実は、隆太さんが喉の治療をするのは初めてではありません。2010年にポリープの手術を受けた経験があったのです。
その時はまだメンバーそれぞれが同じ方向を向いていなかったため、隆太さんはポリープ手術というバンドとしての危機をみんなで乗り越えた感覚がなかったと言っていました。
flumpoolはドラムの小倉さんを除いては、幼稚園からの幼なじみで、気心の知れた仲です。
しかし、メンバー同士で腹を割って話し合ったことがなかったために、心が離れてしまっていたんですね。
結成5周年を迎えた頃には、辞めたいというメンバーもいて、バンド解散の危機もあったそうです。
危機を迎えたことで初めて、4人できちんと話し合うことができたそうで、そこからはきっと絆も増したことでしょう。
順調に活動を続けてきたように見えたflumpoolにも、解散という大きな危機があったんですね。
バンドの葛藤が反映された歌詞
「明日への賛歌」歌詞を紹介
知らぬ間に 褒められる事が大事で
言われた事だけ やっていた
出典: 明日への賛歌/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生
この部分は、まさに人生そのものですよね。大人になると、主張するよりも周りに合わせて上手くやることを優先してしまいがちです。
否定されるよりも認められたい、出た杭にはなりたくない、そんな思いが人を変えてしまうのでしょう。
僕を 目隠ししてよ 五感 研ぎ澄ますように
この胸 打ち鳴らす 鼓動で
何度だって 殴りつけてよ もう忘られないように
何が起こっても この唇 噛み締めて
出典: 明日への賛歌/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生
かなり過激な歌詞ですが、それくらい強い決意だということが伝わってきますね。
「もう忘れらないように」殴りつけてほしいとお願いしている点は、まだ揺れてしまう心の弱さも感じます。
それでも、心に秘めた決意のために、一歩踏み出していますね。
争いが 起こったって
喧嘩一つ できないまま 慣れ合っていた
「いつでも優しい人」って 君は慰める
だけど 挑戦者で 常にありたい
出典: 明日への賛歌/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生
この部分こそ、過去のflumpoolです。互いがぶつかり合うことをせず、言葉を飲み込んできた結果、すれ違いが生まれ、解散危機に直面しました。
ずっとそばにいるのに、喧嘩もできない関係というのは、平和なのではなく、実はとても悲しく、不安定な状態なんですよね。
優しい人から抜け出して、挑戦者でありたいという願いが切実に響きます。
僕を 縛り付けてよ もう逃げられないように
この胸 溢れ出す 情熱で
何度だって 焼き尽くしてよ もう戻れないように
何が起こっても この拳 握りしめて
出典: 明日への賛歌/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生
この部分も、非常に強い決意がにじみ出しているところですね。どんな乱暴な方法を使ってもいいから、もう逃げ出さない自分になりたい。
でも怖がりな自分は逃げてしまうかも知れないから、逃げられないようにしてほしいのでしょう。弱い心を振りしぼって強さへの一歩を踏み出した歌詞が印象的です。
悩んでもいい
迷ってもいい
転んでもいい
止まってもいい
出典: 明日への賛歌/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生
ラストのこの部分は、感情が溢れ出しています。歌われているのは、これまでできなかったことばかりです。
悔やんでもいい
欲しがってもいい
涙してもいい
喧嘩してもいい
君は君でいい
僕は僕でいい
伝え合えるのなら
出典: 明日への賛歌/作詞:山村隆太 作曲:阪井一生
もう、大人だからとか、上手くやろうなどと考えず、自分の感情に素直に、時にはぶつかり、喧嘩したっていい。分かり合えるならそれで、というのが、flumpoolが出した答えなのでしょう。
解散危機を乗り越えて、これまでの何倍もその絆は強く、固く結ばれたんですね。
「明日への賛歌」コードを譜をちょっと紹介
非常にドラマティックで、熱く、人間臭い「明日への賛歌」は、まさに魂の叫びです。MVの中で、隆太さんが叫ぶように歌っている姿が印象的ですね。
そんな「明日への賛歌」のコード譜を少しだけご紹介します。この曲をギターで弾き語りしたら、かなりかっこいいと思いますよ!