リピートが止まらない「No title」
中毒を超えて依存レベルの大人気曲
れをるが作詞作曲をしてボーカルを務めている楽曲「No title」。
ユニットREOLのメンバーであるお菊・ギガ・れをるの3人が作り出すこの曲は2014年10月13日にニコニコ動画に投稿されました。
REOL前身となる同人サークル「あにょすぺにょすゃゃ」のリリースアルバム「No title+」「No title-」に収録されています。
YouTubeにも同時投稿され今では17万再生を超えており、まだまだ再生数は伸びていくと予想される人気曲です。(3/15時点)
おしゃれなMVに注目
弾ける泡と色使いがもはや芸術

MVでは雲が流れている空のような背景の上に歌詞が表示されていく仕様となっています。
歌詞の表示が泡が膨らんで弾けるようなモーションや白と黒の堅いフォントなのに儚さを感じる歌詞表示が印象的です。
またサビのコスミック柄の流れていく直線や間奏の白がる波紋の様子なども含め、全体の映像が一つの芸術作品としても楽しむことができます。
歌詞ではどんなことが歌われている?
No titleでは歌詞に独自の場面設定や物語を意識して作っていないとれをるさんは以前話していました。
しかし、れをるさんの作る曲は喜怒哀楽をまず考えてから作られているそうで、Notitleは哀の気持ちを中心にして作られたそうです。
哀とは切なくて胸が詰まるような気持ちやかなしい気持ちという意味の感情を表す言葉です。
ではどんなことに哀という感情を感じているのかを感じつつ、歌詞を追っていきたいと思います。
納得できないことで溢れかえっている世界
ずっと夢見てた僕になれたかな とうに帰れないとこまで来たみたい
自分の足で二段飛ばしてそうもっと先へ駆けていけるはずだからrun away
深くなる傷を縫い付け 繋ぐパス軸に廻りだす
慣れた痛み、焦る呼吸とビート 気付かないふりしてまた一人
出典: No title/作詞:れをる 作曲:れをる
今の自分はあの頃の夢見ていた自分になれているだろうか、そう立ち止まってしまう瞬間が人生には何度もあるのではないでしょうか。
たとえ目指していた自分とは違っていても戻れるわけもないのですから、さらに進み続けるしかないですよね。
ただそれはrun away=逃げるという表現がされているように、気づかないように目を背けていると表現されています。
傷つきながらもその痛みに慣れていき夢みた自分とは違う状態でも一人で進み続けるのは、まるで現代社会を生きる人を示しているように感じます。
何が正当?ないな永劫 誰が間違った対価払うの
あんたが嫌いなあいつはきっとただ「それだけ」で不正解なんだ
0点だって提言したって全然納得できない理由も
最前線はいつだってここだった 最善策は最初からなかった
出典: No title/作詞:れをる 作曲:れをる
正しくて道理にかなっていることを正当と言いますが、そんなのはずっとない社会で誰がその間違っている対価を払うのでしょうか。
だってそこに存在しているだけで不正解だとレッテルを貼られるような世の中なのです。
世の中の納得できない数々の理由はこういったことであるし、そうやって常に納得できない何かをどうにかできる方法なんて存在していないのだと気づくのです。
理不尽も納得できないことも生き続ければ続けるほど感じる世の中なのに、それを解決する方法は存在していないことに気づいていくだけの日々はなんと寂しいことでしょう。
緩やかに崩れ壊れてく
ゆるりゆるり首を締めるように昨日までの僕が殺されていく
緩やかに離れ離れ飽く
ぐらりんり君にきこえるのは僕が知らない声になってく
出典: No title/作詞:れをる 作曲:れをる
自分を納得できないことに囲まれて生きていると、少しずつ自分というものが壊れていくように感じます。
それはまるでゆるく首を絞められているように、苦しみを感じながらじわじわと息の根を止められているようなのです。
受け入れたくない現状でもその環境に慣れていく自分は少しずつ変わっていくようで、夢みていた頃の自分の声は知らない自分へと変化していきます。
受け入れたくないものに触れ続けるあまり、望んでいないのに徐々に侵食され変わっていっているように感じているのではないでしょうか。