しかし横一列、付和雷同にも程度や限界があるということでしょう。
あまりにもそれが行き過ぎると決して良い結果にはなり得ません。
流浪の民というのは、定住地をもたず各地を渡り歩く人々のこと。
ここでは実際の土地ではなく精神性を指しているのだと思われます。
自分の考えをもち、ときにはそれを主張することは大事なこと。
いつでも周りの顔色をうかがって、その空気に従ってばかりいては自分を見失ってしまいます。
主張しすぎるのもまた良くないことで、これが適度にやれるのがベストな状態と言えるでしょう。
取り残されるというのは、経済的な面を指しているのかと思います。
少子高齢化によって中国やインドといった国々に追い抜かれていくイメージが鮮明になってきました。
都市部だけを見ると、想像よりも近代的というか未来的な後進国の姿に驚かされます。
この歌詞が言っている通り、何もしなければ日本の経済的な威信は失墜していくでしょう。
1日でも早くその熱いDNAに火をつける必要があります。
懐かしのあのテレビ番組
どうして電話しながらお辞儀してるのー?
出典: ニッポンノD・N・A!/作詞:野沢トオル 作曲:星部ショウ
BEYOOOOONDSメンバーから、日本社会にたいする疑問が飛んでくる部分。
かつて放送されていたテレビ番組『学校へ行こう!』の1コーナーをパロディした形になっています。
『学校へ行こう!』は、1997年10月16日から2005年3月15日までTBS系列で毎週火曜日20:00から放送されていた学校教育バラエティ番組である。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/学校へ行こう! (バラエティー番組)
番組内の「未成年の主張」というコーナー。
内容は、学生が校舎の屋上から全校生徒へ向けて言いたいことを主張する、というものでした。
愛の告白から社会に対する疑問まで、いろいろな主張が視聴者を笑わせたり感動させてくれたのです。
歌詞の中ではこのようなものも。
DNAとは『デオキシリボ核酸』、『デオキシリボ核酸』ですからー!
出典: ニッポンノD・N・A!/作詞:野沢トオル 作曲:星部ショウ
先ほども解説した、DNAの正式名称についてですね。
なお、この言い方はかつての人気芸人「波田陽区」をパロディしたものと思われます。
ギター侍として、和服姿にアコースティックギターをもって社会を風刺するネタが主でした。
新時代を担っていくアイドルグループ
裏と表の顔
秘めた言葉は SNSで
本音と建て前 使い分けてる
生粋の表裏一体(D・N・A!)
出典: ニッポンノD・N・A!/作詞:野沢トオル 作曲:星部ショウ
普段、友達に面と向かって言えないことも、インターネット上でなら言える…。
友達だけではなく家族や職場関係についても同様ですね。
そのような感覚は、やはり日本人特有の外面の良さに関わってくると思います。
海外では思ったことを直接ハッキリ伝えるイメージがあるのではないでしょうか。
むしろハッキリ言わないと海外では、何を考えているのか分からず毛嫌いされてしまうとも聞きます。
しかし日本人は相手の気持ちを慮(おもんばか)るのが得意。
ハッキリ言わなくとも言葉以外のもので伝えたりすることがあります。
だからこそ、そういった雰囲気を掴めないと「空気が読めない」などと揶揄(やゆ)されるわけですね。
裏と表があるのが当たり前という世界でもレアな人種、それが日本人なのです。
息継ぎの暇さえなく
漁るトレンドアップにアップアップ
明日の会話についてけ乗ってけ
大勢順応の美学(D・N・A!)
出典: ニッポンノD・N・A!/作詞:野沢トオル 作曲:星部ショウ
毎日のようにチェックするのはツイッターのトレンド欄。
今はどんなキーワードが流行っているのか?
今日の学校での友達の会話をこなすにはその知識が大前提なのです。
朝から晩まで最新の話題を追うさまを、アップアップしていると表現しているのですね。
明日の会話で知らない単語があって自分だけついていけないなんてことは許せないわけです。
付和雷同の具体的な行動志向のわかりやすい例でしょう。