Reol【Q?】歌詞の意味を解説！知るほど青くなるのはなぜ？違うもの同士がわかり合いたい心情を紐解く

テレビアニメ「デジモンアドベンチャー:」のエンディングテーマに起用された本楽曲。

モノクロに染められた世界で、たった1人で声を上げるReolの姿が印象的なMVも見逃せません。

その映像と暗く響くメロディーは、主人公の沈んだ心を映し出しているかのよう。

曲名にもなっている「Q」の文字は、歌い出しの歌詞が示すように「疑問」を表しているといえます。

かつては隣にいたはずの誰かと、手を繋ぎ合っていた主人公。

しかし今は、その手がどれほどあたたかいものだったかすら分からなくなってしまうほどに「孤独」です。

音もなく零れ落ちる雨は、明るかったあの頃の記憶を消し去ってしまうかのように冷たいもの。

このまま雨と共に、どこまでも堕ちていってしまう……。

そんな先の見えない不安に、心が押しつぶされそうになります。

主人公の生きる世界は、もはや生命活動を諦めてしまったかのように荒れ果てた世界でした。

誰もが死んだような目で、ひたすらに足元を見つめているだけの世界。

そこに明るさや未来、希望の光は存在しないかのようです。

主人公の記憶の中で、君はいつまでも僕に笑いかけているのに……。

愛しくてたまらない君の姿は、もうどこにもありません。

誰もが未来を見ることを止めた世界で、初めて自分と向き合うことができた主人公。

これまでは弱い自分を恥ずかしいと感じ、ただ強くなろうと努力してきたはずです。

しかし、そんな弱さですらも受け入れ、愛してくれたはずの君。

君がいたからこそ、弱い自分を認めることができたのです。

そして主人公が今ここに立つことができているのも、君のおかげに他なりません。

心に潜んで消えない弱さは、紛れもなく自分の一部。

弱さを知っている人だけが、本当の意味での「強さ」を知ることができるのです。

大切なことに気がつかせてくれた君は、自分とは全く違う生き方をしてきた人。

そんな君の過去や考え方、そしてこれからの未来を一緒に見ていきたいと願うのです。

この世界に生きている人は、誰しもがたくさんの苦労を重ね、傷つき、前を向くことができなくなった人たち。

それでも生きることを止めずに、ひたすら同じ毎日を繰り返している人たちです。

今日を終え、新たに迎える明日が、希望にあふれたものであるとは限りません。

もしかするとそれは、顔を上げることすらできないほどの1日かもしれないのです。

それでも人間は、明日を過ごすことを止められません。

どんなことが待っているか分からなくても、そのままに時を過ごすしかないのです。

そんな中、疑問の答えを見つけようと立ち上がった主人公。

辛い出来事を重ね、体中が傷だらけになろうとも、それが「美しい」といえるように生きたいと願うのです。

どうしようもない世界の中で、希望となるのはたった1つの感情だけ。

自分が「生きたい」と思えた瞬間の思いが、生きる希望となるのです。

誰も他人のことを気にする余裕のない日々の中で、ただひたすらに自分の居場所を求めている主人公。

自分の中から湧き出てくるような希望の光に見ないふりをし、周りと同じように生きることを決めたあの日。

それから今日まで、ただ何もない1日を繰り返す日々が続くこととなったのです。

曲名が表す「Q」のもう1つの意味、それは「静寂」。

誰も声を上げることなく、確かにそこにいるにも関わらず、誰もいないかのような静寂……。

不気味なほどの静けさの中で、誰が希望の光を見出せるでしょうか。

しかし、これは考えることを止めてしまった自分たちへ、神様が用意した「罰」なのです。

前へ進む原動力を失い、屍のようにさまよう人々。

彼らにも確かに、光が心に宿っていた時期があったはずです。