実写映画のOP曲として書き下ろし

アーユーレディーは2021年7月に公開された実写映画のための書き下ろし曲です。
その実写映画は「都会のトム&ソーヤ」。
講談社より2003年から刊行されている児童向けの推理小説作品です。
普通の中学生と財閥の御曹司による2人組の同級生同士の推理冒険譚を描いています。
2人の冒険の目的はズバリ究極の”リアルRPG”を作ること。
アーユーレディーはそんな2人の冒険に彩りを添えるための1曲となっています。
また、2人のように前向きに人生を歩んで欲しいというメッセージが込められているそうです。
そしてRPGがテーマということもあり楽曲の中で、各所にゲームサウンドが使われています。
今回はそんな曲の歌詞の意味について考察していくという内容です。
是非最後までお読みください。
語り明かした夜とは
旅の始まり
アーユーレディー
僕らは夢をたぐり寄せて
旅を始めよう
まだ迷ってしまうけど
世界へ 未来へ
飛び出していこう
出典: アーユーレディー/作詞:小林壱誓 作曲:小林壱誓,穴見真吾
アーユーレディーとは準備が出来た?という問いかけです。
準備中といいながらも、小説の中の2人はすでに冒険の旅に出ています。
これはまだ主人公の2人が幼く成長過程であることを印象付けているのではないでしょうか。
つまり、物語の中でどれだけ成長していくのかという期待感が表現されています。
また、夢をたぐるとはどのような意味でしょうか。
たぐるとは本来、自分のもとに引き寄せる行為を指します。
仮に夢が手元にあったとしたら旅に出る意味とはどのようなことなのでしょうか。
それは夢を見つけた時点が2人にとってはスタートラインということなのです。
漠然と夢をかなえる旅にでるのではないということ。
しっかりと夢の形を捉えた2人がその夢をかなえるために旅立つのです。
もちろん、かなえるといっても叶え方は人それぞれ。
迷い、立ち止まることもあるでしょう。
しかしそのような艱難辛苦も乗り越えて世界や未来に飛び出す。
そんな前向きな歌い出しになっています。
言霊の力を信じる
聲に出せば
言霊があるね
君とふたり
薄暗い部屋の中
恥じらいながら
語り明かした夜を 放て
出典: アーユーレディー/作詞:小林壱誓 作曲:小林壱誓,穴見真吾
言霊とはどのようなものでしょうか。
日本人は古来から、自らが発した言葉に魂が宿ることで表現内容が実現する。
そのような信仰を持っていました。
現在でも同様に言葉には魂が宿ると考えている人も多くいます。
そして、家族や友人が辛い時や悲しい時には優しい言葉をかける。
自分の気分が良くないからといってやみくもに他人を責める言葉を使わない。
など自分や他人を勇気づけたり、制したりするときに用いることが多いようです。
この2人は薄暗い部屋のなかでどのような言葉を交わし合ったのでしょうか。
恥じらいがあるという表現があることから、普段はいえないことと予想ができます。
中学生が夜更かしをして友達と会話。
1度は経験のある方も多いかもしれません。
恋愛や部活、将来について。
話題は尽きずいつの間にか時間が過ぎてしまうものです。
彼らが過ごしたこうした夜を”放て”と最後にしめられています。
こうした秘密にしていた何かを”解放”して欲しいのでしょう。
その解放のエネルギーこそが夢をかなえる原動力となるのです。
中学生くらいの年齢になると、人によっては大人のような体つきに変化を開始します。
しかし心はまだ幼い部分を残しているといえるでしょう。
そんな不安定な時期だからこそしっかりとした夢を持つ。
その夢を実現させるためには相当な想いが必要です。
2人の会話はそんな熱い未来を語る本音の会話だったのではないでしょうか。
やり残したあとに思うこと
夢に怯えてたからこそ繋がれる
アーユーレディー
僕らは夢に怯えていたから
繋がっていたんだね
出典: アーユーレディー/作詞:小林壱誓 作曲:小林壱誓,穴見真吾
夢とは将来への願望や希望のことを指します。
歌詞の意味から察するに、悪夢のような漠然と怖いものとしての表現も見えます。
しかし前者の意味から読み取るとどうでしょうか。
これからの希望、まだ叶っていないもの。
つまりまだ経験していないことを指します。
人はまだ経験していないことや未知のことに怯える傾向があります。
そして立ち向かうものの大きさを分かる人ほど慎重です。
この2人はそんな恐怖感をしっかりと同じレベルで共有できているのでしょう。
だからこそ、恐怖を感じても繋がっていられる。
逃げ出さずに立ち向かっていけるのではないでしょうか。
君と望んだこの世界
どうしたいの?
息が止まったとき
最期が迫ったとき
やり残してしまえば何を思うの?
君と選んだから
君と望んだから
始まってもないこの世界が愛しいんだよ
届きそうだ
どんな未来も君となら
出典: アーユーレディー/作詞:小林壱誓 作曲:小林壱誓,穴見真吾