抜け出せない現状を嘆く

夢の狭間で泣いてないで
どんな顔すればいいか わかってる
だけどまだ応えてくれよ

出典: 廻廻奇譚/作詞:Eve 作曲:Eve

主人公は孤独苦しみを抱えながらも、今の状況から抜け出すことはできないのでしょう。

その中でも前を向いて進んでいかなければならないのです。

そのためには自分がどのように振る舞うべきなのか、頭では理解できています。

しかしそれを上手くできない葛藤や苦しみが滲んでいるようです。

背負った使命の先

使命を全うするために

闇を祓って 闇を祓って
夜の帳が下りたら合図だ
相対して 廻る環状戦
戯言などは 吐き捨ていけと

出典: 廻廻奇譚/作詞:Eve 作曲:Eve

1番のサビの前半部分で、『呪術廻戦』とのリンクを特に感じられる歌詞になっています。

祓うは悪霊や穢れを祓うという意味で使われる言葉です。

『呪術廻戦』では呪いで呪いを祓っており、それを行う呪術師たる主人公たちの姿が浮かんできます。

どんなに今の環境に苦悩を抱えていたとしても、主人公は呪いを祓う使命を背負っています。

その使命を全うするには弱音や泣き言を言っている暇はありません。

深く暗い夜の闇のような呪いを祓い続けようとする強い決意が感じられます。

いつかの未来

まだ止めないで まだ止めないで
誰よりも聡く在る 街に生まれしこの正体を
今はただ呪い呪われた僕の未来を創造して
走って 転んで 消えない痛み抱いては
世界が待ってる この一瞬を

出典: 廻廻奇譚/作詞:Eve 作曲:Eve

呪いは人の抱く負の感情によって生み出されます。

つまり人がいる限り生み出されるものであり、この使命はいつまでも続くものかもしれません。

その状況でも主人公はいずれ訪れる未来を思い描いているようです。

それは呪いがなくなる世界なのではないかと読み取れます。

苦悩や葛藤を抱えて

抒情的 感情が 揺らいでいくバグ
従順に従った欠陥の罰
死守選択しかない愛に無常気
声も出せないまま

出典: 廻廻奇譚/作詞:Eve 作曲:Eve

使命を背負い、それを全うしていく中では苦悩や葛藤はつきものです。

それによって思うように行動できなくなったり、失敗してしまうこともあるでしょう。

それによって罰をうけてしまうこともあるようです。

誰かを守るための使命でありながら、相手の個性や人格には区別をつけません。

それは愛情においても同じなのでしょう。

誰かからの愛を受けることへの達観した姿勢が感じられます。

終わりのない使命

がむしゃらに挑む

傀儡な誓いのなき百鬼夜行
数珠繋ぎなこの果てまでも
極楽往生 現実蹴って 凪いで
命を投げ出さないで

出典: 廻廻奇譚/作詞:Eve 作曲:Eve

人の負の感情によって呪いが生まれるのであれば、人の数だけ呪いは存在します。

それらは増えれば増えるほど集まり、数多くの妖怪が列をなす百鬼夜行のようになってしまうでしょう。

それは数珠つなぎのように切れ目なく、どこまでも続くものだと読みとれます。

いつなくなるとも知れないものですが、それらを祓うのが主人公の使命です。

呪いがなくなり穏やかな日常を手に入れるために、今はがむしゃらに使命に挑むしかありません。

しかしそれも自分が死んでしまっては叶わないことです。

生きることに対して投げやりにならない冷静さをもって使命に挑む姿が想像できます。