「ゴーゴーバニラズが嫌い」と呟く少女が、そうは言いながらも彼らの楽曲でノリノリに踊る姿がカワイイこのMV。
舞台は学校、彼女は元気な制服姿です。
そんな彼女はAyana(彩奈)ちゃん。
歌詞
それでは歌詞を見ていきましょう。
注目は、キラキラポップなサウンドに隠された刺さるメッセージです。
始まりのチャイム 空をかけてくほど 白黒のライフ 色をつけていくよ
出典: エマ/作詞:Tatsuya Maki 作曲:Tatsuya Maki
憂鬱で変化のない日々に、音楽で彩りを添えることはよくあること。
そんな風に、彼女はバニラズの音楽に耳を傾けます。
エマージェンシー
きっとハレとケ、祭り暮らしがごっちゃになって
電脳の海岸をただ彷徨ってるんでしょ?
出典: エマ/作詞:Tatsuya Maki 作曲:Tatsuya Maki
ハレとケ、つまり晴れやかな日とついていない最悪な日のこと。
そんな日々がごっちゃになっている、ということですから、気分ではなくメディアが流す流行などで聴く音楽を変えるから、ただただ彷徨うようなリスナーになってしまっているということでしょうか。
もうハウスナンバーうろ覚えで行くとこないなら
ここに来いよ まだ足りないんだ 愉快な遊びがね
出典: エマ/作詞:Tatsuya Maki 作曲:Tatsuya Maki
ハウスナンバーは「住居番号」のこと。
この歌詞の中では、聴きたい音楽の曲名と言い換えられそう。
メディアに踊らされた流行の曲じゃなくて、僕らの信念のあるダンスナンバーを聴いて行けよ、という煽りの歌詞に聞こえるのです。
危機的興味本位を 刺激的ニューウェイヴを
見たい方に理想と本当の 答えはあると思うよ
出典: エマ/作詞:Tatsuya Maki 作曲:Tatsuya Maki
興味も、刺激も、自分では決められなくなってはいないか。
見たいもの、聴きたいことを操られてはいないか。
そんなemergencyが、この歌詞には込められています。
おしまいのサイン 気に留まらないほどの
深夜1時のXTC この手に取ったポップ知るとどうだろう?
出典: エマ/作詞:Tatsuya Maki 作曲:Tatsuya Maki
XTCはイギリスのバンド。
ブリットポップの元祖と呼ばれる彼らのサウンドに、バニラズの音楽は大きく影響を受けているようです。
何も考えずに聞くポップサウンドに、ルーツがあり意味がある。
そんな背景だって、音楽を楽しむ意味でもあります。
いっそ 独占されたそのスペクタキュラームービー
皆で観れたらさぞ盛り上がるでしょう
ハウるまで遠く マスターを振り切ったんなら
まやかしの日々はもういらない あなたを待ってるよ
出典: エマ/作詞:Tatsuya Maki 作曲:Tatsuya Maki
「スペクタキュラームービー」は華やかで壮観な映画。
しかしこの歌詞の中では、華やかで壮観な“だけ”の映画、という意味で使われていそうです。
まやかしの日々とは、盛り上がるためだけのエンターテイメントに翻弄された日々のこと。
本当に聴きたいもの、観たいものを見つけたあなたには、そんなまやかしはもういらないと、彼らは歌い上げます。
目が覚めていく その前に 不思議な歌を思い出して
瑠璃色の夜明け 夢の終わりが近づいて 儚く消えていく
出典: エマ/作詞:Tatsuya Maki 作曲:Tatsuya Maki
流行でもないけど、友達は誰も聴いていないけれど、なぜか耳に残るあの音楽。
それこそあなたが本当に聴きたい音楽かもしれません。
そんな心の声に耳を澄ませると、きっとあなたが本当にもとめているものがわかるはず。
そしてそんな風に、聴くひとをはっとさせる音楽を奏でるバニラズだからこそ、冒頭で「嫌い」だなんて言われちゃったのかもしれませんね。