突然の訃報

『DANCE TO YOU』は非常に高い評価を得ます。

サニーデイ・サービスの活動も順調に進み、ライブはサポートのドラマーにより行っていました。

2017年には『Popcorn Ballad』、2018年に『the City』と立て続けにアルバムをリリースします。

しかし、そんな中突然の悲劇が彼らを襲います。

2018年5月、療養中だった丸山晴茂がこの世を去ったのです。

この事実は7月になってから公式サイトで発表されました。

ファンにとっても突然の報告でした。

サニーデイ・サービスは解散せず、曽我部恵一と田中貴の2人で活動を続けていくと思います。

悲しみを乗り越えて、彼らがどんな活動をしていくのか注目したいと思います。

MV

様々なゲストが登場

「苺畑でつかまえて」はMVが制作されています。

曲と同じく、このビデオも発表当初から高く評価されていました。

このビデオにはNegiccoのKaedeやlyrical schoolのyumiこと清水裕美などが出演しています。

仲の良い女友達の様子が幼少期と成長した姿と対比して描写されています。

とてもノスタルジックな雰囲気で、少しほろっとする内容のビデオです。

こちらもぜひ注目してみてください。

歌詞について

実はSF的?

星型の哀しみつれて 赤く染まるまでのランデヴー
見降ろす工場地帯のざわめき ゆえに幻想の愛の星

花吹雪舞い散る世界 「いつまでもここにいたい」って
わがままなほどのおまえと生きる この愛の星

出典: 苺畑でつかまえて/作詞:曽我部恵一 作曲:曽我部恵一

MVもそうですが、「苺畑でつかまえて」はとてもノスタルジックな曲です。

懐かしい記憶や思い出を刺激するような内容の曲だと思います。

でも歌詞は少し抽象的です。

愛の星」とは地球でしょうか、それとも銀河系の他の星でしょうか。

工場地帯という言葉からは、近代的な文明を感じることができます。

ノスタルジーと近代的、文明と幻想。

相対する表現が不思議な魅力を感じさせる出だしです。

見たこともないこんな街で 知らない感情を探してる
苺畑で逢えるといいね
そして広がっていく 染まっていく

出典: 苺畑でつかまえて/作詞:曽我部恵一 作曲:曽我部恵一

サビのメロディーはとてもエモーショナルで、メロウな雰囲気です。

この美しさがこの曲の肝だと思います。

見たこともない街というのは、今現在自分たちのいる世界のことかもしれません。

子供の頃には想像もしなかった場所に今自分がいる、と思うこともあるでしょう。

「知らない感情」とは何でしょうか。

過去の自分が考えていたこと、思っていたことかもしれません。

忘れてしまったことも、今の自分にとっては「知らないこと」です。

そうした過去の思い出や感情と出会える場所の象徴としての「苺畑」なのかもしれないと思います。

遠くまで続くメモリー 未来にさぁ色をつけて
目を細めて太陽を待つ つまりこれは愛の星

見たこともないこんな街で 知らない誰かを探してる
苺畑で逢えるのかな
うつろいてゆく 赤くなっていく

出典: 苺畑でつかまえて/作詞:曽我部恵一 作曲:曽我部恵一

過去と現在、そして未来をつなぐというこの曲のテーマがここではっきりと表れてきます。

太陽を待つというのは明日を待つ、つまり未来を見つめているということだと思います。

過去に思いを馳せるノスタルジーというのは単に後ろ向きな感情というわけではないでしょう。

過去があって現在がある。それを認識することは未来へとつながっていくのです。

見たこともないこんな街で 永遠の翼を信じてる
苺畑で逢えるといいね
そして広がっていく 染まっていく

出典: 苺畑でつかまえて/作詞:曽我部恵一 作曲:曽我部恵一

最後に

「苺畑でつかまえて/サニーデイ・サービス」を解説!メロウな曲とノスタルジックな歌詞が最高の調和にの画像

サニーデイ・サービスの「苺畑でつかまえて」についてご紹介しました。

とても美しく、普遍的な魅力を持つ曲だと思います。

アルバム『DANCE TO YOU』はほかにも美しい曲がたくさんあります。

ぜひ、アルバムでも聞いていただけたらと思います。

『DANCE TO YOU』に収録された「セツナ」という曲についての記事をご紹介しておきます。

こちらも合わせて読んでみてください。さらに理解が深まると思います!