7です。
チェルノブイリの事故発生後、日本でも雨に放射能が含まれている、濡れると髪が抜けるというウワサが広まりました。
日本から遠い国で起こった原子力発電所事故でしたが、当時の日本人たちはパニックに陥るほど国際的、社会的に大きな問題でした。
事故後、30年経ったチェルノブイリ
上記はチェルノブイリ原子力発電所4号炉の石棺の写真です。
事故発生から30年以上経った2017年現在も、廃炉に至っていません。
現在、事故があった4号炉には石棺(コンクリート)で全体を覆い放射能が飛び散らないようにしています。
しかし石棺自体の耐久年数が30年と言われており、早急な対応が望まれているのですが実際のところ、ロシア政府がどうしているのか明らかになっていません。