「squall」の魅力
まずは、どんな曲?
2008年の結成から、積極的にバンド活動を重ねてきた04 Limited Sazabysによる2017年リリースのシングルです。
従来の04 Limited Sazabysの持ち味であるハイトーンなボーカル、軽快なサウンドは、しっかりとこの曲にも現れています。
また、タイトルは「Squall」となっていますが、晴天の下で聞けるようなサウンドが特徴的です。
PVはこちら
晴天下で演奏を繰り広げる映像の裏で、一つのストーリーが描かれています。
一人の女性が、ひどい目に逢い、泣きじゃくる姿が非常に印象的です。彼らが演奏している晴天とは全くもって逆な印象があります。
確かにスコールというのは晴れた後、急に起こるものでもあるのでその意味でも対照的な表現ができているのかもしれませんね。
女性が登場する部分では、暗かったり、雨に見舞われていたりと、散々なマイナスイメージの演出になっています。
途中で、自分自身と向き合い、自分をぶち壊すような表現から自己嫌悪も感じ取れるような部分もあります。
しかし、そんな自分と向き合い、この曲を演奏している彼らを目前に明るい気持ちになっていきます。
最後にはその女性にも笑顔が現れます。気持ちと空を照らし合わせたかのような、技巧的な演出になっていますね!
歌詞について!
サビの部分
空は 五月雨どうして
不安を流して
弱気が勇気と
後ずさりしてる
五月雨どうして
太陽笑えよ
くしゃくしゃになった
地図を再び広げる
出典: Squall/作詞:GEN 作曲:GEN
先ほどの、PVでも見受けられた通り、自己嫌悪とも言えるような、暗い気持ちが現れた空、つまり五月雨のように不安定なイメージでしょうか。
不安が溢れそうな心では、この部分の通り弱気さも出てしまい、勇気も出せるような余裕すらありません。そんな気持ちを打破することによって五月雨はなくなります。
つまり、気持ちが晴れる(=太陽が笑う)ということに繋がります。
くしゃくしゃになった地図という箇所からも、自分自身の心の不安定さ、そして自己嫌悪により苛立ちが沸き起こり、くしゃくしゃにしてしまったなど、想像することができます。
次第に前向きに!
空は 五月雨どうして
不安を流して
立ち上がり 何度も
変われる 進める
五月雨どうして
太陽負けんなよ
雨上がりかかる
あの虹を探しに
出典: Squall/作詞:GEN 作曲:GEN
そしてこちらのサビ部分の方が少し気持ちが強くなっているように思えます。
五月雨(雨)は、不安な気持ちを照らし合わせるかのようなイメージをさせてくれますが、こちらではその五月雨を「不安を洗い流してくれるもの」と逆な意味に捉えています。
この辺りからも、後ろ向きだった気持ちが前向きへと変わっていったことが感じ取れるのではないでしょうか。
不意に降る雨ですが、自分の気持ちが不安定になった時、その都度降ることによって毎回気持ちをリセットしてくれていると思うと、悪いものでは無くなりますよね!
そして「太陽負けんなよ」という部分では、さらに念押しするかのような力強さをイメージさせてくれています。
むしろその雨を楽しむような気持ちで「虹を探しに」いくという部分もプラスな気分が現れていますね。
虹はいきなり空に現れることはあまりなく、雨上がりの空に出ることがほとんどです。何か不安なことを経験しないと出ないものです。
弱気になったり不安になったりした後は、虹のように楽しめるものがやってくると信じて前に進もうとしているような、そんな気持ちにもなれますね。
フォーリミらしさ
生まれや育ちを理由にして
生まれ変わらず ここまで生きた
自分が欲しいよ 自信がほしい
こんなはずじゃない
こんなもんじゃない
出典: Squall/作詞:GEN 作曲:GEN
自分という自分が嫌になっているが故の本音が出ている部分だと思います!
自分の環境を言い訳にして、惰性で今まで過ごしてきた自分が、今生まれ変わらなければならないと、そう自分に言い聞かせようとしている部分でもあります。
今の自分自身の可能性を早々に決めつけるよりも、進んでみて自分は「ここまでできるんだ!過去の自分を見返してやる!」と奮い立たせる方が、絶対良いと思います。
04 Limited Sazabysの楽曲には、マイナスなイメージの部分が歌詞に書かれているものが多く見られます。
しかし、彼らの曲を聞いた後には、自然と気持ちが前向きになれるような曲が多いんです。それがまた、フォーリミらしさという要素なのではないでしょうか。
もちろん彼らがここまでのぼりつめるまでの経験や苦労が歌詞に現れているようなイメージもあります。
しかし、そのような要素の1つ1つがフォーリミらしさを作り上げているんですね。その点にも注目して聞いてみるのも面白いかもしれませんよ。