サスペンスドラマの主題歌として書き下ろした名曲

緑黄色社会【LITMUS】歌詞の意味を考察!別れを告げられない理由とは?あなたに言えない秘密に迫るの画像

高校の同級生3人と、メンバーの幼馴染1人、男女2人ずつで構成された4人組のバンド緑黄色社会

ボーカルの伸びのある澄んだ歌声が印象的な彼らがドラマのために曲を書き下ろしました。

テレビ朝日系の木曜ドラマ緊急取調室 SEASON4』(2021年)で使われている『LITMUS』です。

主演の天海祐希と癖のある男性刑事たちによる、取調室が舞台のサスペンスドラマ主題歌なのです。

刑事たちは、ときには強圧的に、ときには優しく犯人を取り調べ、犯人が自白し事件は解決。

謎が解明されて視聴者がほっとした瞬間に緑黄色社会の『LITMUS』のエンディングになります。

ピアノの寂しげな旋律から始まる、「秘密」がキーワードのこの曲は聞く人の心を揺さぶる名曲です。

ボーカルの長屋晴子の透き通った声に心が洗われるような気持ちになること間違いありません。

絶対に明かせない秘密は曲の中でも明かされない

曲の中で一貫しているのが、主人公の揺れる心の動きです。

おそらく彼と付き合い始め、心から愛し合うようになって後戻りができないのでしょう。

彼とは隠しごとのない関係でいたいのに、絶対に打ち明けられない秘密が自分の心を苦しめます。

誰にでも死ぬまで隠し通したい秘密がある

この『LITMUS』の中には相手に秘密のある女性が描かれています。

この秘密はなんなのかこの曲を通しても語られることはありません。

しかし、主人公にとってかなり重い秘密であることは間違いないのです。

言ったら最後、彼に嫌われ、別れることになるような内容なのでしょう。 

隠している秘密とはいったい何かを深読み

主人公が彼に隠し通したい秘密とはいったい何なのでしょう。

恋愛だとしたら、彼と付き合っていながらほかの男性と一夜を共にしてしまったような…。

しかし、それがただ1回の過ちなら、ここまで延々と長い時間思い悩むこともないかもしれません。

もっと深くて、過去から引きずっている秘密なのでしょうか。

誰かの生死にかかわる内容かもしれないし、ひょっとすると道義的に許されない重い罪かもしれません。

自分の秘密を知られたら、きっと今までのようには付き合ってはいけなくなる。

でも、相手のことが好きだから自分から言い出せない。

そんな罪悪感を歌っているような気がしてなりません。

では早速歌詞を見ていきましょう。

秘密があることが後ろめたいほど彼のことが好き

誰より深く
わたしを知っていた
あなたにだけ言えない
秘密がある


重なり合えど
赦されちゃいけない
この体に潜んだ
魔物が笑う

出典: LITMUS/作詞:小林壱誓 作曲:小林壱誓、穴見真吾

今付き合っている男性は、自分のことを理解し、深く愛してくれている。

そんな「あなた」のことを自分だって愛しているけれど、どうしても言えない秘密がある。

その秘密が何かわからないから、余計に重さ、息苦しさを感じます。

いつものように、体を重ねて愛しあうふたり。

彼が彼女を心から思ってくれていることを感じます。

彼と体を重ね、彼のことを大切にすれば自分の消したいほどの過去はなかったことになるのだろうか…。

そんな思いが頭をよぎりますが、そんなことで罪が許されるわけはないと自分を否定します。

消せない過去は春の夜に起こったのかも

想えば想うほど隠れてしまう
いつぞやの朧月の背中へと
そこにあなたの手が触れる未来を
待つことがどれほどまで危ういか

出典: LITMUS/作詞:小林壱誓 作曲:小林壱誓、穴見真吾

朧月とはぼんやりかすんで見える、春の夜の月のことです。

朧月の出ている夜、何か後悔してもしきれない事件が起きたのかもしれません。

どこかからばれてしまうのかもしれないし、自分が告白することになるのかもしれない。

けれどその瞬間が来てしまうのが怖い。彼が秘密を知ってしまう瞬間が怖いのです。

ばれてしまうのは仕方ない。けれど、できることならばらしたくない。

その祈るような思いが「待つことの危うさ」ではないでしょうか。

好きだから秘密を明かしたい、でも別れたくない

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